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【連載版】本格異世界グルメ ~チートを断って異世界転生してみたら本格中世の村で俺のグルメ無双がヤバイ~  作者: 川獺右端


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第36話 ケルシャ漬けが漬かった

 二日たった。

 この二日間、ビクビクしながら練習用短剣を腰に吊して領館に出勤していたが、とくに荒くれ者は現れなかった。

 静かな物だったね。


 メインキッチンの人達とも一層仲良しになって職場環境が良い感じに改善されたな。

 フリッツさまは、まだキッチンに復帰してこない。

 来ないままで追放かもしれないね。


「リュージさん、お嬢様がね、吹き出物が治って調子が良くなったって、感謝してたわよ」

「あ、それは何よりです、けど、スダラサラダのせいでは無いと思いますよ」

「何言ってるの、リュージさんが来てからお嬢様は痩せてきて、肌も綺麗になって、きっとリュージさんのスダラサラダは美容に良いのよ」

「そ、そうだったら嬉しいですね」


 配膳メイドさんは嬉しそうにそう言うが、メインキッチンの料理人はみんな「粉だな、謎の粉のせい」と内心思っていたのであるな。

 吹き出物はたぶん、あの粉のせいだろう。

 きっと長い期間をかけて体調を悪くする薬なんだろうな。

 フリッツさまが戻る事はもうなさそうだ、という感じで、さらにメインキッチンの空気は良くなった。


 さて、次の日は休日であった。

 母ちゃんが隠してあったケルシャの壺を出して貰った。

 どうかな、腐って無いだろうな。


 蓋を開けるとケルシャはくたくたになって、なんだか良い匂いがした。

 お、キムチっぽい匂いだな。


「おおおお、兄ちゃん漬物出来たか」

「うん、良さそうだ、もうちょっと浅漬けでも良いかな」

「兄ちゃん、母ちゃん、食べよう食べよう」


 ピカリは試食が好きだよなあ。


「なかなか良く漬かってるね、ちょっと塩が少ないんじゃないかい?」

「ああ、塩辛いやつじゃなくて、ケルシャの味を楽しむ漬物だからな」


 小皿にケルシャ漬けを切って出した。


「いただきまー、うまいーっ!!」

「お前は、もっと味わってからな……、お、これはなかなか」

「あら、塩辛く無いね、なかなかオツな味じゃないかい」


 ケルシャは丁度、キャベツと白菜の中間みたいな野菜で、独特の甘みがある。

 塩漬けにすることで、その甘みが際立って美味しいな。

 キムチの唐辛子が無いバージョンというか、そんな感じ。


「うまうま、おかわりっ!」

「むちゃ食いすんな」


 俺はピカリの皿におかわりを入れて、母ちゃんの皿にも入れた。


「しょっぱくない漬物は美味しい」

「そうだね、これは美味しいね」

「とはいえ、塩を結構使うからなあ、領館なら良いが、村だと厳しいな」

「これだけ美味しければお祭りに出せるよ、リュージ」

「そうだね、お祭りに出すか」

「今年の秋祭りは兄ちゃんのスダラマッシュとマヨネーズ、ケルシャ漬けで決まりだなっ」

「そうなるかな」

「なるなる、調理の偉人が兄ちゃんだ!」


 よせやい、ピカリめっ。


 お祭りのご馳走は、日頃の食事と違って高価な塩とか肉とかが豊富に出る。

 年に二回の大盤振る舞いの日なんだな。


 ちなみに、村祭りは秋、領館祭りが夏にある。

 領館祭りもご馳走が出て、領館の庭を開放して三郷六村の庶民が集まって大騒ぎをする行事だ。

 今年の俺は領館側として、みんなをもてなす方なんだな。

 まあ、それでもスダラマッシュとマヨネーズを死ぬほど作らされる気がするけどね。

 でも、領館の人、御領主様、お嬢様は気に入っているから美味しい物を作って食べて貰いたいね。

 このままフリッツさまが居なくなれば良いんだが。


 ケルシャ漬けは、半分を晩ご飯に出して家族中から絶賛された。

 残りの半分はピカリが狙っていたが、領館に持って行って、家令さんとボフダナさんに食べて貰って生産の許可を取るのだ。

 家族の受けを見ると、多分許可は出そうだけど、食べ物は好き嫌いがあるからね、酸っぱい葉物漬物はどう受け取られるかな。


「兄ちゃん、ケルシャの漬物をまた作ってくれ~」

「あはは、またな」

「なんだか、あとひくんじゃ~」


 そうかそうか、お嬢様の舌はピカリに似てるから、お嬢様も気に入るかもな。


 練習用短剣とケルシャの壺を腰に付けて領館に出勤である。

 だんだん暑くなって、そろそろ夏だなあ。

 領館祭の計画とかは、まだ出ないのかな。

 キッチンメイドの二人に聞いてみるかな。


 メインキッチンの控え室に入ってコック着に着替える。

 丁度居たボフダナさんとロッカさんにケルシャ漬けを食べてもらった。


「「おお、美味しいね」」

「漬物っていうから塩辛いかと思ったけど、良い塩梅の味だね、ちょっと酸っぱくてあとを引くわ」

「シャキシャキしてなかなか良いな、保存は効かなそうだけど、これだけ良い味なら問題なさそうだな、お嬢様が好きな味じゃないか?」

「ああ、そうだね、家令さんにも食べて貰おうね」

「おねがいします」


 俺は小皿にケルシャ漬けを乗せた。

 メインキッチンの料理人たちもケルシャ漬けをつまんで口々に感想を言ってくれた。

 概ね好評かな。

 漬物だから塩辛くないと違和感があるという人も居るな。

 やっぱりずっと食べていた料理は先入観があるから、ちょっとでも違うと違和感が出るよなあ。


 壺の中にちょっとだけケルシャ漬けが残ったから、サブキッチンの二人にも後で食べてもらおうかな。

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