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381話 理不尽だ……

「ハルっ!!!」


 レティシアがこちらに駆けてきた。


 やったわね!

 という感じのハイタッチかな?


 俺は手を上げる。

 レティシアも手を上げる。


 そして……


「このバカ!」

「いたっ!?」


 いきなりグーパンチ。

 え、なんで?


「あんなバカでバカなバカっぽい魔法、いきなりぶちかますんじゃないわよ!? 私達まで巻き込まれそうになったじゃない!」

「でも、そうならないように後ろに下がるようにあいた!?」


 再びのグーパンチ。


 一応、手加減はしてくれているみたいだけど……

 けっこう痛い。


「危ないじゃない」

「むう」


 今のレティシアは悪魔の魂の影響は受けてなくて、素の状態に見える。

 なんて暴君。


 でも……


 ちょっと懐かしい。

 なんだかんだ、こういうところがあったんだよね。

 わがままというか、ガキ大将というか。

 時々手が出るけど、そこにはちゃんとした理由がある。


「なに笑ってるのよ?」

「ううん、なんでもないよ」


 ちょっと懐かしい気持ちになったけど、それに浸るのはまた今度。

 今は、目の前の現実に対処しないと。


「ば、ばかな……」


 愕然とするゲオルグ。

 その反応から察するに、天使は完全に消滅したみたいだ。


「これで、あなたを守ってくれる者はいない」


 一歩、前に出る。

 そして手の平をゲオルグに向けた。


「勝負はついた。おとなしく投降してくれないかな?」

「ぐ……」


 必死に事態の打開策を考えているみたいだけど、でも、なにも思い浮かばない。

 そんな様子で、ゲオルグはとてもとても苦い顔に。


 ここで投降してくれたら、事態はスムーズに進んでいくんだけど……

 そう簡単にはいかないか。


「このような……このようなところで終わってたまるものか! 神よ! どうか、どうか祝福を!!!」


 ゲオルグは天に向かって叫ぶ。

 なにかを招き入れるかのように両手を広げる。


 ただの妄言?

 それとも……


 その時、天から光が降り注いできた。


「おぉ!!!」


 ゲオルグは歓喜の表情を浮かべた。


 ただの自然現象じゃない?

 彼の呼びかけに何者かが応えた?


 だとしたら……

 それは、神?


「力が湧いてくる! そうだ、これだ! これこそが求めていたものだ、この力があれば、二度と奪われることはない! 奪う側に立つことができる!!!」


 泡を飛ばすような勢いで叫ぶゲオルグ。

 そんな彼の体に異変が起きる。


 瞳の色が消えて、透明なガラスのようになってしまう。

 それと、背中から光があふれた。

 それは翼のようにまとまり、ゲオルグを包み込む盾となる。


「人が天使に……?」


 なんだ?

 いったい、なにが起きている?


「さあ、ひれ伏すがいい!」

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◆◇◆ お知らせ ◆◇◆
再び新作を書いてみました。
【氷の妖精と呼ばれて恐れられている女騎士が、俺にだけタメ口を使う件について】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。
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