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冒険者ギルドの依頼人  作者: いかや☆きいろ
一章 冒険者たち
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マリモ:対峙7

 よろしくお願いします。




 根っこを体の中に通す。抵抗されると通せないけどこれが一番簡単に魔力が抜ける。リリアちゃんという男爵の娘さんに治療を施していく。一応危険性とかも説明した。


「お願いします先生」


「分かった。きっと治す」


 大金貨一枚では大赤字だけどね。まあこの男爵さんが娘さん思いだし、他にメリットもありそうだ。打算だね。あとで困る? その時はさらにこの人にお金を要求するだけだ。実際の必要な料金を提示した上でまけた。その意味が分からないほど馬鹿な貴族はフォレスターにはいないと信じるぞ。……いざとなったら森暮らし。


「抵抗、できるだけしないようにね」


「はい、先生……」


 うん、素直でいい娘さんだ。根っこは簡単に患部に通った。といっても体のあちこちに魔力塊があるんだけど。これに根を通してストレートに流れるようにコントロールしつつ魔力を吸収していく。……うーん、思ったより大変な治療だ。根っこを通せない硬い魔力塊はその場で吸い取っていく。柔らかくなったら根を通す。繰り返し。


 ある程度掃除が済んだら薬を飲ませる。少しずつだ。あらかじめ作っておいたので常世の果実はバレないしなんの薬かも言ってないので治療費安すぎるのもバレないだろう。シータさんにはバレてそうだけどわざわざ説明したりしないだろう。いざとなったら守ってくれそうだし。


 うん、根っこを通したのは正解だった。魔力の流れが思ったより簡単にスムーズになった。数時間はこのままで様子を見ていよう。


 男爵さんに治療の経緯とリリアちゃんの状態を説明する。よく分かってないみたいだったけど経過は良好なのは伝わったようだ。すごく喜んでいる。……変に居丈高な貴族だったらやだなと思ったけどフォレスターの貴族は丸っこい人が多いというのは本当らしい。シータさんの信用もあるんだろうけど。


 そのあと、一旦根っこを引き抜いて様子を見る。うん、流れが綺麗になった。これドリアードじゃなかったらできない治療法だもんね。効果はばつぐんだ。


 また一週間ほどしたら経過を見にくることにしてキタチ男爵の屋敷から出た。貴族街に根っこを伸ばしてデーモンの痕跡を探るけどこちらにはいないっぽい。やっぱりスラムから病を広げるのが手っ取り早いよね。不衛生だし、伝染病の温床になりやすいんだろう。貴族は浄化に聖女派遣したりしてそうだし。


 この大陸には聖女王国あるから聖女もたくさんいるしあちこちに派遣されているらしいし、バーゲンセールじゃないけど安く派遣されるんだろう。聖女バーゲン……すごい語感。シータさんに言ったら笑い転げた。意外と笑い上戸だね。


 シータさんにデーモンの対応を頼むとどうもやはり冒険者ギルドマスターのシカリクさんに依頼されてる件がそのデーモンに対応することだったらしく、ガウルさんたちがやられたことから危険性が高いということで行ってくれることになった。今回は私も行こう。


 というわけでギルドに帰ってきて、依頼を出すことにした。白金貨十枚出すぞ。三億円。何人くらい雇えるかな? まあね、私の専属傷つけてただで済むと思うなよ。


 今回はAランク冒険者の知り合いも欲しかったのでシータさんおすすめのパーティーに参加してもらう。まあ専属になってもらうのは高いから無理だけど、居るなら行ってもらおう。


「青色ハルカというパーティーなんだが、女性中心の実力派なんだ」


「女性だと頼みやすい」


 どうも聖女様がパーティーリーダーらしい。本当にたくさんいるなぁ。まあ実力は高いらしいけど。魔術師主体のパーティーらしい。結界で相手の進行を阻みつつ魔法を撃ちまくる感じ? 魔力回復薬大量に用意しておこう。ガウルさんたちも案内に派遣する。これはギルド側も要請したようだ。他にもBランクパーティーいくつか来てくれることになった。ガウルさんたちの実力も知られてるから早く対応しないとまずいと判断したらしい。シカリクさんも出向くようだ。本格的な狩りになるね。今回は邪神も絡んでるみたいだしね。


 魔人さんはどんな人かな。一応知り合いになった魔人クロックさんにも連絡をとっておく。知り合いかもわからないしね。知り合いなら止めてもらえるかも。邪神サイドなら無理かな?


 しばらくギルドで待っていると青色ハルカのメンバーが集まった。もうすぐに夜になってしまうので打ち合わせだけして今夜は解散する予定だ。


 シカリクさんたちとギルドの会議室に集まる。大規模な依頼になったなぁ。レイドってやつになるんだろうか。青色メンバーはリーダーのハルカさんが青髪青目だ。というかチーム名そのまんまだね。リーダーがチーム名を決めたわけじゃないらしいけど分かりやすい。他には魔女っぽい少女とか剣士らしい人もいる。女性五人のパーティーらしいが後衛主体のパーティーなので私の後ろに控えてもらおう。


 シータさんとはよく協力してダンジョンに挑んだりしているようだ。頼もしいね。青色メンバーと呼ぼう。


 ガウルさんたちが敵の構成や使ってきた能力などの説明をする。


「……っていうわけで、敵はグレーターデーモン三体と魔人が一人、他にはレッサーデーモンが十数体です。レッサーデーモンは召喚されたらまだ増えるかも分かりませんね」


「まあそっちの対応はガウルさんたちにもできるのでしょう? グレーターデーモンの能力は高そうですか?」


「一匹はパワータイプで、他の二匹がそれを補う感じですね。一匹が強力な魔法型、もう一匹が混乱や恐慌を誘うタイプです」


「……なかなかに厄介そうですね。魔人は?」


「その三匹を支援、召喚した模様です」


「まだ増える可能性もあるということですか……」


 ……うーん、すごい危険な相手じゃない? その魔人が厄介そう。私とシータさんで抑えれるかな? 冒険者チームにはデーモンの相手をしてもらって……。魔物もゴブリンとかいるだろうし、本当に大変だな。


 そして私たちは翌日北の森に向かい、ついにデーモンたちと対峙することになる。んだけど、ちょっと強すぎる応援が来たり多すぎる敵が来たり……他にもあったんだけど、大変な一日になった。






 読者めっちゃ増えない。けどたくさん書くしかないか。



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