24話
翌日、冒険者ギルドの前を通りかかると、冒険者が集まって何やら話しているようだった。
俺は一旦ギルドの中に入り、受付嬢に状況を聞いてみる。
「あら、いらっしゃい。」
――受付嬢の決まり文句なのだろうか。
「外で冒険者たちが集まっていたが、何かあったのか?」
「ええ。どうやら盗賊団の大集落が何者かによって討伐されたようなんです。斥候からは、どうやら少し前から盗賊団と傭兵との争いがあったと聞いています。」
やはり、そのあたりの情報は仕入れているらしい。
「それで、冒険者による討伐はどうするんだ?」
「ギルドとしては討伐隊を派遣する前に、いくつかの冒険者のパーティーに盗賊団の様子を見てきてもらうつもりです。」
「ポーターとしての仕事は必要か?」
ゴブリンの死体を検分するために回収する必要があるかもしれない。
「そうですね・・・。今のところ予定はされていませんが、冒険者に確認してみます。」
しばらくギルドの隅で受付嬢からの連絡を待っていると、知った声がギルドの受付から聞こえてきた。
「ええ!既に討伐された!?」
この特徴的な大きな声はロロだろう。
「ロロ、声が大きいわ」
アンナがロロをたしなめる。
「そうです。ギルドとしては先遣隊を送ろうと思っています。アンナさんたちは参加されますか?」
「そうね。どうしようかしら?」
そう言ってアンナは他のパーティーメンバーに聞く。
「いいんじゃないかな?もう討伐されているなら危険も少なそうだし?」
カトリーナが答える。
「そうね。盗賊団の中にゴブリンがいたというのも気になるわ。」
サリアが珍しく積極的だ。
「ポーターは必要ですか?今回のパーティーにポーターを希望されている方があちらでお待ちです。」
こちらを見た遥かな風の面々に爽やかに手を振ってやる。
「テラさんがいらっしゃるということは・・・」
マリアは少し戸惑っている様子だ。
「・・・また面倒なことになりそうね。」
アンナが大きくため息をつくのだった。
―私たちはテラという不思議な男と仕事を行ったことがある。
この男は、あえて特徴を言うとすれば、ある程度は戦うことができるポーターというものにすぎない。
遥かな風は女だけで構成されている、今や金級の冒険者だ。
女性にモテるロロ以外は、男性からの人気も高い。
カトリーナやサリアは見た目も悪くなく、冒険者でもかなりモテる方だ。
マリアやパーティーリーダーをしている自分だってそれなりに声がかかる。
だというのに、この男は、飄々としており、自分たちに何の感情も抱いていないように見える。
いや、むしろ遥かな風を都合の良い金づるだ、くらいには思っているのかもしれない。
ミステリアスな男とは完全に真逆ではあるが、何を考えているのかよく分からない男というのが、パーティーの共通認識だった。




