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379話 倒しても倒しても……

「……悪いけど」


 今度はアリスが前に出た。


 その手に持つ剣は輝いている。

 精霊の力を借りているんだろう。


「呑気に攻撃をさせるわけないでしょう? そこは、レティシアと同じ」


 天使はとんでもない攻撃をする。

 簡単に屋敷を吹き飛ばしつつ……

 それでいて、ゲオルグに危害を与えることは一切ない。


 とんでもない技術、魔力の持ち主だ。

 こんなこと、そうそうできない。


 ただ……


「遅い!」


 弱点があるとすれば、それは攻撃までの時間が長いことだ。


 驚くほどの威力と精密さ。

 それを可能とするにはそれなりの時間が必要らしく、攻撃が遅い。


 その隙をアリスは見抜いていたのだろう。


 恐れることなく前に出て、剣を振る。

 光をまとう刃は天使の両手を切り裂いた。


 切り飛ばされた両手が飛んで……

 しかし、空中でピタリと止まる。


 そんな攻撃は意味がない。

 そう言うかのように切り飛ばされた両手が元に戻り……


「だから、それはもう見たわ」


 アリスの剣が再び閃いた。


 今度は天使の両足を切り落として……

 さらに、胴体を上下に断つ。


「まだよ」


 くるっと回転。

 その勢いを剣に乗せて、追加の斬撃を叩き込む。


 一閃。

 二閃。

 三閃。


 そして、最後に叩き落とすような強烈な一撃。

 文字通り、天使はバラバラにされてしまう。


「ふぅ」


 バラバラになった天使を見て、アリスは満足そうな顔をした。

 そして、ゆっくりと剣を鞘に収める。


「これだけしたら再生なんてできないでしょう?」


 ドヤ顔のアリス。

 ……ちょっと怖い。


「ふっ」


 しかし、ゲオルグは落ち着きを失わない。

 未だ余裕の態度を崩していない。


 それはつまり……


「アリス!」

「嘘でしょ!?」


 バラバラになった天使が動いた。

 いくらかの残骸がまとまって手足となり、宙を飛ぶ。


 手足は単体で動いて、それぞれ魔法を放つ。

 頭部も切り離された状態で動いていて、同じく魔法を放ち、攻撃をしかけてきた。


「ひゃー!?」

「なによあれ!? 反則すぎない!?」


 問答無用で攻撃をしかけたレティシアが言える台詞じゃないような?


 とはいえ、理不尽すぎる、という点には同意する。

 体をバラバラにしても死ななくて……

 それどころか、バラバラになった状態で攻撃をしかけてくる。


 魔物でも、あそこまでバラバラになれば生きていることはできない。

 それは、魔人……悪魔も同様だろう。


 それなのに、平然とこんなことができるなんて……

 これが天使の力?

 神の尖兵の力?

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◆◇◆ お知らせ ◆◇◆
再び新作を書いてみました。
【氷の妖精と呼ばれて恐れられている女騎士が、俺にだけタメ口を使う件について】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。
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