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有能なメイドは安らかに死にたい  作者: 鳥柄ささみ
6章【外交編・ブライエ国】

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27 陽動

「ここがジャンスか……」


クエリーシェルが思わず感嘆する。無理もない、私も最初見たときはあまりの大きさに驚いたのだから。


大きな壁にぐるりと囲まれた都市は、傍目から見て圧巻としか言わざるを得ない。


そしてその都市の周りにはぐるっと城壁を囲むように帝国兵が配置されている。まだ動きはないが、あちらもこちらに気づいていることだろう。


恐らくだが、中にはモットー国の兵がいるはずだ。国柄、近接格闘のが得意なため、遠距離は帝国兵、近距離はモットー国兵と役割分担はしているだろう。


帝国兵自体は恐らくそこまで人数はいないはずだ。先程の配置人数から考えてもだいぶ少ない印象である。


そもそもここに送り込まれた帝国兵がいかほどかは分からないが、先程の質的にもだいぶ見劣りするところを見るとブライエ国をだいぶ侮っているのか、はたまたモットー国の力を過信しているのか。


(このまま順調に行けばいいけど)


「はい。モットー国の主要都市第2位だそうです」

「交易の都市か、なるほど。実際に見てみると圧倒されるな」

「[ほら、そこの2人。ぼんやりしてないで、こっちに来い!]」


ジャンスに圧倒されているクエリーシェルは呼ばれてハッと我に返る。

言葉を全て理解はしてないようだが、ある程度ブライエ国語は理解できるようになってきたらしい。

彼はすぐにシオンの元へ行き、私もそれに続いた。


「[ここから、2手に別れる。おれたちは全員引き連れ正面から、ヴァンデッダ卿とステラは別口から行ってくれ]」

「[わかったわ。壁の周りは特に気をつけて。女子供でも容赦なく向かってくると思うから]」

「[あぁ、それは気をつける。……厄介だがな]」

「[えぇ、最悪女子供を手にかけることになるかも]」

「[胸糞悪いが仕方ない]」


シオンの顔が曇る。女子供も立ち向かってくるというのはそれほどイレギュラーなことであった。


(こんな国に、どうしてしてしまったのか)


師匠が知ったらきっと嘆くだろうと、私はギリギリと奥歯を噛む。平和な交易の国であったのに。ただ国の平穏だけを師匠は望んでいたというのに。


(国民が犠牲になるなど、あってはならない。そんな国なんて、誰も望まない)


国を治めていた者の娘として、国を変えねばならない、とまっすぐジャンスを見つめた。


「[まずは陽動で先程のように矢をあるだけ射ってもらうようにしよう]」

「[えぇ、私達が侵入できるように盛大に暴れてちょうだい]」

「[もちろんだ!おれはブライエ国の第二皇子であり、シグバールの息子だからな。好き勝手やらせてもらう]」


シオンの瞳がいつになく滾っているのがわかる。元々血の気が多く、争いを好む人達だ。普段暴れられないぶん、大暴れしてくれるkpとだろう。


「私達はその隙に壁から侵入します」

「わかった。内部の案内はお願いすることになるが、くれぐれも私から離れるなよ」

「はい」

「[話し合いは終了か?であれば、行くぞ!このまま全軍、進めぇぇぇぇ!!!]」


シオンの掛け声と共に地鳴りのように、うぉぉぉぉぉぉ!!!!というみんなの声が響く。相変わらずの士気の高まり方は異様で、味方でよかったと思うと共に、彼らの無事を祈った。


無数の矢が飛んでくる。先程の比じゃない量のそれは、見るものによっては怖気づくほどだったが、さすがのブライエ兵達は気おくれすることなく立ち向かっていった。


「我々もタイミングを見て行くぞ」

「はい!」


目の前で繰り広げられる乱戦を見ながら、私達はぐるりと迂回しつつ先日ギルデルに逃がしてもらった場所へと向かうのだった。

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