6話
部屋に差し込む眩しい朝の日の光で目を覚ました。
どうやら明け方に少しは眠ることができたたようだが、まだ眠い。
「ふんっ」
と俺は起きて、コーヒーを取りに行く。
すると、すぐベッドのすぐ近くにあるテーブルでは、すでに女が座ってミルクを飲んでいた。
どうやら自分で温めたらしい。
―非常に声をかけづらいが、
「起きていたのか。」
昨夜のことは気にするべきではない。
「・・・リアリトア。」
ちゃんと名前を呼んでくれということか。
「分かった。俺はテラという。それじゃ、リアリトア。君はどこから来たんだ? 」
「・・・神殿よ。」
「よし、それなら昼ごろにベルフェンの街まで送ってやるよ。」
男なら、それくらいは気を使って然るべきか。
「・・・うん」
そう言って俺はコーヒーをカップに注ぐ。
―――朝ののんびりとした時間が流れていく。
しかし、リアリトアの表情はどことなく浮かない様子だ。
「ねえ、普段何の仕事をしているの? 」
「採掘師だ。」
「――そう。ねえ、依頼を出すときは採掘ギルドに行けばいい? 」
「依頼って、女が採掘師に依頼するようなことが? 」
「そんなの分かんないじゃない。」
「何の依頼かは知らんが、採掘ギルドに頼めば、そのうち俺に届く。」
「・・・そう。」
その後、俺はリアリトアを連れて、ベルフェンの街まで来ていた。
しばらく一緒に歩いたが、道中、彼女はほとんど喋らずにいた。
「着いたぞ。俺は、採掘ギルドに用があるから、神殿までは一人で行けるな? 」
「・・・」
あーもう、分かった!
「分かった!神殿まで付いていってやるから!」
まったく、保護者じゃないんだから。
そして、ベルフェンの街の神殿前まで着くと。
彼女のことはとても気になるが、やはり彼女は神殿に戻るべきだろう。
「じゃあな。俺はギルドに行くから。」
そう言って俺は彼女を神殿にまで送り届けるのだった。
―どうしよう。彼は行ってしまった。
「あら、神殿に何か御用? 」
神官のお姉さんが私に声をかけてくる。
今の私の服はテラに貸してもらった、質素な服装。
聖騎士の服は荷物に入れてある。今の姿では、誰も私が聖騎士だと気が付くことはないはずだ。
「お祈りかしら??少し待ってもらえる? ごめんね、今少しバタバタしてて。そこで待っていて頂戴ね。」
そう言うと、その人は他の人を呼びに行ったようだった。
「っっ!」
私は怖くなって逃げた。そうして気が付いたときには、結局、あの家まで戻ってきていた。
――奇妙な出来事を乗り切った!
普通の村娘ならいざ知らず、いきなり聖騎士様はレベルが高すぎるんだぜ。
しかし、流れとはいえ、家、作っちまったからな。
もしかすると、まだあの家は使うかもしれない。ホーンラビットの肉など、まだ十分に家に食糧はある。
だが、念のため、特に野菜などはもう少し買い出しをしておいた方がよいかもしれない。
ひとまずはゴラムでのポーターの仕事の報告をギルドにした方がよいだろう。
寂しさを紛らわせるためにも、俺はベルフェンの街でやらなくてはならないことを考え、まずは採掘ギルドに出かけることにする。
採掘ギルドに到着し、その扉を開け、中に足を踏み入れる。
ベルフェンの採掘ギルドの中はいつもと変わらない様子だ。
「おーい。少し報告があるんだが。」
「おや、どうしたんだい? 」
「あー、おばちゃん、実はな、ゴラムのダンジョンに潜っていてな。そう、遥かな風というメンバーだな、そいつらとポーターとしてダンジョンに潜っていたんだが。転移魔法陣か、何かの罠にかかってこっちに飛ばされたんだ。」
「おやまあ、災難だったね。」
「そこでだ。そのパーティーが無事なのか知りたい。それに俺の無事も伝えたいんだが、どうすりゃいい? 」
「冒険者ギルドに行ってきなさいな。採掘ギルドから冒険者に派遣されたポーターでも、管理するのは冒険者ギルドさ。」
「了解した。」
そこで、冒険者ギルドに向かうことにする。
冒険者ギルドの扉を開けると、冒険者ギルドの方も、やはり普段と変りない賑わいを見せている。
「いらっしゃい。あら、今日はどんなご用かしら? 」
――かくかくしかじか。
「それは災難でしたね。少々お待ちください。」
と、受付嬢はカウンターの奥へ行き、そして戻ってくる。
「遥かな風のメンバーは全員無事です。今はまだゴラムの町にいるそうですよ。テラさんの無事を伝えておきますね。」
「俺の稼ぎの方はどうなる? 」
「確認しておきます。」
「頼んだよ。」
要件を伝え、ベルフェンの冒険者ギルドを出る。
その後、市場で野菜を買い求め、購入した野菜を布の袋に放り込み、粗末な我が家に帰るのだった。




