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安宿暮らしの大魔王。~転移した大魔王は異世界を自由に楽しみます~   作者: ねこまじん
1部 3章 王都にて遭遇するものは~その1
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11話

 翌日、俺は朝早く起きた。

 安宿のホールで、追加で銅貨をいくらか払い、朝食を食べた。


 朝食後はしばらく部屋でゆっくりし、日時計がほどよい時間を示したところで、俺は図書館に向かうことにした。





 ギルドカードを見せ、大銅貨1枚の入館料を支払う。

 入館料に応じて入ることができる場所が異なるらしい。大銅貨1枚でも一般向けの本を閲覧することはできるようだ。


 ――やはり広い。本がぎっしり詰まった本棚がおびただしくある。


 これだけの広さだ。魔物の本くらいはどこかにあるだろう。


 「すまない、魔物の本を探しているのだが。」

 俺は受付にいる司書のような人に声をかける。


 「魔物の本ですね。案内しますよ。」

 俺はその司書について行く。


 「こちらになります。」

 見ると、魔物に関する本が、縦に並ぶ複数の棚があり、その一帯が魔物に関連する本のようだった。


 「ああ。ありがとう。」


 俺は一通り、棚の本をざっと見てみる。さて、どの本を読むのがいいのやら。

 【魔物図鑑大全】という大きな本を手にとってみる。

 辞書みたいに分厚いが、中には魔物の手書きの絵と、その概説が書かれてあった。


 なになに?


 ――魔物と魔族の区別の仕方として、言語を話すかどうかという違いがある。魔物は言語を話さず、魔族は言語を話す。


 ふむふむ。確かに、言語を話す魔物は見たことがない気がするな?


 棚を見ると、【ゴブリン図鑑】や、【オークの肉】、【もしもオーガに遭遇したら】

 といったように、それぞれの魔物の種類に焦点を当てた本も存在した。


 ―オークの肉?


 おっと。気がそれたようだ。

 今は【魔物図鑑大全】を読んで、あの魔物について調べることが最も重要である。


 さて。どんな魔物か。俺はさっそくスライムの章を開く。


 どれどれ。まずはスライム。やはりあんな水たまりのような魔物ではない。

 ホーリースライム。これは聖光属性のスライムだが、神殿や神殿跡などに生息する。これも色と形が全く異なる。

 ダークスライム。これは闇属性のスライムだが、形が全く異なる。瘴気を発する魔物でもない。

 メタルスライム。倒すと何やら経験値が多く得ることができそうなスライムである。だが悲しいかな、そういった記述は書かれていない。


 ―やはりスライムではないのかもしれない。


 図鑑の中には、絵が存在せず、形の描写と特徴の記載だけのものも数多くあった。

 この本を読むだけでも一苦労(ひとくろう)だぜ、こりゃ。


 ずっと同じ本を読んでいるのも飽きてきたので、竜のページをめくる。


 ででーん、とでっかい絵にそれなりの分量の記述。この世界にも様々な竜が存在するようであった。

 竜は人間属の守り神のような立ち位置から、魔族と手を結ぶ竜まで様々である。


 以前の世界では、聖女の守り手として生きていた白いドラゴンがいた。

 

 ――こいつは非常に強力でかなりやっかいな相手だった。


 

 そして、当然ながら、竜の章には、黒く瘴気を発する水たまりのような魔物の記述はなかった。

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