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542話 最後の戦い・その5

 迷いはなかった。

 みんななら、必ずこうしてくれる。


 そう信じていたから、すぐに体が動いた。


 崩れた衝撃波の隙間を抜けて、デミウルゴスに向けて駆ける。

 同時に、意識を集中させて、己の心にアクセスする。


 魔王の力。

 魔王の魂。

 魔王の記憶。


 その全てに触れて。

 掴んで、引き寄せて。

 枷を解き放つ。


「ぐっ……あああああああぁっ!!!」


 体を内側からバラバラに裂かれるかのような激痛。

 精神が砕けてしまうかのような衝撃。


 一瞬、意識が飛んでしまう。


 でも、どうにかこうにか耐えて……


「……んっ!」


 魔王の力……赤いオーラを体にまとう。

 成功だ。

 ぶっつけ本弾だけど、完全に力を解放することができて……

 その上で、『ハル・トレイター』という俺を保つことができている。


 ただ、思っていた以上に時間がかかったらしく、デミウルゴスが次の攻撃体勢に映っていた。


「悪あがきを」


 デミウルゴスが強烈な攻撃を放つ。

 炎、雷、氷……三属性を混合した、見たこともない魔法だ。


 直撃したらタダでは済まない。

 防ぐとしても、防ぎきれるかどうか。


 でも……


「させません!」


 アンジュが防御魔法をかけてくれた。

 光の壁が俺の前に出現する。


 それはデミウルゴスの魔法を受け止めて、わずかに勢いを殺して……

 しかし、すぐに破られてしまう。


 ガラスがまとめて100枚、砕けるような音。

 光の壁が消えてしまう。


 でも十分。

 わずかに勢いが落ちたおかげで、余裕で回避することができた。

 いくら威力が高くても、当たらなければどうということはない。


 デミウルゴスに向けて駆けつつ、目を閉じる。

 集中。

 己の中にある魔王の記憶に触れる。

 戦うための力と知識を引き出す。


「アルティウム・ザッパー!」


 手を振り……

 その軌跡に従い、青い炎が走る。


 それは、空間そのものを切断する魔法。

 基本、防御不可能という、まさしく『必殺』の魔法。


「ぐっ……これしきのことで」


 その凶悪な一撃を受けて、デミウルゴスはわずかに怯む。


 大したダメージは与えられなかったみたいだけど……

 でも、初めてダメージが通った。


 いける。

 確かな手応えを感じつつ、次の魔法を放つ。


「ディストラクション・フレア!」


 手加減なしの全力の一撃。

 漆黒の炎が爆ぜて、デミウルゴスを包み込む。


 それは、まるで意思を持った龍のよう。

 ヤツの巨大な体に絡みついて、さらに、四つの翼を焼き尽くそうとする。


「このような……! このようなことで、我が意思を、星の再生を阻むことは……!!!」

「ディストラクション・フレア!!!」


 デミウルゴスの言葉は無視。

 もう一発、同じ魔法を放つ。


 さらなる黒炎がデミウルゴスを包む。

 逃がす場はなく。

 防ぐ間もない。


 決定的なダメージとはいかないものの、これを連発すれば……


「愚かな」


 瞬間、ゾクリと背中が震えた。

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◆◇◆ お知らせ ◆◇◆
再び新作を書いてみました。
【氷の妖精と呼ばれて恐れられている女騎士が、俺にだけタメ口を使う件について】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[一言] このまま、やれるか?!(⑉⊙ȏ⊙) フラグ過ぎたが流石に(ʘᗩʘ’)
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