4 養女申請
ガザニア国に着き、アンジュの養女申請をする為に教会へ来ている。
新しいお父さん? パパ?
お父さんより、パパの方が合ってる。それに呼び慣れてるのもあるけど……パパって呼びたい。
パパが申請用紙に『アンジュ・マーガレット』と書いた後、オーウェン教皇様が私の頭・両手・両足に聖水を付けて祈り、申請書にオーウェン教皇様の名をサインし終え。
オ-ウェン教皇様が一歩後ろに下がった瞬間、リンとサン、シャルロー鳥が私の身体に乗り。
私を抱いていたパパと私の間が光り輝いたと同時に可愛い女の子が姿を現した。
「こ、これは……シャルロー鳥!
妖精様と精霊様ではないですか!」
「オーウェン教皇様、国王は既に承知済みです」
「おお、私が生きている時に拝見が出来るとは……。
奇跡だ、アンジュ様……貴女様に幸多からんことを祈っております」
「あーー、あーー!」
「俺達はアンジュから離れたりしないから安心しろよ」
「泣かないで、よしよし」
「妖精様のお声が……。
ありがとうございます、本当にありがとうございます」
オーウェン教皇様は私を大切に抱きしめ、涙を流して喜んでいた。
妖精のリンとサンはオーウェン教皇様の頭を撫でている。
可愛い女の子の姿をした精霊が私の手を優しく握り微笑みながら挨拶をしてくれた。
「可愛いアンジュ。
わたしは風の精霊『シンリー』宜しくね」
「あーー、あーー!」
「アンジュを愛し大切にしてあげて下さい。
この世界に再び祝福を与えます。
幸多からんことを」
シンリーはフワッと消えた。
パパとオーウェン教皇様は放心状態だ。
「マーガレット公爵様、無事申請が出来ました。
こちらを国王様に提出していただければ養女申請は無事終了です」
「オーウェン教皇様、ありがとうございました」
「私の方こそ精霊様と妖精様を拝見させていただいた事を感謝しています。
ありがとうございました。
王宮までお気をつけて」
「あーー、あーー!」
【また教会に来たいな、来ても良いかな?】
「神父さん、アンジュがまた来ても良いですか? って聞いてるよ?」
「っっ!
ええ、ええ。
何時でもいらして下さい」
「あーー、あーー!」
「では失礼します」
オーウェン教皇様は深くお辞儀をして見送ってくれた。
この国ってなんだかヨーロッパ風の建物がいっぱいだ。
人々は……なんというか、外人さんっぽい感じかなぁ?
男性はヴィンテージ風の服に女性はレトロヴィンテージ風なワンピース姿で、男女共に中世ヨーロッパ風のファッションが凄く良い。
夏も服装は変わらないのかな?
もし、夏も長袖にロングスカートだったら……地獄だ。
んっ?
ここが王宮?
……大きい、これまで見たこともない光景が目の前に広がり息を呑んだまま唖然となる。
建物の中は……凄い!
天井が高い、手を上に上げたが見た事もない風景に驚かずにはいられなかった。
「あーー、あーー!」
「オレが確かめてやるって……アンジュ見えるか?」
「あーー、あーー!」
【うん、見えるよ。
サンは優しいね、ありがとう】
「へへへっ、いいってことよ!」
「ほう、妖精……か。
初めて見たな、妖精さんこの世界へ戻って来てくれたことを感謝しています。
ありがとう」
「王様、オレはサン。
アンジュの側にいるのがリンだ。
オレ達はずっとアンジュの側にいるし、風精霊のシンリーがこの世界に祝福をしてたぞ」
王様は身を乗り出すように妖精のサンとリン、マーガレット公爵を見ている。
サンとリン、マーガレット公爵は同時に頷き。
シャルロー鳥は王様の肩に乗ったあと、空へと飛んで行った。
王様にオーウェン教皇様からの養女申請書を渡し、アンジュを王様に見せた。
「リック、私にも抱かせてくれ。
……あぁ……可愛いなぁ。
アンジュ、私の事も《《パパ》》と呼んでくれて良いからな。
あぁーー、娘は可愛くて良いなぁ」
「兄上、アンジュは俺の《《娘》》ですから諦めて下さい。
そして勝手にパパと呼ばせないで下さい」
「あーー、あーー!」
「おぉ、アンジュが今『《《パパ》》』と呼んでくれたぞ」
「パパは俺です。
アンジュは俺に『《《パパ大好き》》』と言ったんですよ」
パパと王様は仲良しさんなんだね。
この人達となら毎日楽しく過ごせそう。
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