12 食事は至って普通でした
皆さん、異世界って聞くと食文化や地域文化など違うイメージを持ちます。文化や文明ってその世界に生きる人達の歴史そのものだ。しっかり理解しておくことは大切である。
外国へ行かれた方なら分かるんじゃないかな? その国での風習や文化に則り、そこでの常識を図る。そうすればその場に溶け込めるのもそう難しくはならないのではないでしょうか?
ちょっと話を戻しますが、異世界って言ってもゲームのようにこちらの世界と何ら変わりないような世界感も作られたりしてます。
まあ、ゲームなんだし分かりやすくしないとね。さて、こちらの異世界はというと――。
「リリア、さっさと席に座りなさい」
「はーい……」
返事を言いながらゆっくりと部屋を見渡す――。
俺はあの後、父親と床に描かれている魔法陣を消すことになったが、父親を何とか言いくるめてこの娘の部屋を確認、紙とペンを用意。魔法陣を書き写し、魔法陣を消した。
で、晩御飯の支度が出来たようなので頂くところである。
テーブルを囲むは父と母と俺三人。四人用の四角なテーブル、空席がひとつある。ちなみに俺の隣は母親である。普通、両親が並んで食うもんじゃないかな?
食卓に並ぶものは……パンと黄色いスープに彩り豊かなサラダに焼いたハムステーキのようなものが取り分けられている。
正直、ここは異世界。見た目グロテスクなのが来たらどうしようとも思ったがとりあえず一安心。だが、問題は味だ。
俺が恐る恐る食卓に並ぶ料理を伺っていると横にいる母親はジト目でこちらを見る。
「……あんた、また毒とか盛る気じゃないでしょうねぇ」
毒って……あ、見張りの為にこの席順なのね。
「そんな事しないよ」
「そう? ちょっと――」
「えっ!? ちょっ!?」
母親は俺の身体を撫で回すようにボディチェックを始めた。くすぐったい!!
「見せてみなさい」
「ちょっと! お母さん! やめ――」
「暴れないで!」
一応ここ食事処ですよ! 娘の身体弄らないで! 行儀悪いよ!
何も持っていないことを確認し終えるとやめてくれた。
「よし! じゃあ食べましょうか」
俺はスッと両手を合わせ――。
「いただきます」
二人は何をしているのか分からず、ぽかんとするも食事に手をつけた。その様子を見て俺は聞いてみた。
「食べる時の挨拶はしないの?」
俺の発言にまた不思議そうな顔をされた。
「食べる時に挨拶って何? あんた、やっぱり変じゃない?」
この世界では食事の挨拶はないらしい。食べる物への感謝は必要だろうに。
「まあ何だっていいじゃない。それより食べる事への感謝の気持ちって意味でやるんだよ」
とりあえずこれから始める事にしたということにしておこう。じゃないと余計に怪しまれる。
「ん……? そうか。まあ言われてみればそうだね」
「流石リリアだ! いい事言うなぁ、パパも見習おう! えっと……」
父はゆっくりと手を合わせた。
「……いただきます?」
「うん!」
俺はニッコリと笑うと、二人はこの世のものとは思えないことが起きているかのような表情をされた。




