心のささくれ～大人にはいろんな事情があるんだよね～

　これ以前、書いたことのあるお話ですけど改めて書いております。

　裏路地で酒屋の前にある自販機に缶ジュースを補充していた時のことです。

　物凄い剣幕で老夫婦が言い争っているではありませんか。

　・・・一方的に、男性が怒っていて、ステッキで女性を叩こうとしています。

　この空間には、私と老夫婦しかいません。

　正直、関わりたくないなあと思いつつも、なんとかしなくちゃと、なけなしの勇気と正義を振り絞り、

「やめてください」

　と間に割って入りました。

　男性を押さえても、なおステッキを振り回そうとします。

　のち、大将が出てきたことで、男性は女性を叩くのをやめ、罵声をあげながら去って行きました。

「・・・あの」

「なんで、関わった？危ないよ」

　と、冷たい一言。

　私は思いもよらない大将の言葉に、え、なんでと憤りを感じました。

(いいことしたんじゃないの？なにがいけないの？)

　後々、考えてみるとそうだよなあ(※双方にもしも何かあった時。老夫婦はこの界隈じゃいつもこんな感じだった？)と思うのですが、あの時はずっと？がついていました。