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優しい家族と、たくさんのもふもふに囲まれて。〜異世界で幸せに暮らします〜  作者: ありぽん


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71お手紙が届きました。

<ユーキ視点>

 今日は、リク君と遊ぶ日です。街に帰って来てから、初めてです。

「ユーキ!久しぶり!」

「こんにちわでしゅ!」

 最初はやっぱりお庭で、冒険者ごっこです。少ししか会わなかっただけなのに、リク君剣使うの、上手くなってない?だって木に傷が付いてるよ。傷つけたの見て、リク君のお母さんのアニータさんが、凄く怒りました。

「あんたは、ウイリアム様のお屋敷の木に、何傷つけてるの!まったく、剣禁止にするわよ!ごめんなさいねオリビア。もうさせないから。」

「いいのよ。気にしないで。ユーキちゃんも、いろいろやらかしてるから。」

 でもアニータさんが、剣はもうダメって言ったから、今度はボールで遊びます。

「ユーキ!上手く蹴れるようになったか?よし、あっち行くぞ!」

「あっ、こら、優しくボール蹴ってあげなさいよ!本当にあの子は。」

 リク君とお池の側で遊びます。あ、そうだ。

 僕がお船のおもちゃ貰ったよって、リク君に言ったら、今度、リク君もお船のおもちゃ持ってくるから、次に遊ぶときは、お池で遊ぼうって。たくさんお池の中におもちゃ入れたら、きっとお魚さんびっくりしちゃうね。

 リク君の蹴ったボールを、僕が蹴ります。スカッ。蹴れませんでした。難しい…。またリク君に笑われちゃった。蹴り方教えてくれたけど、あんまり上手く出来ません。

「力いっぱいだぞ!」

「ふん!」

 足がボールに、ちょっとだけ当たりました。コロコロボールは転がって、お池の中に。ボールがぷかぷかお水に浮いてます。

「あーあ。」

「ありゃ…。」

 僕が手を伸ばしてボールに触ると、ボールが遠くに。またちょっとだけ触ると、またまたボールは遠くに。もう、じっとしててよ。よしもう1回!僕は一生懸命手を伸ばします。そして、ボールを触った瞬間。

「ばしゃああああん!!」

 お池に落ちちゃった…。マシロが僕のお洋服の襟首咥えて、お池から助けてくれます。リク君がお母さん達呼んで来てくれるって。

「母さん!ユーキが池に落ちちゃった!」

「は?」

「ユーキちゃん!?」

 僕はマシロに咥えられてぷらぷら、お水もぼたぼた。マシロもエシェットも、僕がお池に落ちる前に、助けてくれようとしたけど、間に合わなかったって。

 そのまま今日のお遊びは、終わりになっちゃいました。まだジョンお兄ちゃんに貰った、おもちゃで遊んでないのに…。僕はそのまま、お風呂に連れてかれました。

 お母さんに怒られちゃった。必ず大人の人呼びなさいって。それか、マシロかエシェットに頼めって。マシロ達もお父さんに怒られてました。危ないと思ったら、すぐマシロ達が僕の代わりにしなさいって。落ちるまで見てたら、しょうがないだろうって。

 せっかく久しぶりに、リク君と遊べたのに、ダメダメな日になっちゃいました。

 怒られた後、僕はアンソニーお兄ちゃんのお部屋で遊びました。もらってきた絵本、読んでもらったんだ。お父さんが、今日はもう大人しくしてなさいって。お兄ちゃんはまた、何かやったのって、笑ってました。


 夜になって、皆んなで夜ご飯食べて、いつもみたいに休憩です。僕はマシロに乗っかって、滑り下りるをしてました。うん、お滑り台。僕の後ろをシルフィーが続きます。キャッキャッて騒いでたら、アシェルがお部屋に入って来ました。お父さんにお手紙が届いたんだって。お父さんは、手紙が来たの知って、とっても嫌そうな顔してました。

「やっぱり来たか。はあ、何が書いてあるやら。」

「それからユーキ様。ユーキ様にもお手紙ですよ。」

「おてがみ!!ふわわわ、ぼくにでしゅか!はじめてでしゅ!」

 僕は急いでアシェルに近寄って、手紙を貰いました。初めてのお手紙です。前の世界でも、もらった事なかったです。お父さんが、読めない僕の代わりに、お手紙読んでくれました。

 お手紙はおじいちゃんからでした。僕に早く会いたいから、すぐにお家に遊びに来てくれるって。お土産もたくさん持ってくから、楽しみに待ってるようにって。

「いちゅでしゅか!いちゅくるでしゅか!」

 おじいちゃんの住んでる街は、お家から馬車で、5日くらいの所にある街なんだって。この手紙書いてすぐ、おじいちゃんお家出てるはずだから、後3日くらいじゃないかって。

 もうすぐおじいちゃんに会えるんだ!嬉しいなあ!嬉しくて部屋の中、ぐるぐる走っちゃったよ。そんな僕を、お母さんが捕まえて、良かったわねって。うん、楽しみ!!


<ウイリアム視点>

「やっと寝たか。興奮し過ぎたな。」

 手紙を読んでやってから、ユーキは大興奮だった。寝る前に読むんじゃなかったと、少し後悔だ。興奮し過ぎでなかなか眠ってくれず、困ってしまった。

 それにしても、やっぱりと言う感じか。近いうちに連絡が来ると思っていたが。孫好きの父さんが、ユーキの事を放っておく訳ないよな。

  さっきの私の手紙には、なぜユーキを家族にした時、すぐに連絡しなかったと、それはそれは、たくさんの文句が書いてあった。

 しかもオルガノ殿は、ユーキが拐われていた事も、詳しく手紙に書いたらしい。それについても、ものすごい文句が書いてあった。

 今度会うのが、憂鬱でしかない。子供達は嬉しいだろうが、私はずっと文句を言われ続ける。

「あなたがすぐ、連絡しないのがいけないのよ。」

「分かっている。しかしだな、もし手紙出してたら、またずっとこっちの家に留まるぞ。そうすると、この家の中は大騒ぎだぞ。」

「そう言えば、お母様の事、ユーキちゃんには言うの忘れてたわ。」

「今回は2人で来るからな。明日にでも、ユーキに言っとくさ。朝のうちがいいか?夜だとまた、眠らなくなるな。」

 手紙には、母さんの事も書いてあった。まあ、2人とも同じ反応だが、父さんよりも母さんの方が、怖さで言ったら上だろう。連絡しなかった私の自業自得だが。気が重い。お小言を言われるのは分かっているが、どうにかならないものか。

 などと考えていたが、そう言う事を考えていると、1日が過ぎるのが早く感じる。気付いた時には、父さん達が来る日が、明日へと迫っていた。


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