24 ザーディアス
「おいっ! おっさん何者――」
文句を言おうとするラッセ。だがおっさんは詰め寄り、人差し指で指す。
「ピーピー鳴きなさんな、ガキが。レディの扱いがなってねえぜ」
「んだとぉ!」
「ほれ」
ぴっとまるでマジックのように一枚のカードを手から出してみせる。それを見たラッセは顔を青ざめる。
「あ……ああっ!?」
「まあ、そういう事だ」
おっさんは立ち上がりカードを懐へしまった。
「あの、ウチのメンバーの暴走を止めて下さり、ありがとうございます。ところで貴方は?」
「おいおい、兄ちゃん。こんなおっさんの事知ってどうすんだよ。それに俺が止めたのはこの――」
こちらを見てウインクをかます。
「お嬢ちゃん達を助ける為だしね」
おっさんのウインクなんか見たくなかった。まだ、顔がいいから許せるが、中身男だし俺。二人もどう反応すればいいか分からない顔をしてるし。
「じゃあ私が同じ質問したら答えてくれるの?」
ちょっと嫌そうな態度を取って訊くと、よくぞ訊いてくれましたと言わんばかりの笑顔で話す。
「おじさんの名前は――」
「いや、別に訊きたくて言ったわけじゃないので……」
「――おいおいおいっ! そりゃあないだろう」
「き、訊いてあげようよ。助けてくれたんだし……」
その優しい言葉に感極まってか、リュッカの手を握るおっさん。
「ありがとうな、赤毛の嬢ちゃん。こっちの銀髪嬢ちゃんと違って優しいなぁ〜」
「ど、どうも」
大きく咳き込むとちょっとキメ顔をした。
「おじさんの名前はザーディアス。しがない冒険者をやっている。そしてぇー……」
しまった懐から再びカードを取り出す。
「ランクはSランクだぁーー!!」
「えっ、Sランクっ!!」
そんなに自信満々に言ったらそれこそ格好がつかないだろうが! ――俺は心底呆れ果てる。
「Sランク……どうりでラッセが驚いて黙った訳だ」
「でも、そんなに自慢してると台無しだけどね……」
「ははは、言うなぁ銀髪嬢ちゃん。だがな、おっさんほど歳を取るとプライドなんて安いもんさ。だったらひけらかしてビビらせちまった方がいいのさ。……なぁ坊主」
意味深にラッセを見る。
「――なっ……バ、バカにしてんのか!?」
「おうとも」
「なっ……」
ラッセはバカにされても言い返せない様子を見せる。このラッセって人がランクがいくつかは知らないが、明らかに風格が違う。このおっさん、隙だらけに見えるが、この余裕がある態度がそう思わせている気がしてならない。
それにラッセってヤツは俺の闇魔法での脅しでビビってたが、このおっさん相手なら軽くあしらいそうだ。
「おじさん、歳って言うけどいくつなの?」
「ん? なーいしょだ」
見た目は三十代後半から四十くらいのおっさんは意地悪そうな表情とのらりくらりとした喋り方で茶化してくる。
掴み所がないひょうひょうとした態度になんか腹立つ。




