577聖霊の石さんの光と出口に到着!!
『だんだんさっきよりも、周りが暗くなってきたね』
『そう言えばそうだね。でもそれだけモヤモヤの方に近づいてって事だよ。光もしっかり見えるようになったし。もうすぐじゃない?』
『ユーキ大丈夫?』
「うん! みんないっしょ。こわくないでしゅ!! それに、ぼくひかってるから、こわくないでしゅ!!」
『精霊の石に、後でみんなでありがとうするなのぉ!』
ぷにちゃんが光の方に連れて行ってくれて、それで少し歩いたら、僕達にも光が見えました。あの光が霧の精霊お兄さん。早くマシロの所に帰らなくちゃ。
でも光が見えてきたら、段々と周りが暗くなってきちゃったんだ。えとモヤモヤの塊は、外がモヤモヤの壁で、中が霧と精霊の石でしょう。だから外に行くと、段々とモヤモヤの壁に近づくから、周りが暗くなってきちゃったの。
リュカが魔法で明るくしてくれようとしたんだけど、上手く魔法ができなくて。それからあんまり明るくすると、お兄さんの光が見えないんじゃない?って。だからちょっと怖かったけど、そのままお兄さんの光の方へ行こうとしました。
そうしたら急に僕のお体から精霊の石が出てきて、ふわふわ浮いた後すぐに、また僕のお体の中に入ったんだ。僕は精霊の石にどうしたの?って聞きました。うんと、普通のお話しはできないけど、さっきみたいにふわふわしたお返事してもらったら、お話しできると思って。
ちょっとだけ僕のお体から出てきた精霊の石。それでふわふわ、ふわふわ。何回かふわふわした後、またすぐにお体に戻っちゃいました。でもすぐに僕のお体がポワッて光始めたんだ。霧の精霊お兄さんの光はちゃんと見えて、でも僕のお体の周りだけポワッて明るくなって。足の所も明るくなりました。
『わぁ、これって精霊の石の光だよ。ユーキが怖くないように、歩きやすいように、明るくしてくれたんじゃない?』
「せいれいの、いししゃんでしゅか? わわわ、ありがとでしゅ!! みんないくでしゅよ! またまたしゅっぱちゅでしゅぅ!!」
精霊の石さんが明るくしてくれたから、僕全然怖くなくなりました。だから今、霧の精霊お兄さんの光の方にどんどん歩いてます。お兄さんの光に近づくと周りはどんどん暗くなって。霧もあるから歩きにくくなるけど、精霊の石さんの光があるから大丈夫。早くマシロの所に帰らなくちゃ!!
そう思って、もっと早く歩こうとしました。でもその時。
「うにょっ!!」
僕は何かにぶつかって、そのまま後ろに転んじゃいそうになって。
『ユーキ、早く歩こうとして、ちょっと右にずれちゃったんだよ。ほら光はそっち。でも…、ちょっと待ってね』
モリオンが光に手を入れて、それから僕がぶつかった黒い物も触って。
『ユーキ! 出口だよ!! いまいち暗いし、精霊の石の光よりも霧の精霊の光が小さくて薄かったから、気づかなかったけど、もう出口! 光の所から出れば良いんじゃない? 僕の手が通ったから』
「ついたでしゅか!? きじゅかなかったでしゅ」
僕もみんなもビックリ。いつの間にか出口についてたみたいです。僕がぶつかったのは外側のモヤモヤだったみたい。もう! 僕触っちゃったよ。モヤモヤお体についてないかな? 僕はお手々やお体を見てみます。良かった、どこもモヤモヤ付いてない。
『早く出よう!!』
『早くしないと、けっこうこの中に居たからね。もしかしたらあの黒服達が来ちゃうかもしれないし』
「うん!!」
僕は光の前まで行きます。最初にちょっとだけお手々を光の中に入れてみて、そうしたらすって光の中に入りました。次は足を入れてみます。足もすっと光の中に入ったよ。うん、僕もちゃんと光の中に入れるよ。
「うんちょ、じゃんぷちてはいるでしゅ! とう!!って」
『うん、良いよ!』
『みんなしっかりユーキに掴まって!!』
みんながしっかり僕にくっ付いて、背中のホプリンもしっかりへばり付いたって。
「いくでしゅよ! とう!!でしゅう!!」
僕はビョンッ!!って、光の中にジャンプしました。光の中はちょっと眩しくて、でもお目々は瞑らないで中に入れました。それですぐに光は消えて、僕の前に白い物がブワッて。その白いもふもふの物に思いっきりぶつかった僕達。そのまま僕達はわたたたたって後ろに転びそうになります。
『あ、主!!』
マシロのお声が聞こえて、僕達をもふもふの物が包んで。倒れそうで倒れない格好のまま前を見ました。
「マシロ! マシロただいまでしゅう!!」
止まってる僕を、マシロのおしっぱが立たせてくれて、僕が倒れそうになって助けてくれたのはマシロのおしっぽでした。僕はマシロにギュッて抱きつきます。
『主、怪我はしていないか? 具合は悪くなっていないか?』
「だいじょぶでしゅ。えとえと、みんなもだいじょぶでしゅ!」
『そうか、良かった』
「と言うか、今のお前のせいで、転んで怪我しそうになってたが?」
横を見たらハロルドやアンドレアス、霧の精霊お兄さんが立ってました。
「だから出てくるまで、少し離れてた方が良いんじゃないかって言ったじゃないか」
『ふんっ。手や足だけ出たら心配になるだろう』
「お前達良い加減にしろ。ユーキ、良くちゃんと帰ってこれたな。それで帰って来てすぐで悪いが、精霊の石はどうした?」
アンドレアスがそう言いました。




