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冒険者ギルドの依頼人  作者: いかや☆きいろ
一章 冒険者たち
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マリモ:悪魔2

 気がつけば四十話。応援有り難うございます。



 職業スキルには知識スキル(鑑定など)と、戦闘、技能系スキル(剣から風を放ったり薬を合成したり)という女神様が神殿を通して与えてくれるスキルがある。


 そういったスキルをさらに磨いたのが個人スキルである。例えば私の(えだ)で薬注入とかは私にしかできない……わけでもないのだけれど、植物の精霊で薬師の私だからこそできる技である。これを個人スキルと呼ぶ。


 当然誰でも真似もできる。状況が許せばと言う話だが。体の特性が許してさらに修練すればだけど。


 羽がない人類が羽ばたいてもそれだけじゃ空は飛べないような? 無理なことはあるが、例えば騎士スキルで相手を両断するような物があるなら、魔力次第で微塵切りにもできる。方向、膂力、位置付け、魔力最大量、エトセトラ、エトセトラ。個人能力でそれらのスキルは強化できる。


 いや、別に鳥のように翼が無くても魔法で飛ぶとかはできるらしいけど、それは修練をすればね。重要なのは、それでシータさんのような体の使い方はほとんど本来の神様に与えられた職業スキルに関係なく、個人で磨いてきたものであるってこと。つまり経験値。


 なので同じ職業の同じランクでも強さが違うことになるのだ。天職の騎士同士でも、シータさんたちSやA以上に行ける冒険者は、その職業スキルを磨きに磨き、身につけた上で応用した個人の技がすごいのだ。そりゃそうなんだけどね、戦った経験が深い人の方が強いんだ。奥の手も知恵次第で身に付けているわけだね。


 私なんかは、なりたての精霊にして薬師なので、神様にもらった種族で神職という最強の職業ランクではあるのだが、実際に大したことはないのだよね。


 お婆ちゃんのレッスンでようやくこの世界の入り口に立ったくらいである。まあ全く強くないというのはシータさんたちに失礼なのかもしれないけど。でも戦闘能力はガウルさんたちにガチで負けるレベルなんだよね。テレポートがあると言っても戦闘中は派手には動けないし。


 なので、これから私は実戦経験を積まなくてはならないのだ。そうしないと強くなれない。まあ当たり前の話なんだけど自分を守れない。


 薬師だから戦わなくても別にいいんだけどね。私は冒険者ギルドの依頼人だし。身を守るスキルは欲しいけど、守ってもらうのもお仕事というか。それだけは申し訳ないけど働いてもらわないとね。


 そしてそんなことを考えつつ森の奥に来た、私たちはついに上位の敵に遭遇したのだ。グレーターデーモン……。怖いので後ろから援護だ。一番後ろから行きますよ。司令官だしね。


 こいつらグレーターデーモンも作られたばかりなら個人スキルなんて無いも同然。シータさんたちなら負けないはず。私が前に出る必要はない! こそこそするぞ! しっかり後ろからちょっかいかけるさ!


 敵はグレーターデーモン三体か。ガウルさんたちが負けたのと同個体? 別個体召喚されてる可能性もあるんだよね……。


 どちらにしたって注意が必要だろう。後ろからだけど、とりあえず枝で縛ってしまうか。


 んぐ? あっさり私の枝を焼き切られた! 炎の魔術で自分が焼かれないように調整しつつ私の枝が焼かれた! まあ私のハイドリアードのスキルってちょっとチートとは思ってたけど、デーモンも強いぞ!


 そもそもの私の魔力枝はただの魔力の塊なので上回る魔力をぶつけられると簡単に切れる。張力二百五十キロというのは物理的な計算なので魔力が入ってくると計算が狂う。この辺りが魔法世界。つまりデーモンは厄介だ!


「とりあえず妨害を繰り返す。シータさんたちは仕留めて行って」


「了解。というか凄い楽だ! 流石は先生だ」


 またそれか。まあ全力でやる。私は精霊だしね、後ろから立ち回るか魔法として弾丸のように突っ込む。今は彼女たちより安全圏で立ち回ってるのに全力を尽くさない理由がない!!


「くうだあけえちいれええええええ!!」


 なんか後ろから凄い勢いで突破してきた人がいる! ゆずちゃん?!


「マリ姉さんに傷を負わせただと? 死ね。滅びよ」


 ゆっちゃんが来ちゃったーー!!? 何故か私ラブなゆずちゃん……そして私が死んだ後も己を鍛え続け、二度と私を失わないと誓った少女。


 あ、そうか、これが悪魔だ。


 この世界の職業スキルって実はその個人の力としては支えになる程度。個人スキルこそが実力。


 実際に一番重要なのは、個人のスキル。それをファンタジー世界でなければ身に付けられない、そんなルール別に存在してない。やせっぽちやちびだと喧嘩に勝てない、なんてルールは元の世界にも存在していない。


 いたのね、現代社会にも、化け物が。


 その場にいた誰もが理解なんかできなかった。シータさんでさえも。


 ゆずちゃんがグレーターデーモンの一匹の拳にただ、左手の中指で触れた。


 次の瞬間にはデーモンは膝を屈し、ゆずちゃんのグレーターデーモンの首に巻き付けた右腕からこきりと言う音が聞こえたかと思ったら、


 その、この場の全ての人にとって強敵であったはずのグレーターデーモンが一体、息絶えていたんだもの。


 ……うん、ここ魔法世界だけど、現実に、元の世界に魔法が存在しているのは転生して初めて知ることになったね。


「魔法じゃなくて技術! あと料理人スキル!」






 ストック少ないけど一章ラストまではあげようかと思います。明日は病院なので遅くなるかも。



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