表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/66

15話

 「あなたは採掘師? 今までどんな敵と戦ったことあるの? 」

 最初に質問するのは、リーダーのアンナのようだ。


 「イモムシオバケやゴブリン、それにオークだな。」


 「カラタン山を越えたの? 」


 「いや、オークの方がゴブリンの森までやって来ていたのさ。」


 「なるほど・・・。今までダンジョンに潜ったことは? 」


 「いや、ないな。」


 「そう。対人戦の経験は? 」


 「盗賊と戦ったことはある。といっても倒したのは冒険者の魔法だが。俺は詠唱の時間を稼いだにすぎない。」


 「そう。でも十分ね。」


 「ダンジョンにも盗賊が出るのか? 」


 「可能性としてなくはないわ。もし盗賊が出たら、悪いけど、しばらくは自分の身は自分で守ってもらう必要があるわ。」


 「技能や魔法はもってないの? 」

 今度はカトリーナが質問する。


 「筋肉魔法が使える。あとはポーション中毒にならない。」


 「筋肉魔法? ストレングスのこと? 」

 再びアンナが訊ねてくる。


 「ああ、ストレングスも使える。」


 「それ以外にもあるの? 」


 「ああ。マッスルパワーとパワーアップだ。」


 「・・・何それ? 全部筋力向上のパフをかけるの? 」

 アンナが不思議そうな顔をする。


 「そうだ。」


 「どう思う? サリア」


 「おそらくは採掘師をやっている間に身に着ける魔法なのかしら。私たちはあまり筋力をトレーニングすることがないから、詳しくは分からないわ・・・。」


 「ポーション中毒にならないの、いいね。」

 カトリーナがそう言う。


 「ああ。大抵はポーションを飲んでおけば何とかなるからな。」


 「・・・ところでよ、にいちゃんよ。俺と手合わせしないか? 」

 ロロが楽しげに気に口を開いた。


 「ダメよ!大事なポーターに怪我させちゃうわ!」

 アンナが慌てるようにして言う。


 「ええ~、でもよ、にいちゃん、俺と同じストレングスが使えるんだろ。」


 「ダメよ。冒険者と採掘師とじゃ使える技能や魔法に差があるわ。」


 「ちぇっ」


 「あたしがやろっか? 多分そんなには怪我させないはずだよ!」

 カトリーナが元気な声でそう言う。


 「そうねえ。でもテラに悪いわ。」

 アンナがどうする? といった表情でこちらを見る。


 俺はため息をつく。

 「・・・分かった。冒険者は血の気が多い人間が多いようだ。次のギルドの面談の後でよいか? 」


 「ええ。面談の結果は問題ないわ。ギルドでまた会いましょう。」





 3日後。冒険者ギルド地下訓練場にて。


 冒険者ギルドの地下には、模擬戦などを行う訓練用の施設がある。


 決してカトリーナは体格が大きいなどといったことはない。そして、アルたちと同じくらいの年齢に見える。


 しかし、相手は、俺なんぞとは違って、腕の立つ冒険者であるようだ。手ごわいことは間違いないだろう。


 ―だが!今はこんなでも元は最強だったはずなのだ。まだまだ負けんぞ!

 と無駄に気合を入れる。


 この経験は、冒険者相手に戦ったことのない俺には、冒険者の実力を体感することのできるチャンスでもあるのだ。



 俺は模造刀を手に取る。


 「準備はいい? 」

 カトリーナはそう言う。


 「ああ。」


 決闘などとは違って立会人はいない。

 だが、「遥かな風」以外に、ちらほらと、冒険者だろうか、見物人がいる。


 「じゃあ、いくよ。」


 ぽーん、ぽーん、とこちらに飛び跳ねてくるカトリーナ。


 ―来るなら来いやぁ、ごらぁ。


 ―――と。

 凄い速さで木の小刀を繰り出してきた!


 「っっっ!!」


 慌ててカトリーナの放つ小刀に何とか剣を合わせる。


 一撃を放ち、すぐさまカトリーナはその場から離れる。


 「・・・へえ。」

 何かの技能だろうか? 今の一撃はとても小柄な女性の一撃とは思えなかった。


 「ストレングス!マッスルパワー!パワーアップ!」


 「もう一度、いくね!」


 またも、ぽーん、ぽーん、と飛び跳ねてきて、凄い速さで剣を振ってくる!


 「おりゃあ!」

 俺はまたしても何とかカトリーナの小刀に剣を合わせる。


 するとどうだろう?

 カトリーナはその場でクルッと回り、肩を目掛けて蹴りを入れてきた!!


 ―腕!ガード!!!


 ボキィ

 ―オーマイガッ


 腕がイカレやがった。

 あれをあと一撃食らうわけにはいかない。もしロロとやっていれば、きっとトアレの遺跡までひとっとびだったな。


 「テラ!」

 思わず、アンナが叫ぶ。

 パーティーリーダーからしたら、ポーターを怪我させて何をやっているのかという話だろう。


 「ふっ。大丈夫だ、問題ない。」


 ―ポーションさえあればな。

 俺はおもむろにポーションを取り出す。そしてそれを飲む。


 「・・・さあ、今度はこちらから行くぞ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ