31 グリフィンとレッドドラゴン
朝食も終え、私はフェンにガザニアへ帰ることを告げた。フェンは驚きもしていない、寧ろやっと出発かよ! って顔をされた。
「今から息子とリミーの結婚式だ。これを見届けたら即出発だ」
「けっこんしき!! みたい、はやくみにいこう!」
「お前さんといると本当に飽きねえな」
「ほめことばだと、うけとっておくよ」
結婚式は広場の中央で、お互いの鼻をスリスリした後、顔を擦り合わせて終わり。
えっ、これだけ?
「ちかいのキスは? フェン、これって、けっこんしきなの?」
「フェンリルの結婚式だからな。俺達からすれば、番になった時から結婚してるようなもんだからな! さてと、行くか?」
「うん……みなさん、おせわになり、ありがとうございました。また、あそびにきます……それまでおげんきで」
「「「「アンジュ、ありがとう!!」」」」
振り返り、とびきりの笑顔で手を振り、フェンの背に乗って北を目指した。
この北には山間部の崖があり、グリフィンの里がある。まずはその場所を通らないと前に進めない。
フェンの背に乗って1時間くらいたったかな? って時に、上から何かが降ってきた。
ガッガッガッ!!
羽が矢のように地面に刺さっている。
「な、なに? フェン、なにがおきてるの?」
「グリフィンの威嚇だ」
「グリフィンのさとに、ついたの?」
「あぁ、だが歓迎しているようには見えないがな」
三体のグリフィンがいる。目がつり上がってるし。ちょっと、フェンまで威嚇しないでよ!
ここは話し合いで、まずは礼儀として自己紹介を。
私はフェンの背から降り、グリフィンの前まで行き、スカートの両裾を摘んで少しだけ持ち上げ。姿勢を伸ばし会釈をした後、自己紹介をした。
「グリフィンさまがた、おはつに、おめにかかります。
わたくしは、アンジュ・マーガレットこうしゃく、すえのむすめです。
よろしくおねがいいたします」
「…………、ふむ……礼儀はあるようだな。
ここへは何用で立ち寄った?」
「ここをとおらないと、ガザニアへかえれない、からです。おねがいします、とおらせてください!」
頭を下げてお願いをした。すると。
「ガザニアへだったらここを通らないと行けないな。
分かった、今回だけ許可してやる。
あと、通る時はレッドドラゴンに気をつけてくれ」
「わかりました。きょかしていただき、ありがとうございました」
再びフェンの背に乗り、山間部を超えて行こうとしたが、レッドドラゴンが卵を守っているグリフィン目掛けて炎を出そうとしている。
「みずのかべで、てきのこうげきを、ふせげ! 水壁!!」
間一髪間に合った。
「フェン、わたしが、ドラゴンにすきを、つくるから、そのあいだに、グリフィンをおねがい!」
「了解だ。安全な場所まで誘導したら、俺も参戦するからな!」
「うん。リンとルルもひなんしてて」
レッドドラゴンに風魔法をぶつけ、注意をこちらに向けた。
「かぜのやいばで、ドラゴンを、きりさけ! 風刃!!」
レッドドラゴンは大きな声で吠えながら、体を私の方へ向け、火炎攻撃をしてきた。
「みずのかべで、こうげきをふせげ! 水壁!!
こおりのやりで、ドラゴンを、つらぬけ!! 氷槍!!」
氷魔法が当たった部分は皮膚が裂け、痛みでもがき苦しんでいる。
ドラゴンが転がり尻尾が大木に当たるたびに何本も木が倒れ地響きが鳴り響く。
これ以上時間をかけるのは酷だろう。だから、これで終わりにする。
戻って来たフェンに声をかけ。
「フェン!」
「おう、乗りな。落っこちるんじゃねえぞ!」
私はフェンの背に乗り、片手を上げて魔法攻撃を繰り出した。
「ドラゴンを、こおりでかこみ、こうげきし、こおらせよ! 氷渦!!
こおりのきゅうとなり、ドラゴンのからだを、くだけ! 氷大球!!」
どおぉーーーーん!!
っと、大きな音と共にレッドドラゴンの体は粉々に散らばった。
黒い穢れだ……体に吸収して。うん、これでよし。
「フェン? みんなはあんぜんな、ばしょにいる?」
「大丈夫だ。みんな無事だ」
「よかった」
フェンの背に乗りグリフィンの里へ行こうとした時だった。
「待ってくれ!!」
「面白かった!」
「続きが気になる!」
「早く読みたい!」
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