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問おう! 貴方ならこの状況、歓喜しますか? 絶望しますか?  作者: Teko
2章 王都までの旅路 〜残念美少女から普通の美少女になります〜
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09 プロのお仕事

 

 ――俺達はバトソンが治療を行っている荷馬車へと向かった。


「バトソンさん、どうですか?」


「とりあえずここで出来る措置はやったよ」


 馬車内を覗いてみると右手を包帯巻きにしてあった。そこで疑問が浮かぶ。


 ここはファンタジーだ、治癒魔法とか無いのかな? ど定番中のど定番でしょ。手をかざしたら光が帯びてこう……ふわっと。


「治癒魔法とか……使ったり?」


「ああ、おじさん、地属性だから使えないよ」


「あ……そうなんだ」


「……ごめんなさい。私達も水属性持ちでもましてや光属性持ちでもないから……」


 お察し。属性持ちによってやれる事が限られるのはやっぱ痛いな。無属性にも治癒魔法入れとけよ神様〜。


「そっちはどうなんだい? この人から魔物の処理を任されたようだけど……」


「あ、はい! この通りです!」


 でんっとホワイトグリズリーの毛皮を突き出して見せる灰色髪の美少女に引く中年おじさん。どんな図だこれ。


「み……見事に解体したんだね。すごいや……」


 バトソンさんもめちゃくちゃ引いてんじゃねぇか! 引きつった笑顔されてるよ!


「やっぱり引きますよね……」


 バトソンに耳打ち。それに対して苦笑いすると小声で返答する。


「まあね。血まみれの部分が見えてなければ、少しはマシだったかもね……」


 彼女は毛皮の部分をバトソンに見せたが裏は血だらけだ。


「これ、馬車に積んでも大丈夫ですか?」


 一応俺の戦利品らしいので持っていく事にする。了承を得ると二人は馬車の隅に毛皮、骨と肉とばらけて置いた。匂いとかその辺の問題だろうか?


「あの、お願いがあるんですけど……」


「ん? 何?」


「私達も馬車に乗せてもらえないでしょうか……」


 不思議なお願いをされたので、きょとんとした表情をする俺とバトソン。


「いや、最初からそのつもりだけど……ねぇ、バトソンさん」


「ああ。こんなところに置いて行ったりなんかしないよ。ましてや怪我人までいるんだしね」


「……っ! ありがとうございます!」


 二人してぺこりと深くお辞儀した。


「クルーディアまで行くけど大丈夫かい?」


「あっ、はい。大丈夫です」


 そう言いながらバトソンさんは出発する準備を進める。ちょっと急いでいる感じだったので手伝おうとする。


「ああ、大丈夫だよリリアちゃん。おじさんがするから。すぐ終わるしね」


「何か急いでいた様子だったので……」


「戦闘こそすぐに終わったもののあれだけの血だ。匂いに釣られて、他の魔物まで来たらマズイからね」


 確かにそうだ。サメだって海の中にもかかわらず血の匂いを嗅いで襲ってくるっていうし、侮れない。


 そうだっとバトソンが荷物から何やら小袋を出して渡す。


「悪いんだけどリリアちゃん、その魔物の肉とかこの粉末をかけておいてくれないかい?」


「……わかりました」


 今の流れからするとおそらく匂い止めの薬か何かだろう。手ですくってみると、さらっとした砂状の粉末のようだ。


 一握りするとばっと適当に巻いた。それを見た赤毛の女の子は手を出して尋ねる。


「貸してくれませんか? 匂い止めですよね?」


「あ、はい」


 さっきの事といい、多分扱いには慣れているだろう彼女にあっさり手渡す。


 すると、彼女は同じように一握り粉末を取ると、手の甲を下に手を開いて、指と指の間を少し開けるとさらさらっと粉末が流れ落ち、満遍(まんべん)なく、手早く仕上げる。


 プ、プロって凄い! いや、プロか知らんけど。

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