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問おう! 貴方ならこの状況、歓喜しますか? 絶望しますか?  作者: Teko
3章 ザラメキアの森 〜王都と嫉妬と蛆蟲の巣窟〜
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25 授業風景

 

 翌日、授業が始まった。


 正直、建物の雰囲気が違うだけで、授業の雰囲気が変わるものではなかった。


 教本を片手に教えを説く先生の姿、黒板に書かれた授業内容を書き写す為俯く生徒の姿、静寂した空間の中で淡々と通る先生の教えの声、紙に書き写すペンのカリカリとほんの小さくなる音、黒板に書かれるチョークを叩く音。


 向こうの授業雰囲気とそんなに変わらない、小学生くらいの時の授業風景を思い出す。


 でも、の向こうのご時世はホワイトボードにマジック、何だったらパソコンの時代だろうから世代遅れの授業風景だろうか。


 窓際の席も窓が高いせいか、真横は壁が聳え立つ。差し込む太陽の光もどこか遠く感じる。この威圧感が授業を進める先生の方へと視線を戻さざるを得ない。


 ぼうと外を眺め見ることもできない。まあ、元々窓際ではないが。


 この教室作りは正に知識をつける学生の為の作りに思えてならない。勉強が嫌いな俺からすればちょっと嫌気が差す。頬杖をつきながら漠然とマーディ先生の授業を聞く。


 ――ここでこの学校の授業内容を把握しておこう。基本的には午前中は国語、数学、社会は向こうの世界と変わらない。授業ごとに先生が違うのも一緒だ。


 だが、魔法学や戦術学など、この世界ならではの授業も行われる。午後からは実践的に魔法科なら魔法を、騎士科なら実戦的な訓練が行われる。


 時間割りを渡された際にうんざりしたのは言うまでもない。だが、俺自身は文句を言っている時ではない。ここにいる誰よりも知識がない俺はとにかく学ぶしかない。


 だが、個人的にはやはり魔法学は気になる。向こうで言うところの科学がそれにあたるだろうか。


 戦術学に関しては基本的には魔物討伐を想定した内容となっているようだ。教科書を貰った際にパラパラと流し目に目を通すとそんな感じであった。


 戦争の仕方とか教える訳にはいかないからね。軍の学校じゃないし、一応。


 とはいえ、実はある程度は対人戦の戦闘知識はザーディアスに軽く教わってはいるのだが正直、怖い。


 この世界は剣と魔法の世界で、冒険者や騎士なんてのが平気でいる世界だ。関わり方によっては避けられぬ道ではないだろうか。


 向こうの世界じゃ考えられない。人が平気で刃物を持ち歩くのが普通の世界だなんて。


「……くぁ〜……」


 そんな事を考えながら、手を当てて隠すように静かにあくびをする。ファンタジー世界でありながら、その授業内容はどこか見覚えがある数式を目にする。


 退屈なのは仕方ないと思ってほしい。異世界に来てまで数式のお勉強だなんて、まるで旅行先で全国チェーン店のお店の食事しか取れなかったような残念感が襲う。


 美味しいんだけど、違うんだよ! みたいな感じ。


 あれほど虚しいことはない。


 だが、隣のアイシアは眉間にシワを寄せてノートと黒板を交互に見ながら難しい顔をしている。


 勉強が得意そうには見えなかったが、本当に苦手とはと困っているアイシアを微笑ましく見てしまった。

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