607結界がヒビビビになってパリン!!
大きなピシッ!!って音だったよ。マシロもみんなも、ハロルド達も黙っちゃいました。そうしたら次の瞬間。
ピシシシシシッ!! 剣の刺さってる所から結界にヒビビビビってヒビができて、大きな蜘蛛の巣みたいなヒビが出来ました。それからもどんどんヒビは大きくなっていって、すぐに向こうの方までヒビが広がって行ったよ。
「みんな、ひびびびでしゅう」
『これは一体?』
「マシロ!! 奴等が来るぞ…、何だこれは?」
みんなでボケッとヒビビビを見てたら、僕達のお隣にアンドレアスが来ました。それで何か言おうとしたんだけど途中で止めて、ヒビビビを見てこれは何だって聞いてきたよ。でもすぐにお顔をフルフル。
「良くここまでヒビが入ったなと、色々聞きたいが。今はそれどころではない。奴等が来るぞ。まずユーキに結界を張らなければ」
『わ、分かった!』
マシロが少し後ろに下がりました。その時もうちょっと後ろの方から、ビリダスとエチゾロスのお声が聞こえて。一体何をしたとか、このヒビは何だとか聞こえたの。
うんとね、僕が転びそうになって、それからお顔がぐえってなって。そうしたら剣が結界に刺さってたんだよ。
僕はマシロが結界を張ってくれる前に、ちょっとだけ剣を触ってみました。剣は結界に刺さってるから、僕は持ってなくても刺さったまんまで。ちょんちょん触ってもぜんぜん動きません。
『不味い! 来るぞ! アンドレアス急げ!』
振り向いたらビリダス達の黒服のお帽子が、チラチラ見えました。わわわ!? 来ちゃった。僕慌てて剣をギュッと握っちゃいます。それから剣を抜こうと思って、思いっきり引っ張って。
アンドレアスに剣をあげようと思ったの。だってアンドレアスが1番剣が上手で強いから。この剣で攻撃してもらおうと思ったんだ。
『引っ張りながら、結界を押すみたいにすると良いよ!」
『僕達も引っ張るから!』
みんなが僕を引っ張ってくれます。それからリュカが言ったみたいに、結界を押すみたいにしてみようと思って、僕は結界にぺたってお手々を付けました。
『主、動かないでくれ! 結界が上手く…、は?』
マシロがは?って。いつも『は?』って言うのは、ハロルド達とかお父さんなのにね。今日はマシロが『は?』って言ったよ。それと同じくらいに、僕が触った結界の所がパリンッ!って割れて、大きな穴が開きました。
それから剣もスポンッ!て抜けて、僕達はまたおっとっとって。慌ててマシロが洋服を咥えて支えてくれました。良かったぁ、転ばないで。剣も落としませんでした。地面に刺さっちゃったけど。
それでね、剣が刺さってた所と、大きな穴が開いた場所を見たら。
「おおおおお!! でしゅう!!」
『わぁ! 凄い!!』
『良いぞ!! そのままどんどん壊れちゃえ!!』
剣の刺さってた所と、大きな穴が開いた所から、どんどん結界が割れ始めたの。パラパラ! パリンッ!! パキパキパキッ!! どんどん割れていくんだよ。
それで結界が割れたすぐ向こう側に、お父さんとエシェット達と、エルフさん達がいました。みんなとっても驚いたお顔してます。エシェットはニヤニヤしてたけど。
「とうしゃんでしゅ!! とうしゃん!! エシェット! ルトブル! くろにゃん! お~いでしゅう!!」
「マシロ! ユーキを向こうへ!!」
僕がお父さん達を呼んだ瞬間、アンドレアスがそう叫びました。それで僕のお洋服を咥えてたマシロは、僕をそのまま持ち上げて。地面に刺さってる剣を持ったままだったから、変な格好になっちゃいました。
「マシロ、けん、ささってるでしゅ! わわ!? ビリダスもきちゃったでしゅ!!」
『分かっている! 分かっているから主、剣から手を離せ!』
「ダメでしゅう! ささったままダメダメでしゅ! わるいひとにとられちゃうかもでしゅ!!」
『まったく面倒な。おい、お前、ユーキを選んだのならユーキに迷惑をかけるな。そのままでは奴等にお前を奪われるぞ。どうにか軽くなるとかできんのか?』
いつの間にかエシェットが僕達の近くに居ました。それでビリダス達を攻撃して、ビリダス達が少し離れたら、僕の頭をなでなでしてそう言いました。そうしたら剣がスポッて地面から抜けたの。それから剣はとっても軽くなってて、僕でもひょいって持てちゃったんだ。
『マシロ! ルトブルの方へ飛ばせ! 他の物達は皆で攻撃だ! 結界が消えて我々の力が戻ってきた! ユーキ、その剣はお前が持って帰れ。今はその剣がなくとも大丈夫だ!』
エシェットが大丈夫だって言ったから、僕はギュッと剣を抱きしめます。それからマシロがぽ~ん!!って、僕を投げました。みんなクルクル空中を回りながら、最後はぽすんっ!
「ルトブル! ただいまでしゅう!」
僕達の事をルトブルが抱きとめてくれました。
『おかえり。ウイリアム来い!』
「ユーキ! 怪我はないか! どこか痛いところは」
「とうしゃん、ただいまでしゅう!」
僕はお父さんにギュッと抱きつきました。
『ウイリアム後にしろ。今はとりあえず家へ移動するぞ! モリオン行けるか!」
『待ってね…、わぁ、ほんとだ! もう魔法使えるよ!!』
モリオンが黒い丸を出してくれます。それでお父さんが僕を抱っこしたまま黒い丸に入って。入る前に向こうを見たら、マシロが達がビリダス達と戦っていました。ビリダス達、お洋服がボロボロになってたよ。
大丈夫。エシェット達とも会えたし、みんないつものとっても強い攻撃してる。だからすぐにビリダス達やっつけちゃうよね。でも、剣がいるならすぐに取りに来てね。それかお知らせしてくれたら、僕がお届けするからね。マシロ、みんな頑張れ!!




