506話 メモリーキューブ
質問:天使という存在について教えてほしい。
解答:神の尖兵。あるいは、その手足となって働く存在。
人を管理、人を理解するため、人の形がとられている。
しかし、力と知識は人を大きく凌駕する。
現在、第九世代型まで開発されている。
第三世代型までは自我はなく、感情もない。
第四世代型から感情が搭載されて、より人間らしくなった。
第一、第二世代型は廃盤。
第十世代型が開発中。
質問:神について教えてほしい。
解答:荒廃した世界を管理、再生するためのシステム。
遥か昔、当時の人間の手によって作られた。
素体となったのは人間の女性。
システムに直結されている。
そのため、直接、世界に介入することは難しい。
代わりに天使が作られて、彼ら、彼女らが世界に干渉することになった。
質問:悪魔について教えてほしい。
解答:遥か昔、魔力を過剰に取り込んだ人間の成れの果て。
荒廃した世界を生き延びるために、人間を捨てた。
強い力と魔力を持つ。
ただ、強引な進化のせいで感情が不安定に。
長い時を生きるにつれて欲望が肥大化して、害悪となる存在が多い。
質問:魔王について教えてほしい。
解答:悪魔の中で一際強力な力を持つ存在。
力だけではなくて知識も蓄えている。
神、及びシステムの支配を快く思わず、脱却を目指して戦争を起こす。
結果、敗北。
肉体を失うが、魂は生き残り、人間の中に転生することになった。
質問:世界の荒廃とは?
解答:遥か昔、人間同士の戦争が起きた。
元々、小さな戦争は何度も起きていた。
ただ、その戦争は全世界に拡大した。
星全体が戦火に包まれて、当時の人口の9割が死んだ。
また、大地や海、空が毒で汚染された。
たった一週間の戦争で、人間の世界は崩壊寸前に至る。
質問:システムとは?
解答:戦争を生き延びた人間が星の再生を目的に作り出したもの。
戦争をなくすための方法。
毒を浄化する方法。
人間を癒やす方法。
それらの解答を導き出す存在。
最善の未来へ至る道を記してくれる道案内とも言える。
後に神とシステムが直結された。
質問:神についてもう少し詳しい情報が欲しい。
解答:個体名マリア。
人間ではあるが、システムと同期するために最適化。
その後、システムと直結されて神となった。
その目的は星の再生と管理。
星を焼く戦争を二度を起こさないために、人間の文明レベルをコントロール。
適度に力と知識を与えて、時に奪う。
一定のレベルまで引き上げた後、そこに留めることが目的。
星海都市で世界をコントロールしている。
システムと直結されているため、星海都市から外に出ることはできない。
質問:魔人についての情報が欲しい。
解答:現在、魔人については調査中。
質問:悪魔が人間だったのなら、元に戻る方法は?
解答:実現例はなし。
しかし、全ての方法を試したわけでない。
不可能と断じることはできない。
質問:神、あるいは天使は正義?
解答:正義という概念は存在しない。
個人により異なり、都合よく利用されるためのもの。
新作始めてみました。
『執事ですがなにか?~幼馴染のパワハラ王女と絶縁したら、隣国の向日葵王女に拾われて溺愛されました~』
こちらも読んでいただけると嬉しいです。




