60プレゼントとお風呂
お外は少し暗くなってました。朝よりも人が多くて、皆んな夜ご飯買いにいってる(来てる)んだ。カージナルと同じだね。カージナルも夕方になると、ご飯買う人でいっぱい。
パカパカお馬さんで歩いてると、今日、お母さんとお別れした所に、お馬さんから降りてるお母さん達と、ザクスさんが立ってました。
「かあしゃんだ!かあしゃーん!」
僕が手を振ると、お母さんも手を振ってくれました。
2人の所に着くとすぐに、お母さんが僕のお洋服に気付きました。エシェットにシルフィーのお洋服も。
「ちょっと帰りが、遅いと思ったら、このお洋服が原因かしら?」
お母さんはニコニコしてたけど、なんかお母さんの周りがね、パチパチ音がしてたよ。それからお父さんの方見て、お口をパクパク。お口動いてるけど、声が聞こえないんだ。変なの。
でも、その後すぐに、お父さんはお馬さんから降りて、すみません!って、お辞儀してました。
ザクスさんが僕の横に来て、笑ってます。
「これはまた、派手にやったもんだな。」
「さっきまで、マシロもこんな感じだったんだ。ユーキとシルフィー、それにユーキによれば妖精も、顔までこんな感じだったんだぞ。顔綺麗にするのが大変だった。あの顔、見せてやりたかったよ。面白い顔してたんだ。」
「ふへへ。」
僕が笑うと、お母さんが楽しくて良かったわねって。それからアメリアに、お洋服の確認してます。僕のお洋服は別のがあるから大丈夫だって。それからエシェットは、お父さんのお洋服借りる事になりました。ディルとリュカは、もう乾いちゃったって、マシロの毛の中から、返事だけ聞こえました。
あれから全然マシロの毛から出てこないです。たまにチラチラこっち見てるけど、オリバーさんが見ると、シュッて、また隠れちゃうんだ。
あの時のオリバーさん、怖かったもんね。2人とも怖がっちゃってます。1度だけ僕に話しかけてきて、あの人間には、逆らっちゃいけないって言って、またすぐ隠れに行っちゃった。
「後は、シルフィーちゃんね。お洋服持って来てないのよ。どうしようかしら。」
「そのままで良いじゃないか。シルバーウルフなんだろ。」
お母さんは、笑ってたけど、ちょっとだけ、困った顔してました。
「それよりも、ユーキ達がこの格好じゃあ、今日一緒にご飯食べようと思ったんだが、無理そうだな。早くお風呂入れてやりたいだろ。」
「ああ、すまないザクス。明日でもいいか?」
ザクスさんも、まだもう少しこの街にいるから大丈夫だって。
ザクスさんが僕のカバンに気付きました。可愛いカバンだなって。僕は、貰ったお菓子を、カバンに入れてる事言いました。それからね、とってもお菓子美味しいよって。そしたら、そうかそうかって言って、また、自分が持ってたお菓子、カバンにたくさん入れてくれました。
「ふおお、かばんぱんぱんでしゅ!ありがとでしゅ!」
「ザクス、お菓子好きなのは分かってるが、持ちすぎじゃないか?ユーキちゃんと分けて食べるんだぞ。」
「ふんふん、ふんふん♪」
「…ダメだなこれは、あとで、少し回収だな。」
ザクスさんとバイバイして、お宿に着きました。皆んな自分のお部屋に戻ります。オリバーさんに絵を渡さなくちゃ。それと、もう1度ごめんなさいも言わなきゃ。
「オリバーしゃん。」
部屋に戻るオリバーさんを呼んで、止まったオリバーさんに近寄ります。お父さんのカバンの中にしまった、お絵かき道具を出して、たくさん手の形の付いた紙の中から、オリバーさんの絵を見つけます。そしてオリバーさんに渡しました。
「何ですか?」
「オリバーしゃん、おえかきのおどうぐ、プレゼントくれまちた。しょれで、オリバーしゃんかきまちた。どじょでしゅ。」
少しの間、絵を見つめるオリバーさん。そして…。
「ありがとうございます。大切にしますね!」
にっこり笑って、絵を貰ってくれました。それと、さっきのお掃除のこと謝ったら、もう少し大人しくですよって、笑顔のまま言ってくれました。そのまま、マシロの方を見て、貴方達もですよ、良いですねって。ディル達がマシロから出て来て、周りを飛びます。シルフィーも近付いてきました。ごめんなさいって、言ってるって伝えたら、オリバーさん頷いて、にこにこお顔のまま、自分のお部屋に。
良かった。もう怒ってなかった。
夜ご飯の前にお風呂です。お宿には、1階にお風呂があります。小さいお風呂が3つです。入る時は、お風呂のドアの所に、入ってますの板を付けます。僕はお父さんに連れられてお風呂場に。お湯はね、お宿の人が魔力石で、温かくしてくれてます。体を洗うためのお湯と、入るお湯と、ちゃんと分けてありました。
最初に髪の毛を洗ってもらって、次にまだまだ汚れてた、体を洗ってもらいました。それから、抱っこしてもらって、お湯の中に入ります。1人で入ると、お顔がお湯の中に入っちゃうんだ。ここには僕だけの、お風呂のお椅子ないからね。
「そうだユーキ。」
「なんでしゅか?」
僕は帰り道、お風呂で遊ぶおもちゃ買ってもらって、それで遊んでます。魔獣のお人形で、お湯に浮かぶんだ。
「さっき、シルフィー達見て、ブルブルしたいって言っただろう。考えたら家に帰らなくても、ここはお風呂だからな。やっても良いぞ。」
「ほんとでしゅか!」
それを聞いた僕は、すぐに頭をブルブルします。わあ、待て待てってお父さんが。え?だってやって良いて言ったのに。
「お湯から出て、1人でやるんだ。私に全部掛かるだろう。ほら。」
お湯から出て、もう1度ブルブルブル。水が飛ばなくなっちゃったから、お湯で濡らして、ブルブルブル。楽しい!僕は何回もブルブルしました。そして…。
「あなたは、いったい、なにしてるの!」
「…すまない。」
僕今、ポヤポヤしてます。フラフラです。ベッドに寝かせられて、おデコには冷たいタオルがのってます。お母さんがお父さんを、すっごく怒ってました。
お風呂、長く入り過ぎたんだって。お母さんは怒ってるけど、もう少し早くお風呂から出れば良いんだよね?楽しかったから、またお家に帰ったらやろうっと。
僕はいつのまにか、寝ちゃってました。…また夜ご飯、食べられなかったよ。




