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優しい家族と、たくさんのもふもふに囲まれて。〜異世界で幸せに暮らします〜  作者: ありぽん


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80急なお仕事

 僕が怒られてから、じいじは自分のお部屋で、何か作ってます。出来るまで内緒だって。僕の物作ってることだけ、教えて貰えました。何だろう、楽しみ!じいじとなかなか遊べないけど我慢です。

 あっ、後ね、じいじ達まだまだ、お家に帰らないって。雪が降る寒い季節終わるまで、お家にいて僕と遊んでくれるお約束しました。僕は嬉しかったけど、お父さんはじいじとケンカしてました。


 怒られてから、2日目のお昼。今日のお昼は、家族全員でご飯食べられました。お兄ちゃん達も、学校お休みだっだから。僕は皆んなでご飯食べられて、ニコニコです。いつもそうだったら良いのに。

 デザートのケーキを食べてる時でした。アシェルが部屋に入って来て、お父さんの側に、サササって近寄って、それからお父さんの耳もとで、何か言いました。お父さんのお顔がどんどん、怖いお顔になっていきます。どうしたのかな?

 お父さんは、ケーキを途中で食べるの止めて、立ち上がりました。

「父さん、オリビア、食事の途中ですまないが、仕事部屋へ来てくれ。母さん後頼みます。アンソニー、ジョシュア、ユーキと遊んでやってくれ。それからユーキ。今日はもう外に出るなよ。いいな。」

 お父さんの言葉に、お母さんとじいじが立ち上がって、皆んなお部屋出てっちゃいました。せっかく皆んな一緒だったのに…。僕ちょっと寂しいです。しょんぼりして、フォークでケーキ突いてたら、ばあばが側に来てくれました。

「さあ、ユーキちゃん。大好きなケーキ、そんなにつんつんしてないで、食べてしまいましょうね。お父さん達はきっと、大事なご用が出来ちゃったのね。お仕事だから仕方ないわ。ばあばも居るし、お兄ちゃん達も今日は、一緒に遊べるから、そんなに寂しそうな顔しないの。ね。」

「はーいでしゅ…。」

 夜はまた、皆んな一緒に、ご飯食べられるかな?

 僕はそう思いながら、ご飯の後、ばあばとお兄ちゃん達と、いっぱい遊びました。

 でもね、この日から、お父さんもじいじも、みーんなとってもとっても、忙しくなっちゃって、全然遊べなくなっちゃいました。


<ウイリアム視点>

 ドアを開けると、そこにはリク君のお父さんが待っていた。

「あら、タージじゃないの。情報を持って来たの、貴方だったのね。」

 ソファーに座らせ、アシェルから緊急だとされる情報を聞く。確かオリビアの話では、リク君の家族は今、お店に出す食材探しに、森に行っていた筈だが、そこで何かあったか?

 タージはカバンの中から、顔の被り物を取り出した。私はそれを受け取ると、すぐにある印に気付いた。父さんもオリビアもすぐに気付く。

「タージ貴方、何処でこれを。」

「西の森の中心部から、少し奥に入った所だ。」


 詳しい話を聞き、私はアシェルに、冒険者ギルドと商業ギルドのギルドマスターを、すぐ屋敷に呼ぶように言うと、そのままタージには残ってもらい、もっと詳しく話を聞き始めた。話をしている最中、オリビアがハッとしたように、タージに確認した。

「タージ、アニータとリク君は無事なの?」

「ああ、何ともない。ただ、リクがちょっと怖がっちまってな。いつも冒険者になるなんて、はしゃいでたから忘れてたが、あいつもまだ5歳の小さい子供だ。今はショックでアニータにくっ付いてる。」

「そう、取り敢えずは無事なのね。ちょっとリク君が心配ね。」

 そんな話も挟みながら待っていると、2人のギルドマスター、冒険者ギルドマスターイルスと、商業ギルドマスターロイが、慌ててやって来た。2人に今の状況を説明する。


「死黒の鷹狩り」が、近くの森に現れたかもしれない事。その証拠となる、黒い鷹の印の入った、被り物が見つかった事。そして見つかった場所には、複数の商人と護衛の冒険者の死体があった事。私はなるべく詳しく、だが簡潔に、今の状況を説明した。

 2人は黙ったまま、静かに最後まで、私の話を聞いていた。そして全てを聞き終えると、ため息をついた。

 どこまでこの被り物と、被害者達だけで判断するのか問題になった。状況証拠だけを見れば、奴らが居る事は確実。しかし奴ら自体を見たものは、今ここには居ない。

 皆がそれぞれ考える中、街を守る私は、どうするべきなのか。

 そんな事は決まっている。この街に、私の大切な人達が居るこの街を、奴らなんかに、奪われてたまるか。今こうしている間にも、奴らがこの街へ向かっていたら?何も準備せず、ただ奴らが来るのを、待つわけにはいかない。

 私が手を挙げると、皆が静かになった。

「準備をしよう。この街を守るんだ。私達の大切なこの街を。」

 私の言葉を聞き、少しの間沈黙が流れたが、イルスの、

「了解した。」

 と言う言葉と共に、今ここに居る全員が頷いた。

 私はこの街の代表として、ギルドにはギルドとしての、緊急事態の為の役割を確認し、それを実行する為に動き出した。

 何もなければそれで良い。良いに決まっている。だが最悪を考えて、行動する事が大切だ。

 それから近隣の街にも、連絡をしなければいけない。証拠があった森からカージナルが1番近いとは言え、ほかの街へ向かう可能性もある。小さな村にも警告を出さなければ。


 ユーキが街に帰ってきて、ようやくいつもの日常が戻って来たと思ったら…。ユーキもやっと落ち着いて、眠る事が出来るようになったのに。最近じゃ、父さん達と遊べて、毎日ニコニコ顔だ。そんな可愛い笑顔を、また奪おうとする奴らが、そばに居るなんて。全く嫌になる。



 

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