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517話 神の元へ

 カマエルの事件から数日が過ぎた。


 事件がなければ神様に面会できていたんだけど……

 そういうわけにはいかず、フラン達は事件の後処理に追われることになった。


 そして数日。

 ようやく処理が完了して、天上都市は落ち着きを取り戻す。


「やっほー」

「おはようございます」


 フランとフラメウが宿にやってきた。

 事件の後処理が終わり、自由に動けるようになったらしい。


「なんかやつれた?」

「わかる? 聞いて、聞いてくれる、お兄ちゃん!?」

「おおぅ」


 ぐいっと詰め寄られた。


「カマエルがやらかしたせいで、ものすごーーーく大変だったんだよ!? 私、事務係じゃないのに! そういうタイプじゃないのに! 色々とやらないといけなくなったの!」

「えっと……おつかれさま」


 一方のフラメウはなにも文句を口にしていない。

 たぶん、彼女も大変だったんだろうけど……

 これはこれで仕事、と割り切っている様子だった。


「まあ、やっと終わって自由になったから。ついでに、確認もしてきたよ」

「確認?」

「ママに会えるかどうか」

「っ……その結果は?」


 俺を含めて、みんなが緊張した顔に。


「オッケー! というか、ママの方が会いたいって」

「それはまた……」

「ちょっと意外な展開ね」


 アリスとレティシアが拍子抜けしたような感じに。

 カマエルの件があるから、スムーズにいかないと思っていたのだろう。


 一方、サナは呑気なものでにっこりと笑う。


「おー、よかったっすね、師匠。これでやっと、ここに来た目的を果たせそうっす」

「ダメ。まだ安心できないよ?」

「そう、ですね……シルファさんが言うように、本当に問題がないのかどうか」


 シルファとアンジュは慎重だ。

 まだ同じような事件が起きないか心配しているのだろう。


 たはは、とフランが苦笑する。


「まあ、そうだよねー……そういう心配はあるよね」

「証拠を提示することは難しいですが、あのようなことは起きません。私も護衛につきます」


 フラメウがそう言う。


 彼女は、確か……

 第八世代型殲滅天使、だっけ?


 そんな物騒な名前がついているのなら、ちょっと安心できるかもしれない。


「お兄ちゃん達がよければ、すぐにでもママのところに案内できるけど、どうする? もちろん、また今度、っていうのでもいいよ? あと、この日、この時間がいいって、お兄ちゃん達が決めても問題ないよ」

「えっと……」


 みんなを見る。


 俺に任せる。

 そんな感じの視線を向けられた。


「そう……だね」


 天使にも色々なタイプがいて、一枚岩じゃない。

 ただ、フランとフラメウは僕達に対して、それなりに友好的だと思う。


 それは個人の感情から来るものじゃなくて、神様に命令されているから、っていう感じかもしれないんだけど……


 でも、それはそれで信用度が増す。

 彼女達にとって神様は絶対的な存在だから、裏切るような行動は取らないだろう。


「……うん。なら、今からでお願いするよ」

「ありゃ? いいの?」

「フランが言ったんじゃないか」

「そうだけどね。あんなことがあったから、本当は、もっと迷うんじゃないかなー、って思っていたんだ」

「迷ったけどね。でもまあ、色々と考えて……それで、最終的にフランを信じることにした」


 アーランドで一緒に街を回り、美味しいものを食べて笑顔を見せていた。

 あの時のフランを素直に信じたいと思う。


 彼女が言うのなら大丈夫、って。


「そっかー……うんうん、そっか! なら、今度こそ、しっかりと期待に応えないとね」


 フランは嬉しそうに笑うのだった。

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◆◇◆ お知らせ ◆◇◆
再び新作を書いてみました。
【氷の妖精と呼ばれて恐れられている女騎士が、俺にだけタメ口を使う件について】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[一言] 何駄感駄で少し引っ張られたけど(ʘᗩʘ’) 下手に先送りにしても何も解決せんし(٥↼_↼) また変なのが沸く前に目的をすませんと(´-﹏-`;)
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