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1話
――人通りもほとんどない夜更けごろ。
ソレが住み着くのは地下下水道である。獲物を求めて、辺りを徘徊する。
何かを見つけたようだ。今宵のエサは酔っぱらい。
―なんだ、男の肉か。男は美味くない。だが、何も食わないわけにもいかない。
ソレはゆっくりと排水溝から這い上がる。
酔っぱらいは呑気に道を歩いている。せめて走って逃げていれば、あるいはその悲劇は避けられたかもしれない。
「・・・あん?」
何かの音を聞いて、男は振り返る。
そこで見た者は、得体のしれない不気味な黒く大きな水たまり。次の瞬間、それは男に襲い掛かる。
「うごごごごご!」
男の口から鼻から中にぬるりと滑り込む!
そうして、ソレはその男の肉を食らいつくすのだった。




