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問おう! 貴方ならこの状況、歓喜しますか? 絶望しますか?  作者: Teko
10章 王都ハーメルト 〜帰ってきた世界と新たなる勇者〜
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09 ザーディアスの気まぐれ

 

「これで終わりだな、ドクター。残念だったな」


 メルトア達がドクターの間合いをはかっていると、ドクターは表情を歪ませて嗤う。


「――あははははははっ!! この私がっ! たかだかメス風情に、追い詰められるだとっ!! ふざけるなぁ!!」


 するとポケットに素早く手を突っ込んだドクターは、大量の魔石を手に持ち、投げ出した。


「――召喚(サモン)!! 私のゴーレム達ぃ!!」


 その散りばめられた魔石達に、周りの外壁などの岩や土くれが吸い寄せられるように肉付けされていく。


 質で勝てないと判断したのか、物量で勝負に出たドクターに呆れ果てつつも、色んな意味で厄介だと、ナタル達は苦悶の表情を浮かべる。


 ドクターは地族性の魔術師で、これだけのゴーレムを簡単に召喚できることから、物量で押されれば押し切られる可能性があると推測した。


 人体魔石(ホムンクルス)との戦闘に、合流したメルトア達も体力、魔力共に消費が激しい。


 しかも召喚されたゴーレム達も、


「――ズオオオオオオーーッ!!!!」


 一般的に知っているゴーレムではない。


 先程の四足歩行の狼型のゴーレムのように、ただごついだけのゴーレムではない。


 勿論、ごついゴーレムもいるのだが、明らかに役割がわかれているゴーレムが複数体、存在している。


人体魔石(ホムンクルス)についての反省点などの貢献には感謝するが、貴様らにそんなことを言われる筋合いはない! 文明の進化に胡座をかいて利用し、惰眠を貪る穢らわしいメス豚風情に役割を与えてやっているのだ。感謝されることはあれど、憎まれ口を叩かれる言われはない!」


「冗談ですわよね? まさか自分が世間様に多大な貢献を成しているなどの勘違いを? 本気で言っているのなら、本当にお笑い話ですわね」


「メス豚ぁ……」


「人権侵害、女性侵害もいい加減にしなさい! 貴女がどれほどのことをしたのかは知りませんが、デュークやシモンを罠にかけて……異世界に放る人達が何を言っても、説得力に欠けます!」


 ネイは悔しかった。


 シモンが忠告した通り、ここへは来るなと言われた時点で、すぐにでも撤退すべきだったと。


 そうすればシモンは置き去りになってしまうが、デュークは救うことができたはずだと。


 だがその陥れた組織の一員が、更に自分達と協力してくれている人達を陥れようとしている。


 不謹慎ではあるだろうがと、ネイは考えつつも、


「――はああああっ!!」


 その憂さ晴らしに、この軍勢は有り難いと突っ込む。


 ネイは魔力と体力の限りを振り絞り、召喚されたゴーレムを次々と粉砕していく。


 その勢いは正に怒涛の一言。


 格闘家(モンク)の力強くも可憐な体術に、巨躯な身体のゴーレムは土くれへと還る。


「ば、馬鹿なぁっ!!」


 発狂しているドクターまでの道筋ができたところを、


「はっ! これがてめぇが馬鹿にした――」


「女の力だっ!!」


 メルトアは片腕しかないにも関わらず、その粉砕されたゴーレム達の隙間を舞うステップを踏むようにドクター目掛けて剣を振り、リンスは大きく飛び、粉砕されたゴーレムの上を通り、頭上からドクターに大剣を振り下ろす。


 だが、


「――なに!?」

「――ごおっ!?」


 二人の攻撃は割って入ってきたザーディアスの大鎌で阻まれる。


 メルトアの横振りの剣撃は長柄で防ぎ、リンスの大剣は鎌の刃部分で防ぐと、そのまま薙ぎ払う。


「――ぐおっ!?」

「――くっ……!?」


 ザーディアスはひゅんひゅんと大鎌を軽々しく振り回すと、長柄の部分を肩に添えた。


「やれやれ。最近の若い()達は強いねぇ」


「ザーディアス!?」


「ザーディアスっ!! 貴様ぁ、来るのが遅いじゃないか! この役立たずがぁ!!」


「役立たずねぇ……へいへい。ならその役立たずは退散しますかね」


 せっかくカバーしてやったのにと、ザーディアスは罵倒されたので次元の穴を開けて本当に退散しようとする。


「貴様はガキか!? 何を馬鹿みたいに拗ねている!? さっさとあそこのメスガキ共を捕まえろ!」


「いやいや、役立たずは邪魔だろって思っただけさ――」


 ザーディアスは腕を組みながらドクターと会話する中で、バレないように指を差して逃げる方向を促した。


「ドクターがなんとかするんだろうなーってよ」


 屁理屈ばかり口にするなと怒鳴りつけるドクターは隙だらけに見えたナタル達。


 仕留めるなら今だと思った反面、クルシアのような罠も浮かんだ。


 そしてザーディアスの答えは――逃げろだった。


 冷静さを欠いた異常者が何をしでかすかわからないということか、それともクルシア達が戻ってくることを危惧しているのか、どちらにしても長居は生還率を下げるものでしかない。


 そう判断したのはメルトアは、直ぐに剣を鞘に収めると、


「丁度いい! まと――おおっ!?」


 やる気に満ちたリンスの襟首を掴むと、ザーディアスが指差した方向へ駆ける。


「逃げるぞ!」


「なあっ!? ばっ!? 何でだ、メル!?」


 駆け出すメルトアと引っ張られるリンスを追いかけるように、一同も走る。


「なっ!? 貴様ら、逃すか!」


 ドクターが壁に手をつき、魔力を流すと、天井から岩壁がズドンと落ちてくる。


 道を塞がれた一同は、ザーディアスが懸念していたことを察した。


 ここはアジトの中であると同時に、ゴーレムの中である。ドクターが何の仕込みも無しにしているはずなどなかった。


 するとメルトアは掴んでいるリンスを、一周回って遠心力をかけて壁に向かって投げる。


「リンス!」


「――こうすりゃあいいんだろっ!!」


 更にリンスは回転をかけて渾身の剣撃をお見舞いすると、塞がれた厚みのある壁を粉砕。


「なっ!?」


「行くぞ! 走れ!」


 メルトア達は道角を曲がり、ドクター達の視界から消えた。


「おのれぇ……この私をここまでコケにしやがって……」


「珍しく感情的だな、ドクター」


「そんなことはどうでもいい!! さっさと追いかけろ!!」


「それは構わないが……俺も潰すなよ?」


「善処しよう」


「おいおい……」


 ザーディアスは呆れながらもメルトア達の後を追い、ドクターもまた遅れて追いかける。


 ドクターが感情的なのには心当たりがあるザーディアス。


 異世界の話を聞いてからというもの、頭の中で異世界の技術を構想しているのではないかと考える。


 つまりは妄想だ。


 誰しもが都合の良い方向へ考えが向くものであり、それの妨げをしているメルトア達がいたく気に入らないのだろう。


 しかもドクターは普通にプライドが高い。


 基本、自分が上手くいくことが前提で事を進めたいドクターとしては、この状況は面白くない。


 そんなことを簡単に浮かぶザーディアスであった。


 一方で――、


「メル! 何で退くんだ! あのクソ眼鏡の顔面、ぶっ殴ってやらないと気がすまねえ!!」


「それに関しては同意だけど今じゃない。状況を考えて」


 そう言われて考える一同のうち、ナタルが口を開く。


「私達の作戦は失敗。それどころか罠である以上、早々に退くべき、ですわね?」


 メルトアはこくりと頷くと、その理由を口にした。


「それだけではないわ。あまり長居し過ぎるとクルシアやバザガジールが戻ってくる。そうなれば私達は本当に終わる。それに――」


 壁から無数の四角の柱が造形されて飛び出してくる。


 メルトア達は加速してなんとか(かわ)し切る。


「ここはあのドクターという男の領域(テリトリー)みたいなところよ。圧殺しにかかってるところを見ればわかるでしょ?」


 追われている一同にその理解は難しくなかった。


「確かに退き時。でもどこに向かってる?」


 そう尋ねる暗殺部隊(フェルサたち)は、ザーディアスの指差す方向に走った意味を知らない。


「この先にあのザーディアスっておっさんが用意した脱出用の次元の穴があるんだとよ! ホントに行くつもりか?」


 メルトアも、そしてデューク達を(さら)われたネイやヴィも本来なら信じたくはない状況のはずだが、


「あの人、なんだか悪い人とは思えなくて……」


「シモンやデュークを別世界に送った人だけど、何か憎めないのよね……」


 その意見には同意見のナタル。


 ザーディアスとはほぼ面識は無いが、リリア達の話を聞いているとそんなに悪い人ではないような印象が強い。


 特にアイシアが、ザーディアスを推していることから、変な信頼がある。


 だがメルトアは別方向から分析していた。


「あの人、敵意を持っている気配はなかった。軽くあしらうように仕事をしていたわ」


「それって……」


「ええ。それだけ実力差がある」


 いくら闇属性との戦闘経験が少なく、片腕で剣を振るなんてハンデを抱えており、更にはネイやヴィのサポートもあり、デュークやシモンも(さら)われるまでは前衛と戦ってみた結果、ザーディアスを追い詰めるまでもいかない結果となっている。


「それにも関わらず、本気で私達を捕らえない理由が何かあるはず……」


「それが今用意されている次元の穴ですの?」


 メルトアの根拠はそこだった。


 仮に用意された次元の穴が罠だった場合、色々と矛盾が生じる。


 その罠は大概、捕らえるために使われると考えるからである。


 だがザーディアスの場合は十分な実力を備えている。捕らえるつもりなら、わざわざ脱出用の穴を開けたとは言わない。


 だからメルトア達は生きて脱出することに、ザーディアスは意味を見出しているのではと判断できる。


「ええ。少なくともここからの脱出は可能だとは思います」


「じゃあ今、追っかけて来てるのは、ドクター達の目を欺くためかな?」


 振り向きながら語るフェルサの視線の先には、メルトア達に追いつきそうなザーディアスの姿があった。


「多分……」


 するとザーディアスは大きく跳躍と同時に、大鎌を簡単に振ってきた。


「にゃろおっ!」


 ザーディアスの大鎌を受けられるのは、リンスかメルトアしかいない。


 リンスが大鎌の刃を受け止めるが、ザーディアスはいとも簡単に大鎌を連続で振り、攻撃してくる。


「おっ、中々やるねぇ。お嬢さん」


「黙れ! おっさん! てめえの狙いはなんだ!?」


「さあ……なんだろうね!」


 相変わらず真意を見せないザーディアスは、リンスを薙ぎ払った。


「――おおっ!?」


 大剣で防御したものの、先に逃げていたメルトア達のところまで飛ばされた。


「リンス。貴女も早く」


「!」


 メルトア達は次元の穴にたどり着いていたようで、メルトア以外の姿はもうなかった。


「罠じゃ――」


「ないわ。フェルサさんが首だけ突っ込んで確認してくれた」


 ザーディアスが作る次元の穴は、そこにある限りは出入り可能なので、フェルサがその行き先を目と鼻で確認。


 王都ハーメルトの裏路地に通じていることを確認した。


「行って!」


「お、おう」


 リンスも穴に入っていくと、ザーディアスが追いつく。


「よし、見つけられたようだな。ん?」


 メルトアはザーディアスに人工魔石を手渡した。それはザーディアスが案内役にと渡していた人工魔石。


「それ、私が持ってると裏切りがバレるわ」


「何だよ。わざわざそんなことのために残ったのか? ……随分と変わったみてえじゃねえか、片腕の嬢ちゃん」


 メルトアは自分でも不思議だと思った。


 ザーディアスは自分が恨んでやまなかった闇属性持ち。如何にクルシアの件があり、それが誤ちだったとわかったとはいえ、嫌悪感がないではない。


 だがやはり周りの者達が言う通り、闇属性持ちにも色んな人がいるのだと、あの時から今更だと思い知った。


 この目の前にいるザーディアスもまた、闇属性の中では良い方ではないかと思えるくらいに、判断力を身につけられてきた。


「そうね。以前の私ならただただ斬りかかっていたでしょうね。でも……クルシアは例外よ! あの男は殺すわ」


「ま、そうだわな」


 少し寂しそうに返答したザーディアスの表情は困ったような微笑み。


「貴方は何故、クルシアの味方をしている?」


 その表情はクルシアのことを想っての表情だったと読み取れたメルトアは尋ねたが、


「ん? 俺は冒険者だからな。雇い主(クライアント)の味方をするのは当然――」


「それだと私達を逃そうとすることは、クルシアの意図に反していないか?」


 クルシアがアジトの侵入をタダで許すとは思えない。


「いや、デュークとシモンの情報の採集ができてる。お前さん達の身柄確保はできればだからな。ドクターが少し躍起になってるだけさ」


 未だ姿を見せないドクターが来るであろう道筋を見ながら答えた。


 のらりくらりと真意をはぐらかされ続けていると思うメルトアは、これ以上は訊いても無駄かと考え、次元の穴に入ろうとした。


「まあ、なんだ。お前さんらにとってはクー坊は憎むべき敵なんだろうが……」


「!」


「あいつはあいつなりに、思うことがあるんだろうぜ」


 言わんとしていることはわからなくはない。だけどクルシアから受けた仕打ちを考えれば、認めるわけにはいかないメルトア。


「……だから貴方は見守ることにしたと?」


「ああ、クー坊もそうだが、お前さんらもな。俺はそのケジメ、未来を見届けたいだけなのさ」


 メルトアは次元の穴に入っていく。


「貴方の望んだ結末にはならないかもしれないぞ」


「望んだ結末? ないな」


「!」


「クー坊に対してはどんな結末でも、割と納得しちまうんだと思うぜ、俺は。まあひとつ言えるのは、片腕お嬢さんじゃあ役者不足ってところだ」


 役者不足。


 その言葉には、嫌に納得がいってしまったメルトア。


 自分がクルシアに勝てるヴィジョンがまったく浮かばないこと。


 あれだけ出し抜かれて、親友を殺してしまった負い目は、それだけメルトアの自信を喪失させていた。


「とはいえ、ここで片腕嬢ちゃんの未来が終わるのもおかしい」


「だから逃してくれるのか?」


「ま、そうだな。少なくともクルシアに恨みのある連中はなにかしらやってくれるだろうと、期待してる。お前さんはクルシアを終わらせる役目ではないだろうが、そのための何かにはなれると、俺は思ってるぜ」


 メルトアの寂しげな背中は、息を吹き返したようにピンと伸びた。


「貴方の想いに応えてみせる」


「応えなくていい。片腕嬢ちゃんが応えるべきは、お前さんを支えてる連中と、殺しちまった親友……だろ?」


 まったくその通りだと、ギュッと唇を噛んだメルトア。


 自分はここまで支えられて生きてきた。


 まだ誤ちを誤ちだと気付いていない頃からずっと。自分が導いてきたのだと、勘違いをしていた頃からずっと。


「おい! メル! さっさと来い!」


「どした、メル?」


 ひょっこりとリンスとヒューイが顔を覗かせた。


「す、すまない」


 みんなのことを考えていただけに、この二人を見ると決意が固まっていく。


「ザーディアス……殿。私は私の答えを持って、クルシアに挑む」


「……そうかい。頑張んな」


 メルトアは次元の穴の先、リンス達が待つハーメルトに降り立つ。


「よし、全員――」


「リンス、ヒューイ」


「「?」」


「これからも、私について来てくれるか?」


 突然の問いに、二人はポカンとすると、


「馬鹿じゃねえのか。当たり前だろ?」


「ん」


 改めて聞くことじゃないと、少し不機嫌そうに答えた。


「……ありがとう」


 涙が出るほど嬉しかったが、ここで泣くのはおかしいと、グッと堪えたメルトアは、異様な魔力を放つ方へ、皆と向かった――。


 そして――見送ったザーディアスは次元の穴を閉じた。


 するとゴーレムに乗ってやってきたドクターがようやく到着。


「ザーディアス。奴らはどこへ……?」


「ん? 逃げられちまったよ」


「なに!?」


「まあ敵陣に乗り込むんだ、ある程度しっかり逃げられる方法を――」


 ズドンと退散しようとしたザーディアスの前を岩壁が塞ぐ。


「なんのつもりだ?」


「それはこちらのセリフだ、ザーディアス。お前のことだ、わざと逃したのではないか?」


 先程までの感情的になっていたドクターは居らず、いつもの冷酷に判断できる状態まで落ち着いていた。


 だがザーディアスは、


「それが? 問題ねえだろ?」


「貴様……!」


 悪びれることも隠すこともなく、さらりと肯定すると、岩壁など関係ないと次元の穴を開けて通る。


「俺達の仕事は、こっちに銀髪嬢ちゃんか勇者君が来た時の応対と、デューク達が来た時の情報収集だろ? あの嬢ちゃん達はそもそも仕事内容に含まれちゃあいねえ」


「屁理屈を……! アジトに侵入してきたら、始末するか捕らえるものだろ、普通!」


「おいおい。お前さんらが普通を語るか? 異世界なんて本来ならあり得ない世界に行こうとしてる連中が言うセリフじゃねえな」


 ドクターの筋は通ってないと、軽く笑って返す。


 それにクルシアを含めた道化の王冠(クラウン・クラウン)が真っ当な組織でないことは良くわかっている。


 それに以前クルシアは茶でも淹れて招こうかなんてことも考えていた始末。


 侵入者の扱いは意外とテキトーであるのが現状。


 それとこのアジトはそもそも人が訪れることなど無いに等しい。


 侵入されても別にと考えるのが本音。


 一応冷静になっているドクターは、これ以上の問答は無意味だと判断。


「フン。もういい、好きにしろ。だが、クルシアには報告しておくぞ」


「おお、構わねえよ。好きにしな」


 ドクターとザーディアスは性格上、相性が悪い。


 そのことをドクターはしっかり理解している。


 軽薄で掴みどころのないところなどはクルシアに似ているが、クルシアと違い、正直ではない。


 あまり本心を語ることなく、適当に言い逃れされることが多いからだ。


 時間は無駄にしたくないと、ドクターは岩壁を元に戻すと、来た道を戻っていく。


「それで? これからどうするつもりだ? クー坊の話によれば、通れる人間は限定されてるんだろ?」


 クルシアのドクターとの相談内容を聞いていたザーディアスからの問いに、不敵に笑う。


「決まっている。通れるように改良するのさ。そのための情報だろ?」


 デュークとシモンの情報を収集したのも、全ては異世界に行くため。


 しかもそのデュークとシモンは異世界への転移を最高させていると判断できる内容だった。


 ならばそれらを分析すれば、異世界へと向かう方法を模索できるかもしれない。


「ま、俺は専門外だから、少し部屋で休むよ」


 そう言ってザーディアスは、用意されている個室へと向かった。


「ま、頑張れよ、嬢ちゃん達」


 この危機を乗り越えたメルトア達を遠く見守るように呟き、


「フー……」


 仕事後の一本を楽しむことにした。

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