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526話 戦闘特化

「こ、のっ……ファイアボム!」


 泣きたくなるような痛みを我慢しつつ、魔法を放つ。


 フラメウはすぐに剣を引いて、そのまま魔法を避けた。

 一度、こちらと距離を取る。


「お兄ちゃん!?」

「だ、大丈夫……ヒール」


 急いで治癒魔法をかけた。


 傷は塞がる。

 ただ、流れた血と失われた体力までは元に戻らない。


 体が少し重い。

 でも、泣き言なんて言ってられない。

 フランと一緒にこの場を乗り切らないと。


「……フラメウはスピード特化なの?」

「……ううん。あれが、お姉ちゃんにとっての普通」

「……うわぁ」

「……火力、機動力、防御力、全てが際立っているんだよ」


 なんて厄介な。

 カマエルよりちょっと強いかな? とか思っていたけど、予想が甘すぎた。

 ちょっとじゃない。

 かなり……いや、圧倒的なまでの強さを持っている。


「行くぞ」

「行きます」


 カマエルとフラメウが同時に動いた。


 どんな手を使っているのか、カマエルは弧を描くように移動して……

 そのまま重力を無視して、壁を走る。


 壁を走る敵と戦った経験なんてない。

 距離感や間合いをうまく掴むことができず、ちょっと混乱してしまう。


 一方で、フラメウは再び超速で移動した。


 側面に気配。

 カマエルと連携して、挟み込む狙いのようだ。


「させないよ!」


 フランが光の翼を展開した。

 それは今まで以上に大きく、縦横に広がり、俺を包み込む。

 盾となりフラメウの攻撃を防いだ。


 ありがたい。

 フラメウの超速移動にはまだ目が慣れていないから、ちょっと対処が厳しい。

 こうして援護をしてくれると、安心して戦うことができる。


「フレアクラスター!」


 ファイアボムの改良版。

 接触すると爆発する炎弾を複数ばらまく、という魔法を放つ。

 今、作り上げたものだ。


 ただ、なかなかうまくいかない。


 カマエルはすぐに後ろへ退いて、射程範囲外に逃げた。

 フラメルに至っては、無数に飛ぶ炎弾の合間をくぐり抜けてこちらに迫る。

 速度だけじゃなくて、動体視力、反射神経も規格外だ。


 でも……


 炎弾が床や壁に激突して、爆発。

 炎と衝撃波を撒き散らす。


「っ……!」


 さすがにそれは避けることができない様子で、フラメウの足が止まる。

 これが本当の狙いだ。


 ちょうど、まっすぐ伸びた通路の先にフラメウとカマエルがいる。

 そして、敵認定された俺は、ここの被害を気にする必要はない。


「フレアブラスト!!!」


 わりと全力の一撃。

 炎が圧縮されて、ドラゴンブレスのように前方全てを薙ぎ払う。


「うわー……お兄ちゃんの魔法、改めてみるととんでもないね」

「それ、もう言われ慣れたよ」

「でも……」


 フランはいつでも動けるように構えたままだ。

 彼女に従い、俺も足に力を込める。


 ややあって、炎が晴れて……


「やりますね」

「敵の脅威度を更新する」


 無傷のフラメウと、ちょっとだけ傷ついたカマエルが見えた。

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◆◇◆ お知らせ ◆◇◆
再び新作を書いてみました。
【氷の妖精と呼ばれて恐れられている女騎士が、俺にだけタメ口を使う件について】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[一言] 生半可な攻撃は効かんか(ʘᗩʘ’) ならまた封印するか?(٥↼_↼)
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