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異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜  作者: 青山喜太


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 ベットに寝ているエイダに凶刃が迫りくる、その時だエイダを貫こうとするその刃はエイダの手前の空間に現れた魔法障壁により、弾かれる。障壁を張った主はアレン先生だった。


「ドンキホーテ!!」


 アレン先生が叫ぶすると突如、部屋の壁を突き破られ、煙が舞う。その煙の中から鎧を着たドンキホーテが現れた。彼は一瞬で、エイダを襲った村人達を取り押さえてしまった。


「なんか足音がすると思って一応鎧着といてよかったな。」


 彼はそう言いながら村人を殴り倒す。


「ふぇあ?!何!?」


 エイダもこの騒ぎに目を覚ました。


「ドンキホーテこやつら操られておるな。エイダ手伝ってくれるか?捕縛魔法じゃ!」


「う、うんわかった!」


 エイダは戸惑いながらもグレン教を捕まえるためにあらかじめアレン先生から教えられていた捕縛魔法を村人達にかける。


(初めて実戦で魔法を使うけど…)


 エイダが呪文を唱えると魔力は、光る縄とかしひとりでに村人達に巻きついていった。最高だ。(やった!)と、エイダ心の中で喜んだ。


「うわぁとんでもないことになっているね。」


「 そんなのんきなことを言っておる場合か!マリデ!襲撃じゃ!」


 マリデもまた、ドンキホーテが開けた穴からエイダの部屋に入ってきた。


「すまないちょっと今分身を外に出していてね、急いで報告にやっと来れたんだ。外が今大変な状況になっている。」


「どうしたんだボス?」


「今、僕の魔法障壁で押さえ込んでいるけど大勢の村人がこの宿に押し寄せている。」


 エイダは驚き外を見る。すると大勢の村人がエイダ達の泊まる宿屋に押しかけていた。入り口でもう1人のマリデが両手を前に突き出し結界を張っているため入っては来れていないようだが、村人達は結界に群がり、無理矢理突破しようとしている。


「どうなってるの…」


 エイダは息を呑む。朝方の時は皆、異常などなかったはずだ。だが今の村人達は違う目は血走り、明らかに常軌を逸しっていた。


「時限式か、条件か…」


 アレン先生が呟く。


「どういうこと?アレン先生。」


 エイダの問いにアレン先生は答える。


「恐らくこの村人達は魔法にかけられておる。じゃが昼間は何も感じなかった。恐らく時限式で発動する魔法かなんらかの条件を満たした時に発動する魔法かけられていたんじゃろう。」


「やっかいじゃのう」とアレン先生は締めくくる。


「先生!この人たちを治す方法はないの?」


「今やっておる…!よしできたぞ!」


「お、やったか先生!」


 ドンキホーテが喜びの声をあげた。


「ああ、じゃがここにいる村人全員を直すのは相当に時間がかかる。じゃから申し訳ないが麻痺の魔法で外にいるやつらは体の自由を奪うとしよう。マリデやれるか?」


「もちろんさ、いつでも準備はできているよ。」


「ではともに行くぞ!」


 アレン先生は宿の入り口へと走り外に行き結界を張っているマリデの分身体と合流した。


「行くぞマリデ!」


「ああ!」


 アレン先生の掛け声に合わせ、マリデは呪文を詠唱する。

 そして2人がけでの霧のような魔法が放たれた。2人の魔法は結界をすり抜け、村人達を包み込んだ。すると村人達はうめき声をあげながら、倒れていく。


「終わったようじゃな」


「結界をとくよ。」


 マリデの分身は宿に張っていた結界をとくと、そのままふうと息を吐きながら、黒い塊になり本体であるマリデの影の中に戻っていった。


「これからどうするよ。ボス」


 宿の外に、でて村人たちが倒れているこの惨状をみたドンキホーテはマリデに聞く。


「さてどうしたものかな。村人全員が敵なのは流石にまずいね。でもこれはグレン卿の関係者が村人を操っているに違いないある意味、好機かもしれないね。」


 マリデがそんなことを言っている時だ、エイダが何かに気がつくそれは村人が、倒れているせいでエイダ以外の誰も気がつかなかったが、地面に線が引かれていた。


「あのこの線ってなんですか?」


 そう言った時だ。地面が紫色に光り出した。正確にはエイダが気づいたあの線が光り地面を照らしているのだ。


「こりゃなんだ!」


 ドンキホーテが叫ぶ。


「まずいまさか、転移魔法か!」


 アレン先生は気づき真っ先に、光る線を魔法陣を破壊しにいった。しかし全てが遅かった。光は次第に強くなりエイダたちを包み込んでいった。



 ドンキホーテは思わず閉じてしまった目を開ける。


「ここはどこだ?」


「ヘヘッ、ここはファファン村近くの森だぜ四肢狩り。」


 聞いたことのある声がする。あの飛空挺で死闘を繰り広げた男の声が。


「お前…確かジャンだったか。」


 大鎌を背負った、褐色肌の死人ジャンは顔を歪ませ喜んだ。


「ヘヘッ、ご名答。覚えてくれて嬉しいぜ。」


 ドンキホーテは急いで周りを見渡した。周りにはアレン先生もエイダもマリデもいなかった。一瞬でドンキホーテは状況を理解する。


(別々のところに飛ばされたか…!)


「ヘヘッ、いくゼェ!」


 ジャンの大鎌を、ドンキホーテは剣で受け止める。火花が森を照らし衝撃波が木々を揺らした。



 エイダは目を開ける。そこは見知らぬ部屋だった。格子が目の前にある。どうやらここは独房のようだ。独房にエイダはいつのまにか座っていた。そして格子の向こう側、白髪の男が立っていた。その男は立っているだけで威厳を感じさせる、高貴さを備えている。年齢は恐らく老年いったところだろうか。その男にエイダは見覚えがあった。


「グレン卿!」


 エイダはグレン卿を睨みつける。この男こそ全ての元凶…母であるラヘナとエイミーが死ぬきっかけになった男だ。その男は口を歪ませると信じがたい言葉を吐いた。


「久しぶりだな、我が娘よ。」


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