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優しい家族と、たくさんのもふもふに囲まれて。〜異世界で幸せに暮らします〜  作者: ありぽん


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51マシロの忠告。そして森の外へ。

「で、お前は何者だ。確かに強い人間なら、殺気を出して相手を止めることも出来る。だがお前のは、その殺気だけで人を殺すことが出来るものだ。しかも黒服だけを止めるなんて、そんな高等な事を出来る者はいない。たとえ最上級の冒険者であってもだ」

 僕はお話よく分からないけど、何かお父さん怒ってない? ダメだよ。僕達を湖に泊めてくれて、お父さん達に会うの手伝ってくれた、大切な友達なんだから。

 僕は一生懸命お父さんにエシェットが、僕達を助けてくれたこと説明しました。

「ユーキがこれだけ懐いているんだから、悪い奴じゃない事は分かった。ユーキ達に手を貸してくれた事、それに関しては礼を言う。ありがとう」

 お父さんがお辞儀しました。エシェットはうんうんって頷いてます。でもお礼を言ってるお父さんの顔は、まだちょっと怖いお顔。

 よし! ここは僕がエシェットの良いところ教えてあげなくちゃ! あと、お友達になった事もね。

「とうしゃん、エシェットは、ボクのおともだちで、それで…」

「待て主。そのことで我から先に言うことがある」

 マシロに止められちゃいました。何かこの頃みんな僕のこと待てとか、ダメだとか言うよね。どうしてなの?

 僕はほっぺを膨らませます。ディルがほっぺ突いてほっぺは元通り。ちょっとディル、僕怒ってるんだから邪魔しないでよ。そしたらクスクス笑う声が。お父さん達が笑ってました。オリバーさん達も。

「ブー。もうぼくプンプンでしゅ! みんなきらいなっちゃうでしゅよ!」

 わるいわるいって言うお父さん、僕の頭を撫でながらまだ笑ってるよ。もう!!

「はぁ可愛い。で、マシロ何だ?」

「いやなに、ちょっと忠告をな。それにここではあまり、このおじさんの話はしない方が良いと思うぞ」


 マシロはお父さん達に、このままお家に帰るのか聞きました。そしたらお父さん、マシューさんに急いで泊まるお家見つけて来いって言いました。マシューさんも慌てて、先に行くって言って、お馬に乗って行っちゃいました。お父さん達近くの街でお泊まりしてるんだけど、そのお泊まりしてるお家だとマシロお泊まりできないんだって。

 あとね、すぐにはお家帰れないみたいです。たくさんお仕事あるから、ちょっとの間、街にお泊りするって。

 やったー! 新しい街だ! 僕遊んでもいいかなぁ? さっきまでプンプンしてた僕はもうニコニコです。

「で、忠告って言うのは?」

「ああその前に。このおじさんの名前はエシェットと言うのだが、エシェットの話はお前達だけの時に話した方が良い。ここは他人の目がありすぎる」

「連れて行けってことか?」

「そうだ。そしてここからが忠告だ。どんな事を聞いても驚かんようにな。多分だがお前達が思っているよりも、これは規格外の事になる。心の準備をしておけ」

「そんなにか? 心の準備が必要な程のことなのか。ん? そう言えばさっき、ユーキは友達って言いかけてなかったか? もしかしてそれに関係あるのか?」

 マシロは黙っちゃって、そしてお父さんは僕のお顔見て、はあ~ってため息。

「友達っていったって、この男の人と友達になっただけなんだろ?」

 何も言わないマシロ。お父さんは何かとっても汗かいてます。

 お母さんがあらそうなのって言って、エシェットの話は街のお泊まりするお家に着いてからすることになりました。いや、ちょっと待てって言うお父さんをその場に残して、僕達は他の騎士さんのいる場所に戻ります。


 いつの間にか黒服の人達は皆んな、同じ場所に集められてて、そのほかにたくさんの箱が置いてありました。それからたくさん袋も。

 このお荷物は大切な物だから、全部街に運ばないとダメなんだって。でもお馬さん全部運べないから、街からお手伝いの人達が来てくれるみたいです。その人達が来るまで、ザクスさん達がここに居るんだって。僕達は先に街に行きます。

 だからまた後で、街で会おうってザクスさんが。思い切り頭を撫でてくれました。

「バイバーイでしゅ!」

 新しい街に出発です。


 夜までに街に着くってお父さんが。僕は今お父さんと一緒にお馬さんに乗ってます。だって今はお父さんと離れたくないんだもん。

 森の中、僕はシルフィーに教えてもらった木の実の事を、お父さんに教えます。よくたくさん覚えたなって褒めてくれました。お土産の木の実の事を言ったら、とっても喜んでくれたよ。

 マシロ達が黒い森って言ってたとおり、森の中はとっても暗くて、奥の方は黒って感じです。今まで木の上をマシロが走ってくれたし、下走る時もマシロとっても早いから、暗い感じしなかったんだ。

 でもこれだと、ほんとに迷子になっちゃうね。僕1人だったら絶対迷子です。そう言ったらお父さん笑って、自信たっぷりな顔して何言ってるって。途中の休憩のときお父さんが、

「お、忘れるところだった。ほらユーキちょっと立て」

 何だろうって思ってたら、お父さんが自分の腰からおもちゃの剣を外しました。

「ぼくのけん!!」

 お父さんが僕の腰に付けてくれます。付けてもらった僕は、腰に手をつけて、かっこいいポーズ!

「はは、また小さな騎士の復活だな。それとも冒険者か?」

 僕ね冒険者にもなりたいし、お父さんみたいな騎士にもなりたいんだ。どっちもカッコイイもんね。

 街に向かってすぐに出発です。だんだんと木がなくなってきました。もうすぐ森から出られます。


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