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問おう! 貴方ならこの状況、歓喜しますか? 絶望しますか?  作者: Teko
8章 ヴァルハイツ王国 〜仕組まれたパーティーと禁じられた手札〜
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31 切り札

 

「ば、馬鹿な……」


「……っぷ! アッハハハハハハッ!! ちょっ!? えっ? 何? い、命をボクにくれるの?」


 ほくそ笑む俺に、クルシアは堪らず笑い続ける。


「何を考えているのだ!? オルヴェール!?」


「ど、どういうことですの?」


「わかんない」


 ナタルやフェルサが疑問を口にするように、この中で状況を理解しているのは、ハイドラスとレイチェルのようで、この契約の内容について考察する。


「オルヴェールはクルシアの武装解除、撤退を条件に命を差し出したのだ。というより、クルシアの選択は一択しかない!」


「は、はい。これはクルシアが契約を交わさないと口にされれば、今喉元に止まっている刃が動き、黒炎の魔術師様は……死にます」


 この契約条件はあまりに俺に不利だと説明。


 クルシアは武装解除も撤退する理由もない。ましてや敵である俺の命を守る義理もない。


「そ、そんな……リリィ!?」


 約束が違うとアイシアは駆け寄るが、


「きゃん!?」


 契約魔法の結界により立ち入られず、弾き返される。


「危険です!」


「危険なのはリリィでしょ!? リリィ!!」


「リリアさん! 危険なことはしないって……」


 結界を叩くリュッカとアイシアに、俺は振り向いてニコッと笑う。


「大丈夫だから。心配しないで」


「で、でも……」


 そんな心配を他所にクルシアも疑問を投げかける。


「ねえねえ。これじゃあ君がじゃなくて、ボクが一方的な契約にならないかい? ボクが武装解除する理由も撤退する理由もない。だよね?」


「そうだね」


「ましてや君の命を守る理由もない。だよね?」


「……それはどうかな?」


 その問いかけにクスッと笑う。


「まあ確かに。君はボクの興味の対象ではある。これからもボクを楽しませる演者として失うことは確かに辛い。……けどさ。代わりなんているよ?」


 その問いかけも予想通り。


「そうかなぁ?」


 俺は空を軽く見上げながら、この状況を見るように煽ぐ。


 契約魔法はしっかりと()()()()()()


「そっか。ならボクの答えは――」


 クルシアが契約を呑まないと口にすると説明を受けたアイシアは、涙を零しながら叫ぶ。


「――リリィっ!!!!」


 すると、


「ちょっと待ちな、クー坊」


「……! 何?」


 ザーディアスがはたっと声をかける。


「おかしいじゃねえか。何で契約魔法が()()()()()?」


「「「!?」」」


 俺は予想通りの展開に口元が緩む。


「た、確かに……。どういうことだ?」


 その疑問を抱いたのはクルシアだけではなかった。


 クルシアもこの状況の異常さに頭を回転させる中、その考えをハイドラスが代弁するように、状況が読めないアイシア達に説明する。


「本来、契約魔法は世界水準での価値観が反映される。つまりはこの世界にどのような影響を及ぼすのかが条件となる」


「例えばですが、アミダエルの研究はこの世界に多大な影響を与えるものです。そうですよね?」


 アイシア達はこくりと頷く。


「ならばそれと釣り合いが取れるような取引がなされるはずなのです。それこそハーメルトの軍事力を渡すとか、我々が一方的に服従するなどという制約が釣り合いが取れるでしょう……」


「だったらリリアの命もその対価としてはおかしくないんじゃないの?」


「それは違うぜ、フェルサちゃん。人間の命ってのは、世界水準的に安く見られるんだ。服従と命を落とすじゃ、対価としては釣り合わないんだ」


「死んでもこの世界のためには役に立たないから?」


「そうだ」


 死人がこの世界に与える影響があるとすれば、死霊使い(ネクロマンサー)に利用されるくらいであり、世界的価値は低い。


 それならば服従の方がよっぽど価値が高いと契約魔法は評価するのだ。


「だからおかしいのだ。これだけの条件にも関わらず、人間ひとりの命を差し出すことが釣り合っていると、魔法陣が判断していることが……」


「リリアちゃんが何か細工したとか?」


「それならクルシアが気付くはずです」


「リ、リリアさん……」


 もう何が起きているのかわからない一同は行末を見守ることになった。


「確かにハーメルト殿下の言う通りだよ。おかしいね。君の命の価値がそんなに高いの? ボクが所持しているこの――」


 懐からジャラっと魔石を取り出す。


「人工魔石は人々に、世界に、変革をもたらすほどの技術の塊だというのに。ボク達の武装解除だってそうだ。それらがまとめて君の命と釣り合っているのはおかしいよね?」


「おかしいと思うなら考えなよ。それとも疑問のまま私を切り捨てる? お前にとってはワクワクする展開だろ? 契約を破棄すれば私はこのまま喉を貫く。でも私の読めない意図を解く楽しみまで用意してる。感謝して欲しいね」


 不可解だといつもの無邪気な表情を捨て、大人びたキリッとした目付きで悩んでいるので、


「とりあえず予想を訊こうか? 合ってるかどうか判断してあげる」


「了解! そうだね……漠然とした答えとなると神様ってのが、一番出てくる答えだなぁ」


 まあそれが無難だろう。


「神なら、この世界の頂点にいるわけだし、天秤にかければ必ず神様(そっち)に傾くだろう?」


「だがクー坊。それは回りくどいだろ?」


「まあね。可能性として人間に堕ちた神とか、神が憑依した人間とか? そのあたりが無難だねぇ……」


 クルシアは顔を(うかが)うわけでもなく、その場でウロウロしながら神様説を語るところを見ると、本命ではないようだ。


「でも神様だったらぁ、人間のいざこざは人間で解決しろとか言いそうじゃない? 基本、不干渉なんだしさ」


 まあその点は異世界転生(そういう物語)で、その転生者に対し、後ろめたさや面白半分でとかで干渉するケースはあるだろうが、そんなものは完全なフィクションだ。


 現実(リアル)ではそうそう無い。


「あんたは私のこと調べたんでしょ?」


「まあね。リリア・オルヴェール、現在十六歳。身長は――」


「その辺はいいでしょ!?」


 何でコイツ、身長体重とかわかんだよ。一応、女の子として男子の前での公表は避けるべし。


 これはマナーなり。


「はいはい。ガルヴァ・オルヴェールとリンナ・オルヴェールとの間に生まれた一人娘。父からは溺愛されてと、母からは厳しく躾けられた影響か、被害妄想が酷く、よく自殺未遂を繰り返していた天才少女……」


「自殺未遂……?」


 今の俺からは想定できないとシドニエは呟くと、天才少女というのに引っかかったハイドラスが尋ねる。


「天才少女とは?」


「彼女のが自殺する際に準備する魔法陣が、大人も舌を巻くほどのものらしくてね。その創造力は桁違いだったらしい。おそらく妄想力と想像力に特化してる影響だろうね」


 この世界の魔法は頭のイメージがあれば発動するという曖昧なものだが、そのイメージの固まりがハッキリすればするほど威力や効果も上がる。


 だがそのイメージの仕方だけでも個人差が存在し、その間にも工程が存在する。


 それが文字詠唱などで用いられる術式である。


 数学の公式みたいなものではあるが、難解な数式が現実世界(むこう)にも存在するように、術式も同じである。


 リリア・オルヴェール本人は、それらに特化した才能の持ち主だったようだ。


 彼女の部屋の大量の魔導書を見れば、勤勉であったことも頷ける。


「なるほど。それを考えれば、あながち神様説もあり得るな」


「どういうこと? ザーディアスさん」


「んー? つまりはこういうことだ。自殺未遂を繰り返すほどの性格となると、かなり卑屈な性格だとわかるだろ?」


「あー……うん」


 アイシア達は勇者校での入試のリリアを思い出す。


「だが今の銀髪嬢ちゃんの性格は卑屈どころか真逆だ。活発で元気いっぱい。挙句、クルシアをどうこうするのにも首を突っ込んできた。これは卑屈な自殺志願者のすることじゃあない。だろ?」


「つまり、入試前のリリアさんと私達が出会った後のリリアさんは別人だと仰りたいのか?」


「そういうことだ。キノコ頭君」


「む!」


 ハーディスのその弄りは久しぶりである。


「で、でも別人って……」


 心配そうにこちらを見るアイシア達。


 まあ不安になるのもわかる。


「勘違いしないでね。アイシアとリュッカに初めてあったのは、この『私』だから……」


「リリィ……」


 そうあの日――ホワイト・グリズリーから助けた俺がアイシア達の友達だから。


「だから問題はその中身だよね?」


「……当ててみなよ」


「実は検討もついてるんだけどねぇ」


 ルシアは自信があるようで、にんまりと笑顔を見せる。


「ズバリっ! 君は勇者だろ?」


「!?」


 素早く反応したのはアルビオ。


 それもそうだ。自分のご先祖かもしれないと言われれば驚きもする。


「どうしてそう思うの?」


「ボクはこう考えるね。リリアちゃんは闇の魔術師だ、降霊術も扱えたかもしれない。自分の魂を供物とし、勇者の魂を冥界から呼び出した可能性……」


 そんなオカルトじみた仮説、現実世界(むこう)でなら笑い話にするところだが、魔法があるってだけで信憑性が出てくる。


「勇者はこの世界に多大な影響を与えた存在だ。北大陸での技術提供。西大陸には武器を貯蔵。南大陸では人種問題への着手。東大陸では子孫すら残している。その魂となると、ボクの手札と釣り合いが取れるという説明がつくと思わない?」


 確かにケースケ・タナカの影響は凄まじいものだ。


 その知的財産は世界水準からそう評価されてもおかしくは無い。


 おかしくはないが、


「待ってくれ、クー坊」


「えっ? なぁにぃ?」


「多分ハズレだ」


「えっ!?」


 そう、ハズレだ。


 でも惜しい。


「俺がその嬢ちゃんらと旅をしたってのは話したな?」


「うん」


 王都までの旅路のことだ。


 だからアイシアもリュッカもザーディアスに対し、あまり敵対心を持てない。


 まあ俺もだけど……。


「その時、銀髪嬢ちゃんはこの世界の魔法常識を知らなかった。人が使える属性のことや魔力の種類などなど。そうだろ? 眼鏡の嬢ちゃん」


「は、はい。確かに私達が教えました……」


「勇者の魂だったとするなら、そこの常識は知ってるはずだろ? それともそこだけ都合の良く記憶が欠落してるもんかねぇ……」


「そう言われればそうだね……」


 でも惜しいところは言っているのではないかと、再び悩むクルシア。


 俺もいい加減、喉元にナイフを突きつけ続けている光景が怖いので、そろそろカマをかける。


「いや、でも惜しいよ。答えはその近くだ」


「!」


「そ、それはどういうことですか!? リリアさん! あ、あなたは勇者を知っているんですか?」


 アルビオの問いかけには首を横に振る。


 その当の本人は知らない。あくまで性格くらいまでなら、あの日記を見れば想像くらいはつく。


「ねえ、クルシア。お前のことだから、勇者の出生のことも調べたんだろ?」


「まあね。だけどなーんにも出てこない。一体どこで生まれて育ったのかさっぱり。奥さんの方は普通に出てきたんだけど……」


 まあアルビオがいるから、お相手はいただろうさ。


「でもその奥さんはこの国の平民の娘。特に目立ったとこはなかったよ。もしかしたら隠し子説も考えて、勇者が生まれるであろう年号は片っ端から調べたしな……」


 好奇心の為せる技だな。伊達に人間観察、人生観察を趣味にはしていない。


 興味のあることにはとことん突き詰めるタイプなのな。


「お、お前、凄えな」


「そう? 普通じゃない?」


 ザーディアスもクルシアとの付き合いも長そうだが、ドン引きしてるあたり、まだまだのようだ。


 まあ普通引くよね。


 すると俺はのらりくらりとゆっくりと近付いていくように、答えへと導いていく。


 クルシアの好奇心を存分に(あお)るように。


「もっとよーく考えてみなよ。そんな出生がわからない人間が、北大陸で汽車の技術をいきなり提供できると思う?」


「た、確かに。あれほどの規模のものとなると、一人の試行錯誤でどうこうなる話ではない。だが北大陸での記実によれば……」


「勇者ケースケ・タナカがほとんどを監修したって、確か研究者さん達が……」


 シドニエも特訓がてら、雑談でそのあたりの話をしていた。


 憧れの人がした偉業は是非とも聞きたいところ。


 その時ケースケ・タナカが一から知識提供していたことに感動を覚えた。


 瞬時にそんな知識提供ができる賢い方なのだと。


「私も外交で北大陸に行ったことがあるが、あの汽車というものは勇者の情報の下、かなり最短で出来上がったと伝えられている」


 当時の研究者達の技量もあっただろうが、勇者のその汽車に鉄道の知識がかなり的確だったのは、その当時の記録からわかることだった。


「おそらく勇者はその洞窟にも似た北大陸の地下都市に、トロッコを連想し、汽車があればと思い付きで言ったんだと思うよ。あれが便利な乗り物だって――()()()()()()()()……」


「!?」


 俺のその意味深な言葉に一同が驚愕する。


「知ってたとは妙な言い方だな、銀髪嬢ちゃん。まるで見てきたかのような言い方じゃねえか。あんな乗り物、この世界にはねえよ」


「だろうね」


 魔物を召喚魔とし、龍操士(ドラゴン・ライダー)なんているくらいだ。あんな文明的な乗り物は存在しない。


 クルシアは勇者の足跡を頭の中で辿り、読み漁った勇者の伝承を次々と思い浮かべる。


 そして――、


「ねえ、ザーちゃん?」


「んだよ?」


「勇者の日記って読める?」


「いや。読めねえ」


「なっ!? あ、貴方達、いつの間にボクの家に……」


「もっと警備は万全にしておくもんだよ」


 ザーディアスの能力か、はたまたクルシア自体の力か。


 どちらにしても侵入は容易かったろう。


「でもさ、あの文字って解読されてたんだよね? どっかの誰かさんが読んでからさ!」


 一同の視線が俺に集まる。


 確かに勇者の日記を読んだのは、俺が初めてだったという。


「た、確かにオルヴェールが一番最初に読んだが……」


「その時のことをよーく思い出してみてよ」


 ハイドラスはリリア達が初めて勇者の日記の並んだ書庫のことを思い出すと、


「あっ!?」


 何故か先に閃いたのはアイシア。


「あの時、リリィ……くだらないって日記をポンっと戻してたのを見たよ」


 あの時は申し訳ない。


 ひらがなまみれの幼稚な内容だっただけに、その意図もわからない時に見たものだから。


「それは私も見ました。リリアちゃん、まるで内容があっさりとわかったような口ぶり……」


「そしてその後、確か……オルヴェールはなぞって書いてあるのを読んでいたな……」


「お、おいおい。勇者の書いた日記があっさり読めるって……」


「インスピレーションだと仰っていましたが……」


 再び俺に視線が集まる。


「その辺どうなの? リリアちゃん。答えを教えてくれる?」


「……教えてもらったんだよ。学校の先生にね」


「そんなはずはありません。あれは我々の国の言語でも他国の言葉でも精霊言語でも古代言語でもありませんでした。学校で学ぶなど……」


「そんなことないよ。私達、小学生の時に自分の国の言語として教わったんだよ。基本常識としてね」


 その時、クルシアとハイドラスは考えを巡らせていた。


 そして――、


「「!?」」


 行き着いた。


 俺が何者なのかを。


「――ヒッ、ヒヒヒ……」


 クルシアから聞いたこともない笑い声が漏れる。


 わかったことへの高揚感が抑えきれないのか、盛大に笑うにはまだ早いと、笑いを堪える。


 それに対し、ハイドラスは信じられないと片手で顔を覆い、わなわなと震える。


「殿下!? どうされました?」


 そんなハーディスとウィルクの呼びかけが聞こえていないようで、ぶつぶつと独り言を喋る。


「ば、馬鹿な。そんな……いや、しかし……」


 そんな自分の考えが信じきれないハイドラスをクルシアが導く。


「いやぁ、王子様ぁ? 多分ボクらの考えは合ってる」


「な、なに……?」


 酷い表情をするハイドラスを見て、同じ考えだと悟ったクルシアは、バッと両手を大きく広げる。


「――これが論より証拠さっ!!」


「!!」


 ハイドラスは契約魔法陣を見て、自分の考えが当たっているのだと悟った。


「オ、オルヴェール……。お前は何者だ?」


「ハッ! ハッハハハハハハッ!!」


 俺の正体に目処のついた二人は、思った通りの反応をするも、状況に追いついていないアイシア達は尋ねる。


「どういうことですか、殿下!? リリィはリリィですよね?」


「おい、クー坊。頭の回転の良い二人だけで理解するな。わかるように説明しろ」


 するとクルシアはにんまりと高揚の笑みを浮かべる。


「リリアちゃんの正体は勇者さ」


「い、いや。それは否定されたろ?」


「そうだね。でも意味合いとしては一緒さ」


「何?」


「そうだよね? リリアちゃん!」


 まあここまで言えばわかるだろう。


 正直、俺の正体は墓場まで持っていくつもりだった。誰にも信じてもらえる話ではないからな。


 それにこれまで築き上げてきた関係が壊れるかもしれないと思うと、不安しかない。


 ハイドラス、ハーディス、ウィルク、委員長(ナタル)、フェルサ、アルビオ、俺と関わってくれた人達。


 シドニエには悪いことをする。


 俺に対し、好意を持っていることはわかっている。


 告白されたわけではないけど、このまま女として生きていくのなら、まあありかなとは考えたりもしてた。


 元男だが日々、女の子として過ごしていく中で、心は身体に引かれるとはこのことだろう。転移した当時とは、考え方が変わってきたように思う。


 そして――リュッカとアイシア。


 最初に友達になってくれて、いつも支えてくれた。


 出会った頃は、騙しているような罪悪感もあった。


 あの頃はまだ男としての感性もあったから、二人の距離の近さとか、アイシアに関してはスキンシップの数々に翻弄もされたっけ。


 もし話すとしてもこのアイシアとリュッカだけには、もっと落ち着いた時にでも話したかった。


 多分、今まで通りとはならないかもしれない。


 だけどこれ以上のクルシアの暴挙を止めるためにも必要なことだ。


 クルシアの性格上、俺の本来なら役に立たない切り札は、この男の抑止力という面では最強の切り札となる。


「補足すると、私もケースケ・タナカも本来は勇者でもなんでもない。ただの一般市民だよ。だけど……」


 クルシアの好奇心の全てをこちらへ向ける。


「この世界ではそう呼ばれるんでしょ?」

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