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13話

 翌日の朝、ゴラムに到着した。ようやく着いたぞ、ゴラム。


 ゴラムは一言でいえば、荒野の中にある、城壁に覆われた町。まるで要塞みたいに見える。

 ベルフェンの街ほど大きくはないが、それでもそれなりに大きい町であると思う。


 到着後、俺はさっそく採掘ギルドに向かうことにする。



 ゴラムの町の採掘ギルドは、他の建物と同様、土壁(つちかべ)に覆われた建物であり、どっしりとした印象を受ける。

 これは採掘ギルドに限らず、このゴラムの建物はそのほとんどが土壁からできており、どことなく重厚感を感じさせるものだった。

 

 ガラン、と扉を開け、いつものようにギルド職員に話しかけてみる。


 「ベルフェンの街から仕事を受けにきた。」


 「ああ、ギルドカードを見せてくれ」


 俺は銅のギルドカードを見せる。


 「オーケー。それでは仕事の説明を始める。ここに来るのは始めてか? 」


 「ああ。」


 「ここは、知っての通り、ゴラムだ。町の西出口から出たところに採掘場がある。露天掘りだが、安全には注意しろよ。」


 「というと? 」


 「ここではワームが出る。」


 「イモムシオバケみないなやつか? 」


 「トアレ山の。ああ、そうだな。大きさはそれくらいだ。だがイモムシオバケよりかははるかにやっかいだぞ。必ず複数人と討伐するように。」


 「そうするよ。」


 「・・・おまえ、戦闘経験は十分にあるか? 」


 「それなりにな。ゴブリンやオークとも戦ったことあるぜ。」


 「ほほう、それなら、ポーターも出来そうだな。」


 「ポーター? 」


 「ああ。採掘場からさらに西へ抜けたところにちょっとしたダンジョンがある。冒険者どもの狩場だが、その荷物持ちをやるのさ。」


 「ポーターか。儲かるのか? 」


 「どんな冒険者と組むか次第だ。」


 「なるほどな。ポーターをやるにはどうすればいい? 」


 「まずは、冒険者ギルドに行きな。そして採掘ギルドのこのギルドカードを見せるんだ。ある程度は戦闘力のあることを採掘ギルドが保証する。」


 といって、ギルドのおっちゃんが銀のギルドカードを渡してくる。


 ―これは!


 「・・・俺は銀級採掘師ということでよいのか? 」


 「そういうこった。」


 「そいつはありがてぇ。しかし、採掘ギルドのギルドランクはどうなってんだ? 」


 「まずは採掘ができることが銅級の条件だ。次にポーター。これができると銀級。そして、金級の採掘師はミスリルの採掘ができることが条件だ。」


 「ミスリル? 」


 「ああ。ミスリルの採掘には魔力が必要なんだよ。」


 「・・・筋力魔法か? 」


 「ストレングスのことか? いや、それとは違う。採掘する際に繊細にツルハシに魔力を流しながら掘るんだよ。」


 ミスリル鉱石は魔力を流しやすく、その特性を利用して、採掘するらしい。

 



 ゴラム採掘場に来た以上は、ゴラム採掘場でしばらく働く。


 「新入り!こっちだ。こっちを採掘しろ!」


 「新入り、いい筋肉してんな!」


 「新入り、そろそろ飯にするぞ。」


 「新入り!今日夜は酒だ!酒場に行くぞ!!!」


 ―筋肉を褒められたぞ?

 ちなみにその日、ワームは出なかった。



 ゴラム採掘場でとれるものは、鉄や銀といった金属とは異なる種類の金属らしい。その辺りは錬金術師が詳しいのかもしれない。俺たち採掘師は採掘あるのみである。


 その日の夜は他の採掘師どもと酒を飲んで、ゴラムの安宿で寝た。




 翌日の朝。俺はゴラムの町の冒険者ギルドにいた。


 「ポーターの募集をしていないか? 」


 「ポーターですか? 少し待ってくださいね。」 

 受付嬢がそう言う。


 「少し先の時期になりますが、10日後にダンジョン探索が予定されていますね。そこのパーティーがポーターを募集しているようです。」


 「参加するにはどうすればいい? 」


 「こちらの申し込み用紙に記入して、後はパーティーメンバーと面談してください。」


 俺は申し込み用紙に記入し、そこのパーティー名を見ると、そこには、「遥かな風」と書かれていた。

 ちなみに、採掘師がポーターをする場合には銀級採掘師であることが必要だが、冒険者はどの階級からでもポーターをすることができるらしい。


 「それでは面談の調整をしますね。いつご希望ですか? 」


 「それでは5日後などでどうだ? 」


 「もう少し早い方がいいですね。3日後はいかがです? 」


 「分かった。」


 「承知しました。それでは遥かな風のリーダー、アンナさんに知らせておきますね。」


 「ああ、頼むよ。」

 



 その日は特に何もすることなく、ゴラムの町をぶらぶらしてみることにした。


 ベルフィンの街は多くの人で賑わっており、1人で喫茶店〔この世界にもあるようだ〕に入ろうなどとは思わなかった。


 しかし、ゴラムの町の店はいい感じに空いており、1人で問題なく入ることができる。



 俺は、途中で見つけた喫茶店に入ってみることにする。

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