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花詩集  作者: 葵枝燕
11/37

白妙菊

あなたと過ごす(とし)(つき)

長く長く 重ねて

今 この思いは何だろう


燃えるように火を上げていたこの心は

いつしかその火を失って

残った(しょう)()

白い灰の上を ちらちらと頼りなく

時折赤く照らすだけ


あなたと重ねた(さい)(げつ)

あなたを想う私の心

燃え尽きたように

白く(にご)って 光を失う


もう戻れない

あの頃にはきっと


過ぎた日々のその向こう

あなたを想ってこの心を燃やす私が

きっとそこにいるのなら


あなたを想って 恋い焦がれた私は

きっともう どこにもいないね

シロタエギク(英名:dusty-miller)

キク科セネシオ属の花。別名、ダスティーミラー。一年中、淡黄色や黄色の花を咲かせる。原産地は、地中海沿岸。花言葉は、うすれゆく愛。


 ひさしぶりの『花詩集』更新です。

 今回は、花言葉と、花(というか、葉っていった方がいいのかも)の見た目から書きました。シロタエギクの葉は、白い粉が吹いたような感じの見た目です。そこから、(恋に)燃えていた心がいつしか燃え尽き、残ったのは白い灰だけ――っていうイメージがわきました。だから何かと“火”に関係する言葉が多いんです。

 さて、少し話は変わりますが、嬉しいことがあったんです。実は、やっとさがしていた本が見つかったんですよ。二階の自室にあると思ってたら、一階にあったというしょうもないオチでした。ずっと、「この作品の参考資料にしたい! どこに行ったんだー!!」と、さがしていたのです。というわけで、これで思う存分書けます(多分)。

 次回以降もそして他作品も、不定期でちまちま更新しますが、よろしくお願いしますです。

――――――――――

参考資料

・浜田豊著『花の名前 —由来でわかる 花屋さんの花・身近な花522種—』、婦人生活社、[二〇〇〇年]

・金田初代文、金田洋一郎写真『持ち歩き! 花の事典970種 知りたい花の名前がわかる』、西東社、[二〇一五年]

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