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問おう! 貴方ならこの状況、歓喜しますか? 絶望しますか?  作者: Teko
2章 王都までの旅路 〜残念美少女から普通の美少女になります〜
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40 才能

 

「えっ!? おっさん、闇属性持ちなの?」


「そんなに驚くこたぁねぇだろ。あんな忠告したのはそういう事……だろ?」


 確かに同じ闇属性持ちなら忠告くらいするか。どうして気付かなかったんだろ。


「それに闇属性持ちって言ったって、お前さんと違って肉体型よ。嬢ちゃんみたいにドッカーンとはいかねぇのよ」


「……私、そんなに派手にやってないけど」


「ま、とにかくだ。人生の先輩として、ひとこと言うとだな……各々の才能をしっかり伸ばせばいいのさ。必ず誰かの役に立つ、自分のもんは自分を裏切らねぇ」


 最もらしい事を言う。だが、その通りだろう。人間にはどうしても才能というものが付いてくる。それはこっちの世界だろうがあっちの世界だろうが変わらない。


 だからこそ、色んな人間がいるんだ。才能を生かす人、自分にない才能を得ようと努力する人、自分の才能を分からず、ただただ日常を過ごす人。


 だが、才能があろうが無かろうが生き方を決めるのは自分だ。才能に流されてはいけない。


 ……そう、彼女(リリア)が才能に呑まれ、命を落とそうと考えたように。


「……随分まともな事言うんだね」


 嫌味口に話すと頭をぽんぽんと軽く叩いた。


「たまにはな……」


 すると、Dランクパーティの元へ向かい、教育を始める。


「と言うわけだ、てめぇら! 魔力操作は身体で覚えやがれ! おじさんが居なくなった途端、護衛出来ませんでしたなんて言わせねぇからな」


「は、はいぃ!!」


 ……脳筋か。


「か、身体で……ですか?」


 リュッカが心許ない表情でザーディアスを見つめる。


「大丈夫。それはあいつらで、嬢ちゃんには個人的に優しくおじさんがレッスンしてあげるから……」


 ザーディアスは優しい笑顔でリュッカの肩に手を回して話す。


「おい、おっさん」


 ザーディアスの手を払う。忘れてた、このおっさん、自分からスケベって言ってたな。


「リュッカもちゃんと抵抗する。あのバカ二人に夜這いされそうになったの、もう忘れた?」


「ご、ごめんごめん」


「でも、そっか……才能を伸ばせか、うんそうだよね! よ〜し、頑張るぞぉー!」


 ぴょーんと飛び上がりやる気十分なアイシア。


「その前にちゃんと王都に着かないとね」


「はは……そうだった」


「バトソンさん、ここがどの辺りかは分かったんですか?」


 一緒に食事も取っていたんだ、おそらくは把握しているはずと明日の予定を聞いてみる。


「うん。分かっているよ」


 そう言うと荷馬車へと向かい地図を持ってくるようだ。戻ってくるとこの辺りのものか地図を広げる。所々に赤いインクでバツマークが書かれている。


「現在地はおそらくこの辺り――」


 地図の上を円を描くように指でなぞる。


「だからこのルートを行って、王都の騎士達の仮設基地まで行こうと思う」


「このバツマークは騎士の仮設基地だったんですね。でも、騎士の仮設基地って入っても大丈夫なんですか?」


 おそらく仮設基地を建てるのは迷宮(ダンジョン)が近くにある影響なのだろう。バトソンさんはアルメリアの迷宮(ダンジョン)には騎士も国の為に来ると言っていたのを思い出す。


「正確には、ギルドの仮設基地もあるんだがね。ギルドのところは場所によっては問題も起きるから。騎士のところなら受け入れてくれるからね」


「確かにこのおっさんじゃ信用もしてくれなさそう……」


「おい」


「でも、今日森に入ったばっかりなのに、だいぶ進んだんですね」


 まあ、あれだけ走れば進むよね。馬の息もだいぶ荒かったし。


「流石に明日はこのペースでは行かねえから安心しな」


「そうしてもらわないと困りますよ。馬達にもこれ以上、負担はかけられないからねぇ」


「じゃあ明日の為に今日はゆっくり休もうか。そっちもこっちに来る元気なんてないでしょ?」


 ジト目で睨む。男相手なら多分これが効く。


「……少しは信用してくれないかな?」


「だったら最後まで護衛、頑張ってね。ほら、アイシア、リュッカ行こ」


 ふいとそっぽを向き、荷馬車へと向かった。

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