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優しい家族と、たくさんのもふもふに囲まれて。〜異世界で幸せに暮らします〜  作者: ありぽん


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606あっちにこっちのおっとっと!?

 ちょんって剣を触ってみます。剣は浮かんだまんま、光が強くなったりとか、揺れたりとか、ぜんぜん何も起こりません。


『ユーキ、ちょんってするだけじゃなくて、ちゃんと持ってみたら? ほら、ちゃんと手で握る所』


「うん!」


 今度はちゃんと、お手々で持つ所を握ってみます。そしたらすぐでした。もう周りのキラキラは消えっちゃってたけど、でも剣は少し光ってて。その光がどんどん剣の中に入り始めたんだ。シュシュシュウゥゥゥッ!って。それで全部の光は消えたんだけど。


 ズンッ!! 僕ね頭のちょっと上の所で剣を握ってました。それで剣は浮いててぜんぜん重くなくて。でも光が消えたらズンッ!! とっても重くなったの。僕は落としちゃう!!って思って、急いで剣を抱きしめようと思ったんだけど。

 お顔の所くらいに剣を持って来たら、重くてそのままおっとっと! 後ろに下がっていちゃいました。


「おちょちょちょ!?」


『おとととなのぉ!!』


『わわわわ!! 後ろに倒れないで! 僕潰れちゃう!』


 そうだ! マシロがさっき僕達に結界を張るって言ったから、みんな僕にくっ付いてて。それから光がキラキラしてた時も、みんな離れないで僕と一緒にいたから。今僕のお背中にホプリンがへばり付いてる! このまま後ろに倒れたら、ホプリンぺしゃんこになっちゃいます。


 僕は何とか後ろに倒れないように、剣を前に出そうとしました。でもやっぱり重くて、剣は前に行かないで斜めに。右の方に斜めになったんだけど、今度は右におっとっとって。

 右のお肩に乗ってたディル達が、こっちに転ぶなって叫んでます。でも勝手にお体がそっちに行っちゃうの。


 僕達が騒いでたらマシロ達の声が。マシロ達も慌てて、僕達の方に来てくれたけど、でも剣が危ないって、僕の所までは来れません。


『主! その剣を離せ!!』


「ユーキ! そのままでは危ないぞ! 早く離すんだ!」


「うわ!? と、危な、俺が切られる所だったぜ」


「マシロ! とまらないでしゅう!!」


 僕はディル達が潰れないように、また剣を前にしようと思って、今度は剣が左に行っちゃっておっとっと! 左に乗ってるリュカ達が慌てます。

 

 マシロ達、剣離せって言った? そんなのダメダメだよ。だってこの剣は僕のお手伝いしてくれるって。助けてくれる、守ってくれるって。優しい剣を投げちゃうなんてダメダメだよ。


 それにお父さんもお母さんもみんな、剣は大切にっていつも言ってるでしょう? 剣だけじゃなくて、色々な物大切にしなさいって。ハロルド達も大切にしてるもん。

 この前は剣にタオルをぐるぐるにして枕にしてたし。それから剣を立てて、荷物を引っ掛けてたり。切るだけじゃなくて、色々できるって言ってたよ。だから大切にしないといけないの。


『わぁ!? ユーキ危ない!!』


 今度はまた後ろにおっとっとってなる僕。さっきまでビリダス達の攻撃の、爆発の音は聞こえていたけど、もっと周りが騒がしくなって。またマシロが何かお話ししてるけど、何て言ってるか分かりません。


『チッ! 無理やりになってしまうが、主が怪我するよりは良いだろう! 我が止める! ハロルド、シユルース、2人は主が横へ行かないように気をつけてくれ。アンドレアスはビリダス達を』


『分かった』


「頼むから切らないでくれよ」


「奴等が来たら対応する!」


 う~、お、重い~。僕、マシロ達お手伝いしたいし、守りたい。剣がそれのお手伝いしてくれるけど。でも重くてこのままじゃ落としちゃうよ、どうしよう。その後何回か右に行ったり左に行ったり、後ろに行ったり。


「う~、たあぁぁぁっ!!」


 僕は思いっきり剣を前にします。そうしたら初めて、剣がちゃんと前に行きました。ふぅ、これで誰も潰れない、良かった。そう思ったんだけど。今度は前におとととととっ!!ってなっちゃって。


「おいおい、前に行くって、さっきまでなかった動きするなよ! ユーキ!」


『主!?』


 僕ね、お手々がしび~ってなってて、もう左にも右にも動かせませんでした。そのままおとととと、前に進むだけです。そしたら僕ね、下見てなかったから何かに躓いちゃったの。


「ふわっ!?」


 前に倒れながら、僕剣にごめんなさいしました。ごめんなさい、このまま転んだら、誰も潰れないけど、剣落としちゃう。剣に傷がついちゃったらごめんなさい! 僕は目を閉じました。でも…。


 カキンッ!!って音がして、それからお顔がぐえっ!てなって、でもお顔がぐえってなっただけで、僕転びませんでした。僕はお顔を上げて、片方のお手々でお鼻をすりすり。それからほっぺたもモミモミします。


「いちゃちゃ」


『ふぅ、やっと止まった』


『もう転ばない』


『あぶにゃかっちゃねぇ』


『て言うかさ、ユーキ。剣、両方の手で持たなくて良いの? 止まってるみたいだから良いけど。止まってるって言うか刺さってる?』


 僕は慌てて剣を両方のお手々で持ちました。うん、今度はしっかり持てたよ、良かった! あれ? でも何で重くないんだろう? 僕は前を見てみます。そうしたら剣の先がグサッて結界に刺さってて。それで剣が動かなくなってました。


「ありゃあ、ささってるでしゅ」


『主、『刺さっている』ではない! 取り敢えず剣を離して、代わりにハロルドに…』


 マシロが後ろにいて、僕のお洋服を咥えます。その時、前の方でピシッ!って音がして、また僕は前を見ました。音は結界に刺さってる剣の先の方から聞こえてて、ピシッだけじゃなくて、ピリリッとかパシッ!って他の音も聞こえたよ。そして…。


 ピシッ!! とっても大きな音がしました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新、お疲れ様です(*^▽^*) ユーキ、剣と危なげなバランス取りをしてましたねヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!
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