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問おう! 貴方ならこの状況、歓喜しますか? 絶望しますか?  作者: Teko
3章 ザラメキアの森 〜王都と嫉妬と蛆蟲の巣窟〜
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49召喚術

 

「それでは、今日は召喚魔との契約を行なってもらいます」


 今日の実技演習は召喚についてとのこと。みんな緊張しつつも新たな門出にワクワクした表情の者達が多い。


 かくゆう俺も期待せざるを得ない。召喚魔だよ! 興奮せざるを得ない!


 さっきの魔法科の授業で聞かされてから、どんなのが召喚されるかとか想像したもんなぁ。


 ――この実技演習の前に召喚についての授業がなされた。


「今日、午後の授業では君達に召喚魔を召喚、契約してもらう」


 エリックのその発言に教室内は嬉しさにどよめく。


「その為、今日の魔法学は召喚について授業を行う。では……」


 エリックに言われた召喚について書かれたページを開く。


「召喚とは基本的にはこの世界に存在する魔物と契約を結び、自分の召喚魔として使役するものである」


 基本的にはね。つまりあくまで常識的には魔物と契約をして召喚できるってことか。


「今回、君達が行う召喚法は強制召喚。君達の相性の良い魔物を何処かしらから強制的に召喚、契約を行う召喚法だ」


「えっと……それだと自分が使役したい魔物を召喚魔に出来ないと思うのですが……」


 一人の生徒が手を上げて質問する。


「……まあ言いたいことはわかる。君達だって望んだ強い魔物を使役したいだろう。だがそれは君達自身の実力が伴わなければならない」


 生徒の意見は俺も同意見だが、強い魔物を召喚するにはそれを制御する実力が必要という先生の言い分もわかる。


「今回の召喚法はほとんど危険性がなく、君達にあった魔物を召喚できる。とはいえ何が召喚されるかはわからないがね」


「私達にあったということは、属性とか関係があるんですか?」


 俺はその辺が気になったので聞いてみた。


「そうだね。今回の召喚法はその召喚陣に君達の血と魔力を注いで召喚を促す。それに誘いを受けた魔物が召喚されると考えてくれ」


 つまり、その召喚陣に自分の情報を流して、魔物達に就職場所を提供、それがいいなと思って面接場所へ向かうと強制的に内定という、ブラック企業ばりの召喚法ってわけね。


「魔法陣を抜けた際に強制契約。召喚された魔物は基本、言うことを聞いてくれる」


 しかも洗脳付きとはブラックもブラックだな。


「そんなに素直に言うことを聞くものなんですか?」


 当然の質問。ここまで聞くとメリットしかない。


「使役する以上、こちらは対価として魔力を魔物に与えることになる。魔物にとっても質のいい魔力を食えるのは有り難いということだ……」


 ああ、なるほど。こちらは魔物というボディガードを獲得、給料として魔力を渡す訳だ。良かった、洗脳じゃなくて。


「勿論君達が言う通り、強力な魔物を使役すると対価も大きい。今回の召喚法なら君達に負担の少ない魔物でありながら、将来的にも役に立つ魔物が召喚できるという訳だ」


 なるほど、学校側が支援するから安全に召喚魔を使役できる訳だ。それなら嬉しいな。


 召喚は魔物と契約を交わすということなら、本来なら魔物を弱らせてから契約の魔術を施すということだろう。


 そこには危険性はどうしても伴う。それを省いた召喚法なら俺達生徒からしても有り難いことだろう。


「あの……」


 教室のみんなが期待した目でエリックの授業に耳を傾ける中、一人、そろっと手を上げる。


「僕、魔物が怖いのですが、どうしても召喚しなければダメ……ですか?」


 魔物が苦手な人などどこにでもいる普通のことだ。彼のおどおどとした様子を見れば納得というもの。


「そうだな。この中には将来、冒険者や魔法師団、研究者などなるだろう。その上でそういった経験というものは必要になる。だが、どうしても無理だと言うなら言ってくれ」


「わかりました……」


 彼は渋々返事をした。どのようなことでも経験は必要だ。引き出しは多い方がいい。


 そして現在、俺達魔法科は六つほどの青色の魔法陣が並ぶ演習場にいる。


 先生方の説明を聞く限りでは、一人ずつやっては時間がかかるということで、分かれて召喚するとのこと。その為に六つの魔法陣があるようだ。


 呼び出されたらその魔法陣まで向かい、少量の自分の血をその魔法陣にまぶし、詠唱と共に魔力を流し込み、召喚。


 その召喚された時点でその魔物とは契約が完了する魔法陣らしい。これが強制召喚だ。


 ただし、この召喚法で召喚される魔物はこの魔法陣に収まる、もしくは出てこれる魔物……要するにはサイズが決まっていることやあまり強力な魔物は召喚されにくいとのこと。


 まあとにもかくにもファンタジーらしい感じのイベントに俺は子供みたいな無邪気な表情で自分の番を待つ。

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