30 自分が賞品になるとは
「――紹介しよう。リカルド・アーヴェルだ」
「殿下よりご紹介に預かりました、リカルドです。お見知り置きを、オルヴェール嬢」
「ど、どうも」
慣れないドレス姿でぎこちない愛想笑いを浮かべていたのを覚えている。
というのも魔人討伐の祝賀会を名目にした社交パーティーの主役である俺に、貴族達から声がかからないなんてこともなく、豪華な食事にも手を触れることもなかった。
やっと挨拶ラッシュ――もとい取り合おうという貴族達のご機嫌とりを終えたかと思った時、殿下から紹介されたのがリカルドだ。
「貴女という美しい女性に、花の如く添えられた素敵なドレスだ。よくお似合いですよ」
「はは……ありがとう、ございます」
自然にドレスを着こなしてらっしゃるとお褒め頂いたんだろうか?
歯の浮くような褒め言葉にどう反応すればいいんだと、困惑を隠しきれず、ギクシャクした礼を返す。
中身がちゃんと女なら、このイケメンさんからこんな褒め言葉だろうと、胸キュンするのかもしれないが、元男からすれば頭が沸いたのかと心配になる。
「ふふ、リリアちゃん困ってるぞ。ちょっと必死過ぎるだろ、リカルド」
「仕方ないじゃないか、ウィル。こんなにも素敵な女性だったとは、想定外だった。……お手を拝借しても?」
とりあえず貴族社会のマナーなんてわかるわけもないし、学ぶ意欲もない俺は、必要なんだろうと右手を出した。
すると、その右手の甲に軽く口づけをする。
「こんなにも小さく、か弱い手にどれだけのものを託してしまっていたのか……自分の力不足を嘆ききれない」
「いや、別に。そんな大したことは……」
「いえ、大したことあります。魔人という脅威に一人立ち向かったと聞きます。どれだけ勇気のいることでしょう」
なーんか一人で盛り上がってるぞぉ〜?
「こんな可憐な女性に死地へと向かわせたこと、改めて後悔しています。……ですが貴女はそういう女性なのですね」
「そうだよ! リリィはみんなのために頑張ってくれたんだから」
「そうですか。……この国を救ってくれたこと、言葉足らずと思いますが、礼を。……ありがとうございます」
「い、いえ」
礼を言うだけでどれだけ時間がかかることやら。
「すまんなオルヴェール。コイツは分かる通り、真面目な奴でな」
「あ、大丈夫ですよ。なんとなく、わかります」
さっきまでの貴族達の挨拶とは違い、純粋に感謝しているという想いが乗せられているかのような、強い意志を感じた。
「それでどうだ? お前のお眼鏡に叶いそうか?」
「殿下、ご紹介下さり感謝しております。わたくし自身としては積極的にお願いしたいところではありますが……」
「あの……何のお話?」
「ああ、リカルドの婚約者の話だ」
「!?」
こ、婚約者だあ? 貴族との結婚なんて面倒くさそうだからごめんだよ。
「まあ話だけだ。な?」
「な? じゃないですよ」
「というか先程まで挨拶という求愛ラッシュだったろ?」
「まあ……そうですけど、殿下まで乗っからなくてもいいじゃないですか?」
確かにさっきまでの貴族男子達は、俺を褒めては――都合があえば是非ともお食事を……とか、いっぱいいたから。
「リカルドとは幼少からの付き合いでな。この男も側近候補の一人だったのだ」
ウィルクの話からいくつかの貴族家が候補に上がっていたとは聞いていたが、その一人か。
「それでな、婚約者の一人もできないので、面倒をみているといったところだ」
まあ確かに真面目だからこその不器用さがありそうな風には見える。
「あの……殿下?」
お断りしたいですと困ったような表情で訴える。
「わかっている、そんな顔をするな。だがまあ、なんだ。人脈は必要だろ? な?」
「……」
――というわけで、殿下の紹介と護衛候補だったことが印象に残り、知っていたわけだ。
「オルヴェール嬢、本戦出場おめでとうございます。決勝では敗北なされたようですが、どうかお気になさらず……」
「い、いえ」
何か苦手意識を持ってしまう。
ノリが悪いというか、馬が合わないというか、そんな感じがする。
「リカルド氏こそ、本戦出場おめでとうございます。試合を拝見させて頂きましたが、見事な剣技でございました」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。エルク殿」
エルクとリカルドが話をすると、真面目な大人男性のクールな会話に聞こえてくる。
「マルク嬢もご機嫌よう」
「ご機嫌よう」
マルクとエルクの関係を理解しているのか、軽く挨拶を済ます。
そんな紳士的な貴族様が目の前にいるせいか、シドニエ達はちょっと後退するが、アイシアは逆だ。
「リリィの試合観てたんですか?」
「ちょっと! リリアちゃん……」
ユニファーニ達が馴れ馴れしく声をかけるアイシアに焦りを感じながら、やめるよう促すが気にも留めない。
「ええ。彼女はこの国を救った英雄の一人。勉強させて頂きました。貴女のことも殿下より、お伺いしておりますよ」
「え? 私?」
「何でも赤龍を使役しておられ、数日で乗りこなした天才と伺っております」
「て、天才だなんて、そんな……」
「謙遜なさることはありません。誇るべきことですから……」
すっかり褒めちぎられて、嬉しさが顔から溢れ出ているかのよう。
さすがはイケメン、女の扱いはお手の物といったところか。
きっと女の子がたくさん寄ってきて、紳士的な応対をして身につけた技術なんだろうな。
昔の俺なら嫉妬していたかも知れないけど、女の子の中にいるせいか、そう思わなくなってきたな。
「……ん? あのアーヴェルさん?」
「何でしょう?」
「婚約者って本当にいないんですか? そのアイシアを陥落できるほどなら、難航もしないでしょ?」
恋愛感に疎いアイシアがこんなにデレてるんだ、婚約者なんて難しい問題とは思えない。
それに側近候補の貴族ってことは、リカルドは上級貴族のはず。親が急かさないわけもないと思うのだが。
「わたくしは何と言いますか、自然体の女性に憧れを持つのです。貴族にとってそれは珍しい話ではありません」
政略結婚なんて言葉が存在するくらいだ。貴族が望んだ通りの結婚をすることはほとんどないだろう。
「まあ色々しがらみがあるものですからね」
「ああ。本来なら家で決めた女性と結婚せねばならないのだろうが、やはり生涯を共にする女性というのは自分で決めたい」
一庶民、ましてや貴族社会なんて無縁の現代っ子がそのあたりを理解するのは無理な話だろうが、気持ちはわかる。
好きでもない奴と結婚とかはどうしても考えられない。
「なるほど、では今はアーヴェルさんのお眼鏡に叶う女性はいないと?」
「皆、素敵な女性ばかりですが、わたくしはちゃんと運命と出逢いましたよ」
「それは良かったですねー」
他人事のように社交辞令の笑顔を送ったのだが、
「貴女という運命に……」
ビシッと石化したように固まってしまった。
「おおおおーーっ!!」
「きゃあっ! こ、告白だなんて……」
側で聞いていたアイシアとリュッカは、目の前で起きた告白に興奮を隠せず、きゃきゃしているが、俺の内心は――、
(結構聞いてるんだよねぇ、そういうの)
リリアはモテるが故、学園当初からそういう告白は受けているが、ここまでのイケメンの良物件からの告白はない。
リンナからも男を作れとも言われている。そういう意味では妥当どころか喜んでくれるだろう。
だが、個人的には貴族社会に投げ込まれることやこんな浮ついた愛の囁きをする痛いイケメンと付き合うのはごめんだ。
唯一の救いは、このイケメンさんは乙女ゲーにでも出てきそうな、こんなセリフすら似合ってしまうイケメンさんであるということ。
それでもごめんだけど……。
「ちょっ! ちょっとどうするの〜リリアちゃ〜ん」
「どうするの! リリアちゃん!」
向こうにいた二人も興奮気味に尋ねるが、
「申し訳ないんだけど、お断りさせてもらえないかな?」
「「「「ええええええーーっ!!?」」」」
いつも通りのお断りをすると、四人はものすごく驚いた。
だが、リカルドは自身はその返答も予想通りみたいだったようで、特に悔やむ様子もなく、あっさりと話を始める。
「そうですね。わたくしもいきなり過ぎたと思っています。申し訳ありません」
「いえ」
「ですが、わたくしは貴女のことを諦めるつもりはありません」
「は?」
リカルドの男らしい展開に、マルク以外の女子はワクワクした表情で黙っている。
「貴女はわたくしの理想の女性です。こんなにも愛らしいお姿をされているにも関わらず、この国の民のために魔人と立ち向かう勇気。それだけの力を有しながら自惚れることもない姿勢。それにご友人方を見てもわかります……とても慕われ、愛されている女性であると……」
なんかめっちゃ口説かれてる! だが、褒められていること自体は悪い気もしないわけで!
真っ直ぐに気持ちをぶつけてくることに、頬を紅潮させてしまい、あたふたとリカルドを止めようとする。
「事を急ぎ過ぎてしまったことは謝ります。でもどうでしょう? お友達からなら……ダメですか?」
その聞き方とその甘えた犬みたいな視線は反則だと思う。
これ中身、女だったら持ってかれるわ!
「リリアちゃん、お友達からならいいんじゃないかな? 確かに貴族さんで色々不安かも知れないけど、この人なら守ってくれそうだよ」
「そうだよ! リュッカちゃんの言う通り! それに玉の輿だよ」
「リリィ、とりあえずお友達からならさ」
「リリアちゃん!」
しかも外堀まで埋められている! もしかしてこれも狙いだったのかと思うほどだ。
ちらっと言い寄るみんなの間からリカルドを見るも、微笑ましい笑顔があった。
(――これどっちだああーーっ!!)
これが計算であれば絶対断るべきだが、これが天然なら割とありなのかぁ!?
殿下の紹介というのも今になって信用を得るためのカードになっているように思える。
そんな頭がどんどん回らなくなってきて、友人達に押されそうになっていた時――、
「ま、待ってっ!!」
「!」
その必死にも聞こえる叫びの方向を見ると、小刻みに震えながらも、リカルドを見るシドニエの姿があった。
「シ、シドニエ……」
思わず静まり返り、皆の注目はシドニエに集まる。
普段であればここでビビるのだが、そんなことも気にかけることもなく、リカルドを見る。
「……貴方はオルヴェール嬢のパートナーさんのファルニ殿ですね。ご挨拶遅れて申し訳ありません」
「そ、それはいいです。あの……オルヴェールさんが困ってます。だから……その……」
最初の勢いはどこへやら。急にビビり始めた。
「そうですね、困らせていることには違いありません。それについてはお詫びします。しかし、今、わたくしが尋ねているのは、友人からだと……言っていますが?」
「そ、そうですけど……」
言い淀んでいるシドニエだが、割って入ってくれたおかげで、俺にもゆとりが出来た。
「ありがとう、シドニエ。助かったよ」
「え?」
「……」
「えっと、お友達で良ければお付き合いしますよ」
その言葉に四人は盛り上がるが、そこに水を刺す。
「あの……お嬢さん方? お友達になりましょうって言っただけで、お付き合いじゃないからね」
「「「「え? 違うの?」」」」
「……」
すごーい、ハモったよとか思いながら、やっぱ女子ってこういう話、好きなのねと改めて実感する。
「私は正直、恋愛とかまだする気がないから、ね?」
四人は残念そうな声を出すなか、リカルドは真剣な表情に変わる。
「……貴女の心の中には彼がいるのですね」
「え?」
「わかりました。ファルニ殿」
「は、はい」
「本戦、一騎討ちをしませんか?」
「!!」
「――えっ!? ちょっと待って! 何でそんな話に……」
「オルヴェール嬢、申し訳ありませんが、彼とお話をさせて下さい」
先程とは一変した真剣な物言いに、こちらが怯んでしまった。
「パラディオン・デュオではそういった関係になり得るという話もあるのですが、正にそうですね。オルヴェール嬢の気持ちは貴方にあるようだ」
「……へ? はあ!?」
俺がシドニエのことを好きだって言ったのか?
その言葉にアイシア達も興奮しての質問攻めを受けるなか、俺は否定する。
「ちょっと! 何言って――」
「ファルニ殿に向けるあの信頼こそが証拠ですよ」
「いや、それはパートナーだからで……」
「短期間であの表情を向けられれば十分ですよ」
「いや、でも……」
「この際だからはっきり言いますが、男女の友情は成り立ちませんよ」
「!!」
それは確かに男性の方が性欲的な意味で成り立たないとは、聞いたことがある気がするし、元男だからその意味も理解できるが、
「いや、あの……」
「これ以上言っても跳ね返ってくるだけだと思いますが?」
エルクのその言葉に黙ってしまう。
その困惑した表情を見て、言い過ぎたと優しく微笑む。
「貴女自身に彼に恋愛感情があるのかは定かではありませんが、わたくしが欲しい気持ちを持っているのは事実。このままでは勝ち目がありませんから」
ニコッと笑顔を見せるが、シドニエに対する嫉妬が見えていた。
「貴女に見て頂けるためにも、多少強引にいかせて下さい。……ファルニ殿、どうでしょう。受けて下さいますか?」
「……」
リカルドの発言に動揺しつつも、彼は本気なんだということが伝わってくる。
しかし、そこはシドニエ。答えはあるようだが、その言葉が喉元に引っかかっているようだ。
すると――、
「――わわっ!?」
ドンっと背中を強く叩かれた。
「男だろ? ほら」
さっきまでリリアの周りできゃあきゃあ言っていたはずのユニファーニがいた。
幼馴染に背中を押されたのが踏み出す勇気になったのか、軽く一息つくと迷いの晴れた顔ではっきりと口にする。
「受けて立ちます」
「えっ!? シドニエ!?」
「「「「おおっ!!」」」」
さすがのマルクもこの展開に驚いたようで、アイシア達とともに声を上げる。
そして話を収集するために、エルクがまとめる。
「ではこうしませんか? 本戦では一騎討ちとします。先生には僕が説明しましょう。そして勝者は最終日、王都でのイルミネーションデートというのは如何でしょう?」
「「!!」」
「ちょっとっ! エルクっ!!」
「ここまでしないと収集つきません。それにこの方がお互い、全力でやり合うしかありません。相手にオルヴェール嬢を取られたくはないでしょうから……」
「いや、でも……」
「ここで下手な止め方をすればかえって良くない結果を生みますよ」
「ぐ……」
完全に俺は賞品扱いされているが、お互いが納得いくような結末となると、こうなってしまうのだろうか。
俺は観念したという表情で了承する。
「……決まりですね。お二人もそれでいいですか?」
「「はい!」」
二人のしっかりとした言質をもらうとパンっと手を叩いて、お開きにしようとするが、
「あのさ、本戦……当たらなかったら?」
「それは大丈夫ですよ。あの一組以外に当たらなければ大丈夫でしょう」
「あ……アルビオ達ね」
「ええ。当たった場合は彼女を手に入れるための試練だとでも思って下さい」
「おい」
「あとオルヴェール嬢。二人が当たらないようにわざとやられるのも無しです」
「うっ!」
「そんな不正があった場合は、お二人の思い出作りに全力を注いで頂きましょう」
「あのさ、エルク。楽しんでるよね? ねえ?」
ふいっと目を逸らす。
(コイツ、後で覚えてろ)
「後はどうします? オルヴェール嬢とシドニエ氏はペアですが……」
「わたくしは構いませんよ。オルヴェール嬢がシドニエ氏に助言して頂いても。わたくしはそれをも超えます」
「ぼ、僕がそれは嫌です! 他の方の対策はオルヴェールさんとしますが、貴方だけは、ぼ、僕が一人で対策します」
「よく言ったよ、シド!」
男として認めたような視線で、リカルドは嬉しそうに微笑んだ。
「では正々堂々、互いの全力でぶつかり勝敗を決しましょう」
「はい!」
「……それでは、大変ご迷惑をお掛けしました。わたくしはこれにて。失礼」
リカルドはそう言い残すと、去っていった。
そしてその後ろ姿を見送ると、シドニエは全身の力が抜けたように、足からふにゃっと崩れていく。
「はあ〜〜〜〜」
「ちょっと、大丈夫? シド」
「ど、どどど、どどどうしよーーーーうっ!! えばいこどにばってじまっだああーーっ!!」
翻訳、えらいことになってしまっただそうです。
「いや、どうしようってあんた……」
「ばばばばって〜……」
一方で、
「なんだかすごいことになっちゃったね! リリィ」
「楽しそうだね、アイシア」
「そ、そうだね、大変だねぇ」
「リュッカもさ、ドキドキして楽しんでるのがわかるよ」
「うっ!? ご、ごめんなさい」
珍しくテンションの高いリュッカ。後でアルビオのことを尋ねまくって困らせてやろう。
「大変なことになりましたね(棒)」
「すごい棒読みだねぇ〜、エルクく〜ん」
「まあいいではありませんか。建国祭は五年に一度。学生でこんな思い出を作ることができるのも珍しいことなんですよ」
俺は不機嫌そうにエルクとじゃれた後、事の重大さに今更気付き、賢者モードに入っているシドニエの元へ。
「あ、オルヴェールさん。ごめんなさいっ!! 何というか……その……」
俺は大きくため息を吐く。
「言っちゃたものは仕方ないし、売り言葉に買い言葉だったんだからさ。……頑張りなよ」
「!」
「それってリリアちゃん……」
「ち、違うからね! あのアーヴェルさんよりはシドニエの方が気兼ねしないかなってだけ!」
「ふーん」
「ちょっと、ユファ? 何その言い方!」
「いやぁ、シドにも春が来たなぁってさ」
「あっ! 待て!」
俺とユニファーニは追いかけっこをしながら、みんなと離れていく。
「彼女に自覚はあまり無いようですが、良い機会です。頑張りましょう」
「えっと…………はい」
リカルドに勝てれば、リリアとのデートが確約されている状況。
シドニエは王都に住んでいるため、何度か見たことがある。
城下町が色とりどりの魔石で煌めく姿を。まるで一つ一つの芸術作品のような光景。
「――――」
想像が膨らんだのか、耳まで真っ赤にしている。
「私達もアーヴェルさんより、シドニエさんの方がいい気がします。応援してますね」
「お友達だしね!」
「先程までリカルド氏の告白できゃあきゃあ言っていた方々の発言とは思えませんね」
「そんなこと言わないでよー」
シドニエとしては、自分に自信をつけるための大会だった。
リリアに背中を押され、挑んだパラディオン・デュオ。こうして本戦出場できるのは、自信に繋がった。
だが、今度は彼女のために、自分自身の強さで乗り越えなくてはならない。
リカルドの気持ちは本物だったと、受け止めたからこそ、自分の想いも本物であると証明したい。
そして勝てた時、より強くなれる自分がいるのではないかと思う……のだが、
「オ、オルヴェールさんと……デート」
やはりハードルは高いようで、しばらく悶絶しそうなシドニエであった。




