73お友達紹介と、もしかしてあれが出来るように…?
「それじゃあユーキ、じいじにユーキの友達を、紹介してくれるかの?」
お父さんの方見て、お父さんが頷いてくれたから、マシロ達のこと、じいじ達に紹介します。じいじ達は家族だからね、皆んなの事、紹介しても大丈夫。
「あのねじいじ、マシロはねマシロで、ぼくのはじめての、おともだちでしゅよ。ぼくがおなまえ、ちゅけたでしゅ。」
ぼくは順番に、マシロ達のこと、紹介していきます。アンソニーお兄ちゃんが、途中で僕に、お名前しか言ってないよって。
ん?マシロは最初の友達って紹介して、その後も、ディルとリュカは2番目の友達でって言って、そんな感じで、順番に紹介していったんだけど、ダメだった?
「ユーキに、人前でマシロ達の事は喋るなって、約束させたが、どうもお前の紹介はいつも何かズレるな。この間私にエシェットを紹介した時も、1番大事な事言わなかったしな。」
お父さんがそう言いながら、僕の頭を撫でました。友達紹介って、難しいね。僕、ちゃんと紹介出来てると、思ったんだけど。
「いい、いい。今ので十分じゃ。細かいことはあとでじゃな。のう、ウイリアム。それと、そこの者達も、後でわしと話をしようじゃないか。」
「…そこそこ、人を見る目は、あるようだな。まあ、どんな話をしようと、我に変わりはないがな。マシロ、お前もそうだろう。」
マシロは何も言わず、静かに頷いていました。僕一緒にお話するって言ったら、僕はダメだって。ブー、何でダメなの。僕がほっぺを膨らませて、プンプン怒ってたら、じいじがね。
じいじも、ばあばも、皆んなとお友達になりたいんだって。だからね、お友達になれるように、ゆっくりお話したいんだって。僕がいると、じいじと僕、遊んじゃうかもしれないから。そしたらゆっくり、マシロ達とお話し出来なくて、なかなかお友達になれないから、ダメなんだって。
そっか。僕の家族皆んな、マシロ達とお友達だもんね。じいじ達だけ仲間はずれは、ダメダメです。早くお友達になって、皆んなで遊びたいから、我慢しなくちゃ。
あっ、でもね、お話合いまでは、じいじは僕と遊んでくれるって。
さっそく貰った、お砂遊びの道具を持って、じいじとばあばと一緒に、お外のお砂場に行きます。お砂場に着いた僕は、じいじに相談です。
「あのねじいじ、ぼくね、おおきいしゅなのおやま、ちゅくれないの。だからいちゅも、まけちゃうでしゅ。じいじはちゅくれましゅか?」
「負けちゃう?」
「お友達にリク君ていう、男の子が居るのだけれど、いつもユーキちゃんより、大きな砂の山作っちゃうから、ユーキちゃんしょげちゃうんです。」
「そうかそうか、そのリク君は、ユーキよりも大きい子なのか?」
「ええ、向こうが3歳年上です。」
じいじはまた、そうかって言うと、バケツに入ってたお道具、全部出しちゃって、何も入ってないバケツに、お砂をどんどん入れていきます。僕も入れなさいって。
スコップでどんどんお砂入れていきます。2人だから、すぐいっぱいになりました。持ってみなさいって言われて、バケツ持ってみます。お砂いっぱいだったけど、なんとかバケツ持てました。
「持てるなら、大丈夫だな。どれ、じいじが1度やってみるからの、よく見ておくんじゃぞ。」
じいじは僕からバケツを受け取ると、そのバケツを、ひっくり返しちゃいました。そしてバケツを上げます。そこには小さなお砂のお山が。
「ユーキ、この山にもっと、砂を乗せてみなさい。いつも山を作る時と同じじゃよ。」
「はいでしゅ!」
僕は言われた通り、砂を乗っけて行きます。あれ?いつもみたいに、すぐにお山が崩れません。どんどんお砂を乗っけます。
そして、いつもよりも大きいお山が出来ました。
「ふおお、しゅごいです!いちゅもより、おおきいでしゅ!」
「あら、ユーキちゃん凄いわね。」
「ユーキは土台が出来ておらんかったのだろう。だからすぐに潰れてしまって、大きく出来なかったんじゃ。このやり方なら、ユーキでも大きな山が出来るじゃろう。」
「じいじ、ありがとでしゅ!かあしゃん、かあしゃん、リクくん、いちゅあしょべましゅか?あちたでしゅか?」
お母さん達が、困った顔で笑ってました。この前遊んだばっかりだから、もう少ししてからだって。リク君ね、お店で売る物、森とかに探しに行ってるから、今、街に居ないんだって。なんだ、残念。でも、今度遊ぶ時は、僕負けないもんね。
お父さんが騎士さんに呼ばれて、どこかへ行っちゃって、お母さんも、ちょっと用事があるからって、じいじ達に僕のこと、宜しくお願いしますって、どこか行っちゃいました。僕はそのまま、お砂遊びです。
それでね、僕思い付いたんだ。今ここに居るのは、僕とじいじとばあば、それからマシロ達とお兄ちゃん達。アシェルもアメリアも、お父さん達と一緒に行っちゃって、今ここに居ません。これなら大丈夫!
「ふへへへ…。」
「なんじゃ、どうしたんじゃ?」
「あ~、あれは何か、良くないこと思いついた時の顔と、笑い声だね。ユーキ、何思い付いたの?」
「キャキャキャッ。」
「ほう、これは凄いのう。」
「そうねえ、でも危なくないのかしら。」
「大丈夫じゃろう。ユーキ、マシロ、気を付けて遊びなさい。」
「はーいでしゅ!」
少しして戻って来たお父さん。僕が遊んでるの見て、凄く怒ってました。
僕ね、じいじ達に、スペシャルブランコ見せてあげたんだ。久しぶりのブランコです。じいじね、面白そうだって言ってました。それにね、自分もやってみたいって。でしょう。これ面白いんだよ!
でも、それ聞いたお父さんは、じいじと喧嘩です。お部屋に帰るまで、ずっと喧嘩してました。僕はブランコ出来たから、とってもニコニコです。
じいじは、遊んで良いって言ってた。もしかしたら、お父さんも良いよって、言ってくれるかも。そうだといいなあ。
じいじ達が来た日の夜、僕が寝ちゃってから、マシロとじいじ達、お話したみたい。次の日、僕がおはようした時には、もうお友達になってたよ。
これで皆んな、お友達。嬉しいね!




