61お呼ばれしました。領主様のお屋敷へ。
この街に来て、3日経ちました。毎日お父さんのお仕事に、ついて行ってます。
あっ、でもこの前のお絵かきの次の日は、シルフィーとアメリアがお留守番でした。シルフィーのお洋服洗ったんだけど、次の日までに乾かなかったんだ。シルフィーはついて行きたいって言ったけど、おでこの石、隠せないからダメって。お父さんが一緒に居られなくなるぞって言ったら、しょんぼりしてたけど、お留守番してくれました。
シルフィー可愛そうだったから、その日はシルフィーの絵描いて、プレゼントしました。大好きな木の実も、買って帰ったよ。
お昼食べて、お昼寝して。目が覚めたら、知らない人がお部屋に居ました。
「おはよ、ごじゃましゅ…。」
「起きたか?」
お父さんに抱っこされて、ソファーに座ります。まだぽよぽよです。うとうとしながら、お父さん達の話を聞きます。
お話は、今日の夜ご飯、どこかへ食べに行くって、そういうお話でした。男の人が、時間と来てほしい人達の名前いってます。僕の名前も言ってました。
お父さんが分かりましたって言って、男の人がお部屋から出て行きました。まだまだぽよぽよの僕は、バイバイだけして、目は瞑っちゃってました。クスクスって言う、男の人の笑い声が聞こえたよ。
やっと目が覚めた僕が、おやつ食べようとしたら、今日はダメだって。
「うー、ぼくのおやちゅ…。」
「今日は我慢してくれ。その代わり今日の夕飯は、領主様の所に呼ばれてるから、美味しいものたくさん食べられるぞ。そうだな、ケーキもあるかも知れないぞ。」
ケーキ!!お菓子と同じくらい大好きなケーキ!なら、お腹空かせておかなくちゃ!
今日は夜ご飯食べに行くから、お仕事は少し早くに終わりです。1度お宿に戻って、準備するんだって。何の準備かな?
お宿に戻ると、お母さん達が先に帰ってました。お部屋の中は、お洋服でいっぱい。何処にそんなしまってあったの。それに、
「かあしゃん、きれいでしゅ!」
お母さんは、キラキラで綺麗なピンク色の、ドレス着てました。お家にいる時もドレス着てるけど、いつもよりキラキラです。夜のご飯食べる為なんだって。
お父さんの方を見ると、サッとお着替えしてました。お父さんもいつもよりカッコイイお洋服です。
「さあ、ユーキ様。ユーキ様も可愛くお着替えしましょうね。今から着るお洋服は、特別な日に着る洋服なんですよ。」
アメリアにお着替えさせてもらいます。いつものシルフィーと同じお洋服じゃなくて、いつものお父さんの、騎士さんのお洋服みたい。鏡を見て僕は、大はしゃぎです。だって、騎士さんになったみたいなんだもん。
「じゃあ、ちゃんとコレも付けないとな。」
お父さんが、おもちゃの剣を付けてくれます。
「完璧な騎士だな。似合ってるじゃないか。可愛い可愛い。」
「えへへへへ。」
僕はカッコつけて、ふんって胸を張りました。
用意が終わって少しして、お迎えが来ました。お外に出たら、お馬さんがカッコイイ大きな箱、引っ張ってました。馬車って言うんだって。馬車に乗って、今日夜ご飯食べる所へ出発です。後ろから、オリバーさん達が、お馬さんに乗って付いてきます。
あっ、マシロ達は、アメリアとお留守番です。今から行くお家には入れないんだって。残念。あとでお父さんに、何かお土産買って貰うね。
馬車は、少しして止まりました。馬車から降りると、目の前に大きなお家がありました。僕のお家より大きいです。
「ここが領主様、この間お会いしただろう。オルガノ殿が住んでいるお屋敷だ。今日はオルガノ殿に、夕食を招待されたんだ。静かにしてるんだぞ。いいか。」
「はいでしゅ!」
「その返事が、危ないんだがな。」
そう言って笑うお父さん。大丈夫だよ…、たぶん!!
目の前の扉が開いて、女の人が2人と、男の人が1人出てきました。
「ようこそいらっしゃい。待ってたわ。最初の日以来ね。」
「あの日は、突然の訪問を許して頂き、ありがとうございました。妻のオリビアと息子のユーキです。」
「オリビアです。この度は本当に、ありがとうございました。こうして無事、ユーキも戻ってまいりました。」
お父さん達、なんかいつもと違う。何だろう?いつもは柔らかいけど、今は固い感じ?よく分かんないけど、何か違う。
ボケっとお父さん達見てたら、お父さんに頭を撫でられました。
「ユーキ、ご挨拶だよ。」
そうだ、僕もちゃんと、ご挨拶しなきゃ!
「勇輝でしゅ!2しゃいでしゅ。よろしくおねがいでしゅ!」
僕は手を挙げて、ご挨拶しました。
「偉いわね。ちゃんとご挨拶できて。私はオルガノの妻でルーシーよ。よろしくね。それにしても、聞いてた通りね。貴方達の小さい頃と全然違うわ。貴方達、ボケっとしてたものね。」
「母さん、いつの話?この子がしっかりし過ぎてるんだよ。僕はジョンよろしくね。」
「そうよ。それに、私は兄さんよりはしっかりしてたわよ!私の名前はジェニーよ。よろしくね。ねえ、ユーキちゃん、抱っこしてもいい?」
僕がはいって言うと、物凄い勢いで抱っこされました。ああ、こんな弟が欲しかったって。お顔でお顔を、スリスリされました。そのままお屋敷の中へ入ります。オリバーさん達は入り口までだったみたい。
お屋敷の中は、キラキラした物がいっぱい。あのキラキラの石触ってみたい!あ、あの置いてある、キラキラした箱何だろう。見たい物がいっぱいです。
いつのまにか、お姉ちゃんから、お父さんに抱っこ変わってて、キョロキョロする僕を見てお父さんが、
「お願いだから、静かにしててくれよ。」
って。大丈夫、大丈夫。僕静かにしてるよ。
「あっ、とうしゃん、アレは何でしゅか?」
「…頼むぞ本当に。」
案内されてついたお部屋は、僕のお家のご飯食べるお部屋より、もっと大きかったです。真ん中のお椅子に、領主様のオルガノ殿が座ってました。




