95やっぱり優しい黒ねこさん。
マシロ達が来てくれるの分かって、少しだけ元気になったよ。いつ迎えに来てくれるかなあ。
でもね、先に馬車に来たのお家にいた男の人でした。ドカドカ男の人が入って来て、黒ねこさんに僕のこと連れて来るように言いました。黒ねこさんはまた僕の襟首咥えてお外に出たよ。
あれ?音が静かになってる?お家にいた時や、ここに来た時は、とっても大きい音たくさんしてたのに。今は、音はするけどちょっと静か。あっ!お父さん達が、悪い人達やっつけたからかも。僕がディル達に小さな声でそう言ったら、
「あー、あれ、マシロとエシェットだと思うよ。」
って言いました。えー、お父さん達も強いんだから。そうだよ。きっと皆んなでやっつけて、僕のこと迎えに来てくれるんだよ。
咥えられながら、男の人の後連れられて行きます。着いた所には、なんか黒っぽいお洋服来た人達がたくさん居ました。
「お頭、行くのか?」
「ああ、そろそろここに来そうだからな。あの場所に移動する。おいそこの妖精ども!」
お頭って呼ばれた、僕のこと連れてきた男の人が、ディル達に話かけてきました。
「お前達、妖精同士テレパシーで連絡とりあってるんだろう。ちゃんと分かってるんだ。本当に予定通りに事が運んで、俺は嬉しいよ。いいか、これから言う事を、妖精に伝えろ。いいな。ちゃんと伝えなければ、お前の主人のこのガキが、怪我をすることになるぞ。」
2人はとっても怒ったお顔して、でも、お頭に言われたこと、妖精さん達に伝えたみたい。えっとね、西の森の奥にある、大きな洞窟の前に来いって。それだけ言えば分かるだろうって。
僕はこれからそこに連れて行かれちゃうみたいな。リュカが教えてくれたよ。マシロ達まだかなぁ。僕は少ししょんぼりです。でもきっと来てくれるよね。
お頭の行くぞって言葉で、また黒ねこさんの影が広がって、僕達はその影に沈んで行きます。マシロ、僕頑張って待ってるからね。頑張って泣かないで、皆んなと待ってるからね。
目を瞑って、シルフィー抱っこしたまま、影の中に入りました。
よし連れてこいって声で目をあげたら、目の前に洞窟がありました。とっても大きい洞窟です。咥えられたまま、洞窟の中に入りました。中は魔力石で少しだけ明るくなってました。どんどん奥に進んで行って、そしたら奥に変なお部屋?がありました。ドアがついてて、でもお家みたいな壁じゃなくて、鉄の棒がたくさんついてるお部屋です。
「よし、ここに入ってろ。静かにしてるんだぞ。」
お頭はそう言って、僕達を棒のお部屋に入れました。それからやっぱり、黒ネコさんに僕達のこと見張ってろって。カギ閉めて、お頭はどっか行っちゃいました。
そしたらね、お部屋の奥から、声が聞こえて、誰かがこっちに走ってきたよ。
「おにいちゃ!!」
走って来たのは、小さな小さな黒ねこさん、2匹でした。
「ねこしゃん!!」
僕が近づこうとしたら、2匹がピタッて止まっちゃいました。あれ?よく見たら、お部屋の奥の方に、たくさん小さな魔獣がいる。うさぎさんに、わんちゃんに他にもたくさん。皆んなどうしてここに居るのかな?
「だーれ?わるいちとのなかま?」
「違う。コイツは…。とりあえず大丈夫だ。」
「ふうん?じゃあいっしょ、あしょんでいい?」
「ああ。」
黒ねこさんが遊んで良いって。だからまずは自己紹介からです。まず僕がお名前言って、それからシルフィー達がお名前言いました。小さいねこさん達のお名前聞いたら、お名前ないんだって。お名前ない魔獣、多いんだね。
ねこさん達は、ほかの魔獣の所に、僕を連れて行ってくれました。ここのお部屋にいるの、皆んな魔獣の子供なんだって。僕も子供だから一緒だね。
「みんなは、どうちて、ここいるでしゅか?」
「あのねあたち、わるいひとに、ここにちゅれてこられたの。」
「ずっと、ここいるでしゅか?」
「ううん。ちがうよ。ぼくたち、いちゅもいどうしゅるんだ。」
2匹のねこさんが、いろいろ教えてくれました。遠くの森で、家族と一緒に暮らしてたら、あの悪い人達がねこさん達や、ほかの魔獣をいじめに来たんだって。無理矢理お友達になろうとしてきて、小さい子は皆んな逃げて、大人の魔獣が戦ったんだって。でも、ねこさん達捕まっちゃって、大人の魔獣はねこさん達を守るために、あの悪い人達とお友達になったんだって。
扉の前に座ってる黒ねこさんを見ます。
「くろねこしゃんも、かじょくが、ちゅかまってるでしゅか?」
「にいちゃは、あたちたちのリーダーなの。もりで1ばんちゅよいの。だからにいちゃは、みんなまもるから、わるいひとの、なかまなの。」
「ぼくたちを、いちゅもたしゅけてくれるよ。」
やっぱり黒ねこさん、いい黒ねこさんなんだね。僕は黒ねこさんに近づいて、頭をなでなでしてあげました。
「おい!」
「僕、とうしゃんにも、かあしゃんにも、みんなにも、なでなでしてもらうの、だいしゅきでしゅ。とってもきもちいいでしゅ。とってもほっとしゅるでしゅよ。だからねこしゃん、なでなででしゅ。」
よく分かんないけど黒ねこさん、疲れてるんじゃないかって思ったんだ。だってずっと、皆んなのこと守ってるんでしょう。いつゆっくりするの?いい子いい子してくれるの?僕はね、マシロ達やお父さん達がいつも一緒にいてくれて、いい子いい子してくれて、とっても嬉しくてあったかい気持ちになるんだよ。そうするとね、怖い事も嫌な事も全部なくなっちゃうんだ。
最初止めろって言ってた黒ねこさん。いつのまにか寝ちゃってたよ。




