25 解決策
「さて、ここは年長者として仲裁役を買ってでるかね。ほれ、事実を話してみろ」
ザーディアスに事の次第を説明すると、各々の言い分の確認を取る。
「なるほどな。要するに嬢ちゃん達が遅れたのが原因で依頼を取り消そうとしたが、嬢ちゃん達は王都までの護衛が欲しい……でいいか?」
「は、はい」
リュッカは俯いてしょんぼりした声で返事をする。
「で、銀髪嬢ちゃんはこの嬢ちゃん達を王都まで連れて行く伝手があるって事だな?」
「まあ聞いてみないと分からないけど、事情を話せば大丈夫だと思う」
バトソンはリリアの事を心配して、王都まで連れて行くと言ってくれた人だ。きっと事情を説明すれば分かってくれるはずと確信を持って言えた。
「で、こっちの坊主は可愛い二人の嬢ちゃんに見惚れて護衛をしたいでいいのか? 坊主」
「はっ! 違うし! 気が変わっただけだよ。評判を落とす訳にはいかねぇし……」
ふんっと拗ねる態度を取るが、気が変わった理由が私達なのは丸分かりなんだよ。
「ほう。そんなに評判いいのか坊主ども」
「い、いえ。まだ一年目のDランクパーティです……」
茶髪の剣士は情けない顔で話した。
「余計な事言うんじゃねぇ!!」
「ほほう、そりゃあご大層な肩書きだ」
くくっと馬鹿にするように笑うと、ラッセは不機嫌そうにそっぽを向いた。
そして遅れた理由を話し、ある程度情報がまとまると解決案をおっさんが提示する。
「ま、解決策はこうだ。銀髪嬢ちゃんがこの嬢ちゃん達と一緒に行けるならお前達はこの依頼を蹴ればいい。そのご大層な肩書きなら蹴ったくらいじゃビクともしねぇよ……」
「えっ、いやぁ……よぉ」
私達を手放したくないのか未練がましい声を出す。
見っともないな、コイツ
「あれれぇ〜坊主、評判を落としたくないだけだろ? さっきも言ったがその肩書きなら問題ねぇよ。このSランク様が保証してやるぜ」
「うっ……」
ザーディアスはラッセの思惑を分かっていながら、わざとらしい言い方で実に楽しげに茶化す。
「ま、銀髪嬢ちゃんがダメならお前さん達が予定通り護衛すればいい……だろ?」
「お、おう」
「そうですね。まだ、依頼は取り消してはいませんでしたし……」
茶髪の剣士は受付嬢を見る。
「は、はい。一応……」
辿々しく答えた。
だが、俺はそれは納得いかない、というか信用出来ない。
「私はこの人達に護衛をさせるのは反対なんだけど……」
不機嫌そうに敵意を込めて話す。それに対して茶髪の剣士は詫びる。
「君の言う事も尤もだ。ラッセが信用ならないのは分かってる。君達の事情も知らずに無責任に依頼を断ろうとしたことも……本当に申し訳ない」
「そこまで分かってるなら、引き下がるもんじゃない?」
敵意剥き出しの俺にどうどうとおっさんは仲裁に入る。
「だが、銀髪嬢ちゃん。お前さんがダメだったらこの嬢ちゃん達はどうやって王都まで行くつもりなんだ? 道中は魔物も出るだろ? また、お前さんみたいな人が助けるとは限らねぇだろ?」
「――ダメな事なんてないよっ!」
「……嬢ちゃん、絶対はねぇよ」
「……っ!」
確かにそうだけど、バトソンさんなら断ったりなんかしない。森の中でリュッカ達を助けに向かうようお願いした時、答えてくれたあの人なら……。
だが、おっさんの言う事も分かる。万が一無理だと言われたらリュッカ達は行く手段をまた一から考える羽目になる。
意地を張るように歯ぎしりを立てて悔しそうな表情をするのだった。




