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能無しの烙印を押され、勇者パーティーを『追放』された俺が、実は『最強』だった『不浄』の力で、気づけば『英雄王』に成り上がっていた件  作者: 一 弓爾
セリュカン 病魔退治編

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第33話 病魔退治クエスト――ボス戦①

 森の最奥さいおうまでいつの間にか到着していた。


 そこは鬱蒼うっそうとしており、陽の光もあまり入ってこないような感じだ。


「エネルギー……なくなりました……」


 セラがフニャフニャといった擬音が似合う揺れ方をしながら、獣人の姿に戻る。


 服は破れたりなどしていなく、そのままだ。


 おそらく、変身は服などの上から行われる魔導的仕組みなのだろう。


「大丈夫⁉ セラちゃん!」


 ルクスハートがセラを抱きとめる。


「お腹……空きました……」


 セラのお腹がぐぅ~と鳴る。


「あわわ。アルミラージの干し肉食べる?」


 ルクスハートがカバンの中から、干し肉を出しセラに渡す。


「あ! セラこのお肉……好き!」


 セラはエネルギーを充電するように、干し肉をむしゃむしゃと食べる。


「けぷっ……。ごちそうさまでした……」


 セラは手を合わせて、満足そうな顔をしている。


「回復した? セラちゃん?」


 ルクスハートが心配そうに尋ねる。


「うん! ルクスお姉ちゃん!」


 セラはニコニコと笑う。


「……もう、なんでそんな可愛いの⁉」


 ルクスハートはセラを抱きしめる。


「えへへ……」


 セラは嬉しそうにルクスハートを抱きしめ返している。


「セラ、一気に森の奥まで来れた。ありがとうな。この先に、病魔がいるはずだ。油断せずいこう……!」


 俺が鼓舞こぶするように声を出す。


「はい! 油断せずいきましょう!」


 ルクスハートはセラを抱きしめながら言う。


 なんというか、説得力が少しないな……。


 まあ、二人共嬉しそうだからいいが……。


 ただし、ここからは命を懸ける必要があるレベルの戦いになるだろう。必ず勝つ……!




 俺達は更に奥に進む。


 そこには、禍々(まがまが)しいオーラを放つ、煙のような形状の穢れの塊――病魔が浮いていた。


「ここまで来たか……。人間……」


 その声はどこかぶつ切れであり、聞き取りにくい。


「お前がセリュカンを病で覆っている元凶か……?」


 俺は低いトーンで尋ねる。


「そうだ。我が名はリモルビス……。人間を根絶やしにすることこそ、我が生きる意味……。ここで死ぬがいい……」


 リモルビスは一気に、穢れを放つ。


「《超吸収ハイパーアブゾーブ》……!」


 俺は急いで詠唱し、穢れを吸収する。


 一般人がこの量の穢れを身体に受ければ、たちまちリモルビスの病におかされるだろう。


「ほう……。穢れを吸収するか……。人間……。だが、どこまで耐えられる? 随分と我が穢れを吸収しているようだが……?」


 リモルビスは淡々と言葉を紡ぐ。


「吸収した分俺は強くなるんだよ……! さっさと決めてやる……!」


 とはいったものの、リモルビスの出す穢れは相当な量だ。ハイパーアブゾーブを常に発動しておかないと、俺自身も病に侵されそうだ……。


「ヴェル様! 私達もいます! セラちゃんとの『複合魔法』を使えば穢れをはらえます!」


 ルクスハートが大声を出す。


「そのとーりです!」


 セラもルクスハートに続く。


「いくよ? セラちゃん! 《複合魔法》《回復魔法ヒール×聖属性付与セイントグラント――聖斧セイントアックス》……!」


 ルクスハートの《ヒール》と、セラの《セイントグラント》が合わさり、ルクスハートの大斧に強力な聖属性が付与される……!


「道を切り開きます……!」


 ルクスハートはセイントアックスで、穢れを切り裂いていく。


「助かる……! ルクスハート、セラ……!」


 じりじりと、リモルビスに近づいていく。


「……やるではないか人間……。だが、甘い……!」


 リモルビスの言葉の直後、魔物が大量に四方八方から現れる……。


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


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