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優しい家族と、たくさんのもふもふに囲まれて。〜異世界で幸せに暮らします〜  作者: ありぽん


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25お母さんの良い考え

 この前のお話し合い?から、今日は2日目です。僕はちゃんとお約束守ってるよ。遊ぶのはお家の中だけです。お家で働いてる人達は、お父さんがちゃんと説明したから、大丈夫なんだって。皆信用できる人達だって言ってた。


あとお兄ちゃんが、シルフィーを可愛がる会?を、アメリア達メイドさんが作ったって、教えてくれました。


「ユーキを可愛がる会も出来たけど、そっちは黙っとこう。知らなくていい事もあるよね。あのパワーは何処から来るんだろう?」


 何かボソボソ言ってたけど、聞こえなかったよ。それに可愛がる会って、何するのかな。なでなでとかかな?僕はいつも、なでなでしてるけど。きっと皆も、そうしたいんだね。


 今僕は、自分のお部屋で、マシロに乗って歩く練習中です。初めて乗った時は、転がり落ちちゃった。やっぱり難しいね。

 今日の朝、副団長さんが来て、街の案内してくれるのはあさってだって言ってくれました。でもまだマシロに乗れないから、今度街へ行く時は、歩きと抱っこです。ゆっくりお店を見るのに、お馬さん邪魔になるからだって。


「さあ、もう1度乗ってごらん。」


 僕は何とかマシロによじ登ります。


「足に力を入れて、マシロの体を挟むように踏ん張るんだよ。分かる?」


挟む…踏ん張る…。こうかな?


「ふんっ!」


「ぷっ、あはははっ、違うよ。それじゃあ顔だけ力んじゃってるよ。あははは、あー可愛い!」


「面白いなお前!ハハハハハッ!」


「ブー。」


 僕、一生懸命やってるのに、お兄ちゃん達笑いすぎじゃない。


「悪い悪い、怒るなよ。ほらこうするんだ。」


 ジョシュアお兄ちゃんが僕の足を、マシロの体にキュッと押しつけました。


「ほら、こうやって挟むんだ。そのままだぞ。おいマシロ、ゆっくり立ち上がってみろ。ゆっくりだぞ。」


 マシロがゆっくり立ち上がります。


「ふぁっ、ふわあああ、のれたでしゅ!」


 転がり落ちないで乗れたよ。すごいすごい!と思ったんだけど、ずっと足に力入れてられなくて…。


「お、おおお?」


 転がり落ちそうになった僕を、ジョシュアお兄ちゃんが受け止めてくれました。


「おちちゃったでしゅ…。」


 アンソニーお兄ちゃんが頭を撫でてくれます。


「大丈夫。皆いっぱい練習して馬とか乗れるようになるんだよ。ユーキも練習すれば、そのうち1人で乗れるようになるからね。ゆっくり練習しようね。」


「はいでしゅ!頑張りましゅ!」


 早く乗れるようになりたいな。乗れるようになったら他の人みたいに、自由にお出かけ出来るかな?そんなこと考えてたら、お兄ちゃんに注意されました。


「何考えてるかよく分かるよ。ユーキすぐ顔に出るから。乗れるようになっても、1人でお出かけ出来ないからね。ユーキはまだ小さいんだから。誰か大人の人か、僕達と一緒だよ。分かった?」


「…はーいでしゅ。」


「本当に分かってる?お兄ちゃん心配だよ。」


 大丈夫だよ。ただ僕、皆と遊ぶだけだもん。


 その後も、マシロに乗る練習してると、遠くからアメリアの僕を呼ぶ声が。そしてノックと一緒にアメリアがお部屋に入って来ました。

 街へ行くため必要な、準備ができたんだって。だからマシロ達も全員で、お母さんのお部屋へ来てくださいって。

 お母さん準備出来たんだね。これで皆、お外行けるようになるんだ。嬉しいなあ。僕はウキウキしながら、皆でお母さんの部屋へ移動です。


「あ~あ。あれ無意識だね。スキップのつもりかな?変な歩き方になってるよ。嬉しいんだね。」


「いつもの1列歩き。何で並ぶんだろうな?面白いよな。」


 お母さんのお部屋の前に到着して、ドアをトントン。返事がありません。もう1度トントン。それでもお母さん、何も言ってくれません。どうしたの?そしたらアメリアが、音が聞こえてないんじゃって。だから僕、大きな声で、


「トントン。かあしゃん、きたでしゅよ。」


 そう言ったら、今度はちゃんとお母さんのお返事が。アメリアがドアを開けてくれます。お部屋の中には、ニコニコお顔のお母さんが。

 お部屋に入ると、お母さんとお父さん、アシェルともう1人知らない女の人が居ました。僕がお母さんの隣に行くと、お母さんが女の人を紹介してくれます。


「彼女は、お母さんの友達のクロエよ。挨拶できる?」


「はいでしゅ。ぼくのなまえは、勇輝でしゅ。よろしくでしゅ。」


「ユーキちゃんよろしくね。クロエよ。それにしてもオリビア、本当に可愛い子ね。これならバッチリよ。」


「でしょう。さあ、始めましょう。まずはシルフィーちゃん。」


 あれ?知らない人にシルフィー見せても良いのかな?そんな事を思っていたけど、お母さんが気付いて、クロエさんはお母さんの、とても信頼出来る人だから、教えても大丈夫だって、そう言ってました。


「マシロに聞いたのだけれど、シルフィーちゃん、あなた擬態出来るのよね。」


 擬態、擬態って何?


「ぎたい、なんでしゅか?」


 マシロが説明してくれます。シルフィーは敵から逃げたり、人から隠れたりするのに、周りの色と同じ色になって、見つかりにくくするんだって。そういう力があるんだって。

 それでね、シルフィーのピンクの毛は、とっても珍しいから、色が変えられるなら、違う色に変えた方がいいって。お母さんが言ってきたのは、マシロと同じ白色でした。


「シルフィー、しろいろ、なれましゅか?」


「僕、マシロと同じ色がいい?その方がユーキと遊べる?」


 僕がお母さんをみると、お母さんが頷きました。


「うん。あそべましゅ。」


 そうしたらシルフィーの体が少し光って、その光が消えたら、そこにはマシロと同じ真っ白なシルフィーがいました。


「おおー、しゅごいですね。マシロといっしょでしゅ。」


「うん、これで良いわ。あとは羽ね。羽は隠すの無理だものね。」


「僕、羽隠せる。見てて。」


 シルフィーがまた少し光って、今度はお羽が体の中に消えちゃいました。


「ふお、おはねなくなりまちた!」


「羽、たまにじゃま。穴とか入るとき。そう思ったら、勝手に羽、体に消えた。出し入れ自由。」


 シルフィーってすごいね。何でも出来ちゃう。


 お母さんが、これで全部の問題解決ねって言ってから、シルフィーはお母さんの所に、僕はアメリアの所に呼ばれました。

 お部屋の奥に連れて行ってもらって、アメリアは箱の中から、洋服?を出しました。そしてそれを着せてくれたアメリアが、小さいお声で、天使って叫んで、すっごくニコニコお顔です。僕はビクってなっちゃった。やっぱりアメリア、時々おかしい?


 洋服を着た僕は、お母さん達の所に戻りました。そしたら、僕の格好見たお母さんも、凄いニコニコお顔です。


「やっぱり思った通り。完璧だわ。シルフィーちゃんにはちょっと窮屈かもしれないけど、額の石も隠せるし。色も白に変わってもらったから、何か言われても、ホワイトウルフの子供って誤魔化せるし。何より、とっても可愛いわ!」


 僕とシルフィーは今、お揃いのお洋服を着てます。すっぽり上から下まで1枚のお洋服です。帽子もついてて、ウサギさんの耳が付いてます。しっぽもちゃんと付いてるよ。

 シルフィーのお洋服の帽子には、リボンも付いてて、そのリボンをちゃんと結べばオデコの石がちゃんと隠れるんだ。


「おしょろい!シルフィーかわいいでしゅ!」


 シルフィーをなでなでしてたら、お母さんが突然座り込みました。アメリアもクロエさんも。


「ど、どうしたでしゅか?」


 僕は、またまたびっくり。お父さんが抱っこしてくれて、ほっとけって言われたよ。本当に大丈夫なの?


「まあ、なんにしろ、これで外に行けるが、ユーキいいか。絶対にシルフィーの洋服はぬがすなよ。約束な。」


「はいでしゅ!シルフィー、おそとでいっしょに、あしょべましゅよ。うれしいでしゅね。」


「僕、ユーキと一緒。遊べる。嬉しい。」


 ワイワイ、もふもふ、なでなでしている僕たちを見ながら、お父さん達が何か話してました。


「それにしても、良く思い付いたな。羽、最初どうするつもりだったんだ?」


「背中から出して、羽が洋服に付いてるように、見せかけようと思ったのよ。でも心配なかったわ。」


「しかし、こんなに可愛くなったユーキは、逆に目立たないか?」


「それも考えてあるわ。あの洋服、絶対に流行ると思うのよね。それで、クロエに頼んで、もう何着か作って貰ってるのよ。それをクロエのお店で売ってもらうの。街で流行って小さい子やペットにしてる魔獣が皆着たら、そんなに目立たなくなるわ。もちろん1番可愛いのはユーキちゃんだけどね。」


「商売の事まで考えてこれ作ったのか。…お前凄いな。」


 こうして、外に遊びに行くことが出来るようになった僕は、副団長さんと一緒に、街で遊べる事になりました。

マシロも、ディルとリュカも、もちろんシルフィーも、皆で一緒に遊びに行けて、とっても嬉しいです!

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