249怖いお顔のじぃじ
「うわあぁぁぁぁぁぁん!」
なんで怒ってるの。ごめんなさい!
「ユーキちゃんお母さんが抱っこしてあげるわ」
僕はお母さんに抱きつきます。スって抱き上げてくれるお母さん。僕はお母さんにぎゅうって抱きつきます。
「ユーキちゃんそんなに泣いてどうしたの?」
「おこっ…おこってりゅ…、ぐしゅ、ごめな…うええ、ごめんしゃいぃぃぃぃ! うわあぁぁぁぁぁぁん!」
僕じぃじとばぁばに会えるの楽しみにしてたの。でもじぃじとっても怒ってます。
「ほらあなた。だから言ったじゃないの。ニッコリよって」
「こ、これでも笑っているんだ」
ん? じぃじの声? あれみんな怒ってるときは、とっても大きな声で叫んだり怒鳴ったりするよね。でもじぃじ静かなお声です。泣いてる僕のお顔見てお母さんがお話してきました。
「ユーキちゃん、じぃじは怒ってないわよ。ユーキちゃんはどうして怒ってると思ったの?」
僕は泣きながら一生懸命お話しました。泣いてるから上手にお話しできなかったんだけど、でもお母さんちゃんとわかってくれて、それでねお母さんがビックリするお話してくれました。
じぃじねとっても怒ったお顔してたでしょう。でもじぃじ怒ってるんじゃなくて、今のお顔がいつものお顔なんだって。いつもずっと怒ってるお顔。それ聞いて僕毎日ずっと怒ってるのか聞きました。そしたらばぁばがとっても笑いました。
「ふふふっユーキちゃん。じぃじは怒ってる顔してるけど、笑ってるときも、楽しいことや嬉しいことがあったときも、いつもこのお顔なのよ。今は困ってるお顔してるの」
ふお?! 困ってるお顔?! 僕じぃ~とじぃじのお顔見ます。でもじぃ~って見てもじぃじのお顔怒ったままです。僕じぃじのお顔見てるうちに泣くの止まってました。
本当に怒ってないの? ばぁばのお話聞いてディル達もじぃじの周り飛んで確認です。じぃじがディルのこと見ると、ディルがピュってマシロの毛の中に逃げて、リュカの方見るとリュカが逃げます。キミル達もおんなじです。最後にシルフィーがじぃじに近づきました。ダメだよみんなあんまり近寄ったら。もしかしたらやっぱり怒ってるかもしれないから。
2回じぃじの周りを回ったシルフィー。その後にふんふん匂い嗅いでます。それが終わってシルフィーがタタタタッて僕の下まで戻ってきました。
「ユーキ、このじぃじ赤いトゲトゲ出てない。怒ってないから大丈夫。たぶん?」
たまにシルフィーが見える赤いトゲトゲ。今日は見えないって言いました。でもたぶんだけど。お母さんが僕のこと下ろします。サッてお母さんの後ろにかくれます。じぃじにばぁばが笑顔よ早くってちょっと怒りました。じぃじがムゥって言ったあと…。
変なお顔です。お目め睨んでるのにお口はニッて笑ってて、それからほっぺたがピクピク動いてます。お母さん達のニコニコと全然違うの。それからじぃじが床に座りました。とっても大きいお体だから、座っても僕よりもとっても大きいじぃじです。
「ユーキ。ワシの名前はディアンジェロだ。ばぁばと一緒でワシのこともじぃじで良いぞ。すまんがワシは笑うのが苦手だ。怖い顔かも知れんが怒ってはいないから、ワシと仲良くしてくれんか。ほれ、こんにちはの挨拶じゃ」
そう言って座ったまんま、ペコんってお辞儀しました。お母さんが挨拶よって。僕まだちょっと怖いけど、ピシッて立ってご挨拶しました。それですぐにお母さんの後ろに隠れます。
じぃじがちゃんと挨拶できて偉いなって言ってくれました。それから僕のこと抱っこしてもいいかって。僕がじぃじの所に行くか考えてたら、シルフィーがじぃじのお膝にピョンって乗って座りました。シルフィーをなでなでするじぃじ。シルフィー嬉しそうです。
そっとそっとじぃじに近づいたら、お膝からシルフィーがおりました。シルフィーと交代で、ちょこんってお尻の端っこだけじぃじのお膝に乗せて座ります。僕の頭なでなでしてくれるじぃじ。そのあと急にじぃじが僕のこと持ち上げて立ちます。僕ビックリして足バタバタです。でもすぐにバタバタやめました。じぃじね肩車してくれたの。
「ふおおおおお!! たかいでしゅう!!」
お父さんの肩車より高い所で肩車。天井に僕のお手てつくかも。僕はふぬぬぬぬってお手て伸ばしたけど残念。天井にお手てつきませんでした。でもでもそれくらい高い肩車です。
「どれ動いてみるか。ユーキしっかり捕まっているんだぞ」
お部屋の中何回もグルグル回ってくれます。楽しい! 僕怖かったの全部なくなって、今は全部楽しいに変わりました。
「じぃじ、おしょと、おしょといくでしゅう!」
「良いぞ。庭を歩いてみるか」
頭をぶつけないようにお部屋から出て、すぐにお庭に連れて行ってくれました。
「ふおおおおお!! しゅごいでしゅう!」
お庭に連れて行ってもらって、それからじぃじずっと肩車してくれました。お昼ご飯になったから肩車下りてお家に入ります。残念。また後で肩車してくれるかな?
ご飯はじぃじの隣に座って食べました。僕の好きな食べ物とかおもちゃとか、いろいろなことお話しながらご飯食べてたら、お父さんに早く食べなさいって怒られちゃいました。
そうだ! 早く食べなきゃ。だってマシロ達の紹介もしなくちゃいけないし、また肩車してもらわなくちゃいけないし、とっても忙しいです。
ご飯食べたあと、休憩のお部屋に行って、マシロ達のことみんな紹介しました。じぃじもばぁばもみんな家族だから、お父さんがマシロ達みんな紹介して良いって。
だからディル達の姿が分かるように2人に変身やめてって言ったら、2人があっ!て。どうしたのって聞いたら、変身忘れてたって言いました。ディル達見て僕もあっ!です。2人ともキラキラの2人です。
あれ? いつから2人とも変身してなかったの? お父さんに怒られちゃうよ。僕達がワァワァ言ってたら、お父さんが僕達の後ろであって言いました。それからじぃじが大きな声で笑い始めたの。やっぱりお目めは怒ってるけどお口は笑ってます。
「ユーキ達は面白いな。ガハハハハハハハっ!!」
みんなを紹介して、夜のご飯までまたじぃじとばぁばと遊んで、ご飯食べた後は休憩のお部屋でずっとじぃじにお膝抱っこしてもらいました。
「ユーキにプレゼントがあるんだが、まだ用意ができていない。明日の昼までには用意が終わるはずだから、楽しみに待っていなさい」
「はいでしゅ!」
なんだろうプレゼント? 楽しみ!
じぃじとばぁばにお休みなさいして、お泊まりのお部屋に行きます。お兄ちゃん達は隣のお部屋。でもよく分かんないけど、今日は一緒の部屋で寝るんだって。アシェルは…どっか行っちゃいました。
(ウイリアム視点)
ユーキが寝入ったのを確認して、アンソニー達にユーキを任せ、オリビアと共にお義父さん達の居る休憩室へと戻る。マシロとエシェットとルトブルも一緒だ。もちろんもう1度マシロ達の話をするためだ。
「ユーキは寝たか」
「はい。ぐっすりと。お義父さんがたくさん遊んでくれましたから」
「それにしてもあなた、今までで最速じゃない? あんなに早くあなたに懐くなんて。良かったわね。最初泣かれたときはいつも通りかしらと心配したのよ。まったく少しも顔が笑ってなかったんですもの」
「仕方ないだろう。ワシとて緊張していたのだ。」
お義父さんはいつもこの強面の顔と体格のせいで、子供達に泣かれることが多い。多いというかほぼ泣かれてしまう。小さい頃のアンソニーとジョシュアもそうだった。慣れるまでに4年はかかったか。
それに比べユーキは最初泣いたが、すぐに懐いたからな。顔には出していないが心では凄く喜んでいるのではないか?
「それにしても手紙で聞いた通りか。ユーキは1人では寝れないというのは本当だったか。かわいそうに…」
お義父さんのその言葉から、まずユーキが私達と出会ったときの状況から、今までの出来事を簡単に話した。その話を聞いていたお義父さんの表情は、かなり凄いものになっていたが…さすが現役というところか。
ユーキの話を終え、次はマシロ達の話に移ろうとした時だ。お義父さんが口を挟んだ。
「それについてはワシは何も言わん。そちらの両親からの手紙で大体の内容は聞いている。国王陛下の加護を頂いたこともだ」
そう言うとお義父さんは立ち上がり、マシロ達に軽く頭を下げた。
「ワシらの可愛い孫のこと宜しく頼む」
マシロ達はそれを見届けてさっさと部屋を出て行ってしまった。
「ユーキが1番か。さすがワシの孫だ。あの小ささであれだけの者を従えているとは」
お義父さんのおかげで、長引くと思われたマシロ達の話はすぐに終わり、それからは飲み会になってしまった。
散々飲み部屋に戻る途中でハッとする。しまった! お義父さんに大事な話をするのを忘れていた。あのチビ軍団によるお酒攻撃のことを。すぐに部屋に戻りお義父さんにそのことを話せば、平気だと笑い飛ばしていたが…。
次の日、私と一緒にお酒攻撃の恐ろしさを知ることとなった。オリビアとお義母さんは…。私達の3倍飲んでもぜんぜん平気な2人が、攻撃を受けることはなかった。




