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優しい家族と、たくさんのもふもふに囲まれて。〜異世界で幸せに暮らします〜  作者: ありぽん


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15呼び方再び

 お母さんは僕を抱っこしながら、どんどんお家の中を進んで行きます。お家の中に僕が気になるものが、チラホラ見えるけど、お母さんのスピードについて行けなかったよ。

そしてあるお部屋の前に着くと、勢いよくドアを開けました。


 お部屋の中もとっても広くて、前の僕の家の部屋が何個も入っちゃうくらい。部屋の中には、大きな机と沢山のイス。10人くらい座れるんだよ。天井には、キラキラしてる電気?がついてた。きっとこのお部屋は、お父さんや、団員さん達、偉い人達がお話しする場所なんだろうな。


「ユーキちゃん、今日からご飯を食べる部屋はここよ。時間になったら、みんな揃ってご飯食べるのよ。」


「ごはんでしゅか…。」


 みんなのお話し合いの部屋じゃなかった。ご飯食べるとこだったよ。こんな大きいお部屋でご飯食べるの?ビックリだね。だって今までの僕のお家、ご飯のお部屋、お母さんと2人でいっぱいだったんだ。


「メイドさんがいつも案内してくれるけど、一応ここがご飯を食べる場所よ。さあ、次に行きましょう。ここはたまたま通りがかっただけだから。」


 そう言うとお母さんは、またどんどん歩き始めました。ただ案内してくれただけだったんだ。今行きたいお部屋じゃなかったみたい。そして次のお部屋に着くと、また勢いよくドアを開けたよ。お母さん、結構元気がいいね。ドアがバンっていうもん。お父さんが、


「お前はいつもいつも、もう少しドアは静かに開けないか。」


 お父さんがそう言うと、あら、これでも抑えてるのよって言ってたから、いつもそうなんだね。元気がいいお母さん僕好きだよ。


 今度のお部屋も、さっきのご飯のお部屋より小さいけど、でもやっぱり広くてカッコイイお部屋でした。


「ここは、ご飯の後にゆっくりしたい時に使うお部屋よ。さあ座ってお話ししましょう。」


 お母さんは僕をソファーに座らせて、自分もその隣に座りました。他の皆も、それぞれソファーに座ります。このお家に来て、最初に話しかけてきた、背の高い男の人と、女の人が1人立ったまま。何で?


「それでユーキちゃん、どうしておとうしゃんしゃまって呼んでるの?教えてくれる?」


「えと、とうしゃんはとうしゃんで、しゃまは、みんなだんちょうしゃんてよんでました。だんちょうさん、いちばんえらいひとでしゅ。えらいひとは、しゃまっていいましゅ。だからとうしゃんしゃまでしゅ。」


 僕が説明すると、お母さんが頷きました。


「ああ、そう言うことなのね。だからそんな呼び方になっちゃったのね。ユーキちゃんが言うと可愛いからいいのだけど。ユーキちゃん、私達は家族でしょう?」


「はいでしゅ!」


「家族には、様は要らないのよ。だから…。あなた、2人はお父さんだったけど、パパって呼ばれてみる?」


「パパか、呼ばれ馴れないな。ユーキ、パパって言ってみてくれ。可愛い方が良い。」


 可愛い方?可愛いって何だろう。分からないや。普通に言えば良いよね?


「パパ?」


 少しの間、お部屋の中が静かになりました。


「………うんやめよう。何かダメだ。そのつぶらな瞳でパパなんて言われたら、俺がユーキから離れられなくなりそうだ。」


 離れるって聞いて、僕慌てちゃってよ。


「ふぁっ! はなれるって、バイバイでしゅか!」


「あ、いやいや違う違う。」


「お仕事が、出来なくなるっていうことよ。まあ、貴方の場合は、いつもですけどね。もう少しどうにかしたら?いつも怒られて、まったく…。」


 お父さん、お仕事嫌いなの。何かみんなから同じこと言われてるけど。お仕事は大切。お母さん一生懸命お仕事してた。お昼にちょっとしか一緒に居られなかったもん。


「ま、まあ、その辺は置いといて、2人と同じお父さんで行こう。とうしゃんしゃまのしゃまを、なくして言ってみろ。とうしゃんだ。」


「とうしゃん!」


「うん、それで良い。」


 お父さんから、合格を貰いました。


「じゃあ、私はお母さんね。母さんよ。」


「かあしゃん!」


「じゃあ僕達は、お兄ちゃんだね。」


「おにいしゃん!」


「えー、俺は兄貴がいいなー。」


「ジョシュア貴方は黙りなさい。こんな可愛いユーキちゃんに、そんな呼ばせ方させないわよ。」


 みんなの呼び方決定です!

 嬉しいな、お父さんお母さんお兄ちゃん、いっぱい家族が出来ちゃった。

 僕が嬉しくてニコニコ笑っていると、背の高い男の人が話しかけてきました。


「旦那様、私たちの紹介も。」


「ああ。ユーキ、この背が高い男は俺の執事だ。執事っていうのは、この家のことや、私の手伝いをしてくれる何でも出来る人だ。名前はアシェルだ。呼び方はアシェルで良いぞ。」


「アシェルしゃん!」


「ただのアシェルですよ。さんは要りません。呼び捨てで良いのです。私は旦那様に、そしてこのお屋敷、仕えていますからね。でもユーキ様には分かりませんよね。」


 ???。うん、全然分かりません。何言ってるのかさっぱりです。何でアシェルさんはアシェル?頭の中がぐるぐるです。どうしたらいいの?アシェルさんが困った顔で、お父さんの顔を見てます。


「分からんよな。いいかユーキ、何も考えなくていいから、私の言うとおりに。アシェルのことはアシェルだ。言ってみろ。」


「アシェル!」


「よし、それとアシェルはユーキのことを、ユーキ様って言うが気にするな。そういう決まりなんだ。」


 ………なんで僕は様って呼ばれるの?考えても分かんない。もういいや、お父さんの言うこと聞いておこう。


 次にご挨拶してくれたのは、女の人です。ご飯になったら呼びに来てくれたり、お着替えの手伝いしてくれたり、お部屋の掃除をしたり、色々してくれる人なんだって。


「ユーキちゃん、こっちの女の人は、メイドのアメリアよ。ユーキちゃんのお手伝いをしてくれる人よ。呼び方はこうよ。アメリア。それだけよ。言ってみて。」


「アメリア!」


「アメリアもユーキ様って呼ぶけど、気にしないでね。」


 アメリアもアシェルと一緒だった。どういう人に様って言うのかな?


「ユーキ様、アメリアです。よろしくお願いしますね。ああ、こんなに可愛いお子様のお世話ができるなんて。私はなんて、幸せ者なのでしょう。奥様、選んで頂きありがとうございます。ユーキ様のすべて、私がお世話いたしますわ。さてでは、私は仕事に戻ります。」


 アメリアはニコニコわらって、可愛いは正義!って叫んで、スキップしてお部屋を出て行った。

 …何か近づいちゃいけない気がする。でも、初めて会った人だし、どうしよう。お父さんの家族だから、大丈夫だよね?

 お父さんは、お母さんとお兄ちゃん達、アシェルとアメリアだけ、名前を覚えなさいって。他の人は、だんだんと覚えれば良いって。


 疲れてるだろうから、今日は夜ご飯を食べて、少しゆっくりしたら、すぐ寝るように言われた。マシロの紹介は明日します。マシロのこと、ゆっくり説明しないと、みんなびっくりしちゃうんだって。


 みんなでお話しているとアメリアが呼びに来てくれて、みんなでご飯を食べるお部屋に移動です。

 ご飯はみんなとは、ちょっと違うメニューです。僕のご飯は、やっぱり食べやすいスープや、とっても柔らかいお肉を少しずつ。すっごく美味しくて、すぐに全部食べちゃった。デザートにケーキも出たんだ。

 でもね、ご飯よりも楽しかったこと。みんなで楽しくおしゃべりしながら、ご飯を食べれたこと。これからも今日みたいな日がたくさんあるといいな。


 ご飯の後、さっきの部屋でゆっくりしていたら、アメリアが、僕を呼びに来ました。


「ユーキ様、そろそろお休みの準備を致しましょうね。お部屋にご案内しますよ。」


「お部屋?」


「ユーキちゃん、貴方だけのお部屋よ。さあ、行きましょう。」

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