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安宿暮らしの大魔王。~転移した大魔王は異世界を自由に楽しみます~   作者: ねこまじん
1部 3章 王都にて遭遇するものは~その1
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7話

 4日ほどして、昼頃、王都に着いた。

 今回も特に襲撃などがあるわけでもなく、のんびりとした旅路であった。


 「広い・・・」

 思わず口をついたが、ベルフェンの街よりも更に大きな都であった。


 ちなみに、乗り合い馬車を利用する場合でも、門番の前でギルドカードなどを提示する必要がある。


 王都は、一般区画、商業区画、統治区画といった具合にその機能ごとに区画整理がされている。

 分厚い無骨(ぶこつ)な外壁の内側に更に、堅牢な中壁がある。その内部は貴族たちが住まう区画になり、そこにまた白く彩られた内壁があり、中心に荘厳にそびえ立つ王城がある。そんな風になっているらしい。


 ――レオネリア王国。

 それが、今俺のいる国の名前のようだ。


 ベルフェンのギルドのおばちゃんの話では、デュエイの金鉱脈は、馬車でここから更に2日ほど南へ行ったところにあるようだ。


 とりあえず、採掘師ギルドを探そう。


 あてもなく歩いていると、とてとて、と可愛らしい女の子が寄ってくる。

 随分と小さい。年のころは5,6歳か?


 「お花、お花はいかが?」

 可愛らしく声をかけてくる。


 「む・・・いくらだ?」


 「ぎんか1まい!」

 元気な声で女の子は答える。


 ―ぼったくりじゃねえか!


 「カワイ子ちゃん、ママかパパはどこかな?」


 「え~、いないよぉ?」

 目を逸らしながら女の子は答える。


 ―んなわけあるかい!

 ちらっと袋の中を見ると、リアリトアの金貨が見えてしまった。

 確かに、彼女であれば、にっこり微笑んで銀貨1枚を簡単に手渡すだろう。


 ―おお、神よ、この私に、銀貨を支払えというのですか。

 「分かった。銀貨1枚な。」


 「あんがと!」

 そう言って、その子は。てとてとと、母親らしき人の元へ走る。

 その女性は、俺にお辞儀をして去っていった。


 ―はあ。しかし、どこにあるのか採掘師ギルド。


 そのまま少し歩いた先に。


 ――なぜかかすかに瘴気が溜まっている場所を見つけた。


 大通りの道の端。少し日陰になったあたり。


 「何だこりゃ?何かの痕跡・・・?」

 魔道具か何かが使用されたのかもしれない。そんな魔道具があるかどうかは知らないが。


 一旦(いったん)、放置しておいて問題ない程度の量ではある。

 そのまま素通りし、かすかな瘴気溜まりを通り過ぎることにする。


 少しさっきの子どもが気になった。


 そして、何度か人に聞きながら、ようやく採掘師ギルドにたどり着くことができた。


 「こんちわーっす。」

  採掘師ギルドに入る場合、何にも緊張することがないというのは素晴らしいと思う。

 どこもよく似た作りで、よく似た人間がいて、同じような雰囲気である。

 俺にとってとても好ましいことである。


 「いらっしゃい。」

 なぜかは知らないが、採掘師ギルドの受付は恰幅のよいおばちゃんが多い。


 一方、冒険者ギルドの受付は綺麗なお嬢さんが多い。

 採用基準などもギルドによって異なるのかもしれない。


 「デュエイ金鉱に行くにはどうしたらいい?」


 「ああ、金鉱ね、丁度今道は閉鎖されているよ。」


 「え、何で?」

 せっかくここまで来たのに?


 「先週、道中で商隊が盗賊に襲われて全滅さ。今冒険者ギルドが討伐を募っているところさ。」


 「・・・まじ?」


 「まじもまじさ。」


 「この辺りで他に採掘できる場所はないか?」


 「ちょうど、ベルフェンの街まで馬車が出てるよ!金は採掘できないけどねぇ。」


 「そのベルフェンから来たんだ。」


 「おや、それじゃあ、ミネアの街まで行くかい?」


 「ミネアの街は何が採れるんだ?」


 「そりゃ、ミネア鉱山といえば、銅山さ。」


 ――何だか先ほどの瘴気溜まりが気になる。

 決して銅山と聞いてモチベーションが低くなったわけではない。


 一旦(いったん)、採掘ではなく、瘴気の調査を行うのが先か?


 ふーむ。


 念のため聖水を購入しておきたいが、今神殿に行くのはあまり気が進まない。どうするか。

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