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Our Story  作者: NeRix
水の章 第四部
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第百二十話 信じることは【アリシア】

 最後の戦場まであと十日だ。


 今の私に恐れるものは何もない。

大切な子どもたちのために、必ず勝とう。


 そう、子どもたちのため・・・幸福な未来を。



 ルージュをエイミィさんに預けに来た。

ルルの所は、グレンがいる可能性があるから行きづらい・・・。


 「なんかね、シロが元気ないんだ」

「変だよ・・・。寂しそうにしたり、恐い顔したり・・・悩んでる」

ルージュとセレシュが、シロの異変を教えてくれた。

最近話していなかったが、なにかあったのだろうか。


 「ケンカでもしたのか?」

「そんなんじゃないよ。とにかくいつもと違うの」

「種の月になってから・・・戦いのこと考えてるって・・・言ってた」

「お母さん、なんかシロ・・・かわいそうだよ」

友達を想う娘の顔はとても切なく、その中に必死さも見えた。


 「・・・最近なぜかうちにも来なくなったからな。・・・わかった、母さんもシロを気にして見てみることにするよ」

あの子のおかげで、ルージュは楽しい話をよく聞かせてくれるようになった。

そしてニルスをとても心配してくれていた優しい子だ。


 泊まりに来て、ルージュと三人でベッドに入ると幸せな気持ちになる。

なにか力になってあげられればいいのだが・・・。



 「あ?シロとは最近話してねーな」

まずティムに聞いてみた。

仲はいいらしいが・・・。


 「ただ、なんか避けられてる気はする。悩みでもあんじゃねーの」

「そうか・・・」

「俺が聞いてやろーか?」

「いや、これは私がやるよ」

避けられているか・・・。

ならティムの質問には答えてくれないかもしれない。


 「ティム、暇か?少し付き合え」

イライザさんが現れた。

また腕が太くなっている気がする・・・。


 「やってやるよ、手抜くなよ?」

「勝てないくせに何言ってるんだか・・・」

「お前・・・ウォルターのおっさんより強くねーか?」

「どうだろうね。あいつ私とは組みたがらないからさ。ほら行くよ」

ティムが連れて行かれた。

まあ、昼には返してくれるだろう。


 さて・・・もっと近い人間に聞けばはっきりしそうだな。



 「ニルス、最近シロの様子がおかしいらしい。気付いているか?」

息子に聞いてみた。

共に生活をしているから、変化を察知しているかもしれない。


 「・・・当たり前だろ。今日にでも声をかけようと思ってた・・・どう話すか考えてたんだ」

「どんな様子なんだ?」

「少し見ればわかるよ。・・・シロとは最近話してないの?」

「ああ、うちにも来てない。・・・お前とティムしか見ていなかったよ」

ニルスのことが解決して、シロの不安も消えたと思っていた。

まだなにか抱えているものがあるのだろうか。

 

 「見ればわかるんだな?」

「うん。アリ・・・母さんなら・・・わかるはずだ」

ニルスは目を逸らした。

私に自分で確かめてほしいということなのだろう。


 私ならわかるか・・・。

試されているようだが、受けてやろう。



 「ニルス―、食堂行こ―」

昼になり、ミランダが駆け寄ってきた。

シロは・・・どこにいるんだろう?

 

 「あれ・・・配膳係がいない。ニルス、あいつどこよ」

「あっちでイライザさんとやってる」

ティムはまだ打ち合っていた。

ずいぶん腕を上げたな。

 「あ・・・ほんとだ。まあ・・・ほっとくか」

「ミランダってイライザさんに弱い?」

「強い女は尊敬してるからね」

男は別なのだろうか・・・。


 「あ・・・みんなまだいたの?スコットさんたちは食堂に行ったよ」

いつの間にかシロが来ていた。

・・・なんとなく暗い顔をしている。


 「じゃあオレたちも昼にしよう。シロ、一緒に行こうか」

ニルスがシロの頭を撫でた。

 「うん・・・いいよ」

あまり嬉しく無さそうだ。


 ルージュが言っていた通り、様子がいつもと違う。

そしてこの感じは・・・知っている気がする。



 四人でテーブルに座った。

シロも料理を取ってはきたが、全然食べようとしない。


 「シロ、最近一人でいることが多いけどなにかあった?」

ニルスが先に声をかけた。

何を考えているか、これで答えてくれればいいのだが。


 「え・・・なんにもないよ・・・」

「ぜんぜん食べてないね。元気無いの?」

「・・・ミランダにあげる。・・・忘れてるみたいだけど、僕は元々食べるなんてしなくていい」

シロはミランダに「鬱陶しい」という言い方をした。

心に余裕が無いのを必死に隠そうとしてこうなったんだろう。


 ニルス・・・わかったよ。


 「なんか悩みでもあんの?」

「なんでもない!放っておいてよ!」

「・・・どうしたのよ?心配してんでしょ」

ミランダ、それではダメだ。

話してくれるはずがない。


 「・・・ごめんなさい。・・・一人でいたい・・・今日はもう帰るよ」

シロは食堂を飛び出していった。


 自分が情けない・・・。

もっと早く気付いてあげていれば、辛い日々をもっと短くしてやれたのに・・・。


 「なによあの子・・・」

「ミランダ、シロを悪く思わないであげてね」

ニルスが私を見ながら言った。

目が「わかったか?」と言っている。


 「悪くは思ってないよ。・・・でも最近一人でどっか行っちゃうし・・・一緒に寝てくれないし・・・大丈夫かなっては思ってたから」

ミランダも異変には気付いていたみたいだ。

ただ、接し方がある。


 「まあ・・・もう心配しなくていい。オレが話してくるよ」

ニルスが立ち上がった。

 この子ならシロの不安を取り除くことができる。

任せればなんの心配も無い。

だけど・・・。


 「待ってくれ、私に行かせてほしい」

「え・・・二人ともわかるの?」

「まあ・・・ね。アリシア、どうすればいいかは・・・」

「わかるさ。経験したからな」

だからこそシロも救える。

あの状態を放っておくことは、もう・・・できない。


 「アリシア、どんな決断をしてもオレはシロの味方だ。そう伝えてほしい」

「よくわかんないけど・・・あたしもそうだって伝えてください」

ニルスたちは、私を信じて託してくれた。


 見憶えがあって当たり前だ。

ニルスの様子がおかしいと感じていた頃・・・同じ顔・・・。

あの子はニルスと同じで優しい、だから抱え込む。


 今のシロは、あの頃のニルスだ。



 訓練場の門を過ぎた所でシロを見つけた。

寂しそうな背中と、不安を絡ませた足でとぼとぼと歩いている。

飛び出した時の勢いは、すぐに無くなったようだ。


 「シロ、私も一緒に帰るよ」

「・・・」

後ろから声をかけると振り向いてくれた。

しかし眉間に皺を寄せ、恐い顔をしている。


 「アリシア・・・今日は一人でいたいんだ」

暖かくなってきたのに、シロの声は氷のように冷たかった。

 これもニルスと同じだな。

本当は寄り添ってほしいのも・・・。


 「どこかに行くのか?」

「わからない・・・」

「私も一緒に歩きたいんだ。静かな方がいいならずっと黙っていよう」

「好きにすれば・・・」

だから拒まず受け入れてくれる。

・・・こんなに簡単なことだ。



 目的の場所も無く、ただ二人で歩いた。

なにかをしたいわけじゃない、ただ逃げ出したかっただけなんだろう。


 「・・・」

シロは広場の椅子に座った。

 「・・・隣に座ってもいいか?」

一言も話さなかったが、私が隣にいるかどうかは確認しながら歩いてくれていた。

だから・・・。

 「・・・いいよ」

受け入れてくれる。

まだ、救える段階だ。


 「そうだ、一緒に地図を見よう。私も少しは覚えたんだぞ」

「ふーん、なら問題出してあげる」

シロは口元を少しだけ緩めてくれた。

 おそらく戦いから遠い話をしたいんだろう。

ニルスも、ルージュの話の時はこうだったからな。



 「僕の城がある場所もわかるようになったんだね」

「当然だ。ルージュにも教えてあげられるようになったんだぞ」

「最近お勉強をするようになったって教えてもらったよ」

シロはいつも通りの話し方に戻った。

憂鬱になることを少しだけ忘れられたようだ。


 「シロ、どこか行こうか。お昼を食べずに出てきただろう?」

「アリシアは食べたんじゃないの?」

「シロと一緒にいたくてミランダにあげた」

「そう・・・怒ってた?」

シロはまた寂しい顔になってしまった。

仲間に当たったことを思い出し、悪いことをしたと感じたんだろう。


 「怒ってはいなかったよ。ただ、話してほしい・・・そう言っていたな」

「・・・なんでもないよ」

「そうか・・・」

「・・・」

シロはまた黙り込んでしまった。



 無言のまま時間が過ぎていった。

シロは時たま頭を触ったり、自分の手を見つめたりと、動きはあるがそれだけだ。


 ・・・大丈夫だよシロ。

安心できるまでそばにいるから・・・。



 「風・・・」

シロが空を見上げた。

やっと声を聞かせてくれたな。


 「強いね・・・」

持っていた地図の端が、風ではためき音を立てている。

 「耳障りだったならすまない」

私は優しくたたんで服の内側に押し込んだ。


 「・・・ねえ、アリシアはニルスとルージュを会わせてあげたいんだよね?」

「そうだな、だが私が頼まなくてもそうなるだろう。心配はしていないよ」

これはシロが背負うことはない問題だ。

気にすることは無い。


 「誰も戦う必要が無くなれば・・・ごめんね、聞いてたんだ」

「かまわないさ」

「その日が楽しみ?」

「もちろんだ」

「そう・・・だよね・・・」

シロは俯いてしまった。

 吐き出したくて仕方がないんだろう。

でもそれをすることでみんなからの扱いが変わるかもしれない・・・そんなところだな。


 シロ、みんなはそんなにひどい者たちではないよ。


 「ルージュはセレシュの所に預けてきたが、遊びには行かないのか?」

「気分じゃない・・・それに戦場まであと十日だよ。本当は・・・訓練場に戻って、みんなのお手伝いをしないといけない・・・」

「そんなことは気にしなくていい。そうだ、今から私の家に行こう。なにか作ってあげるよ」

「・・・」

シロは立ち上がらなかった。

・・・仕方のない子だ。


 「わっ、なにするの?」

「シロと手を繋ぎたいと思ったんだ。今日は一緒に帰ろう」

「・・・うん」

「卵のスープを作ってあげよう」

冷たい手だな・・・。

早く温めてあげなければ。



 家に戻り、二人で向かい合って座った。


 「どうだ?」

「うん・・・おいしい・・・」

シロは小さな口で少しずつだが食べてくれた。


 「食べれば元気も出るだろう」

「僕は・・・元気だよ」

まるであの頃のニルスが戻ってきたように感じる。


 食べ方・・・仕草・・・この子もとても愛おしい子だ。

だからこそ、話さないといけないな。


 「シロ、なにか私たちに遠慮しているのか?」

「そんなこと・・・ないよ・・・」

この子の心は、もういっぱいいっぱいですでに溢れていた。

どうやら強がりもここまでのようだ。

 「なら質問を変えよう。どうして涙が出ているのか教えてくれないか?私はシロの味方だ。必ず力になるよ」

「・・・」

シロは食べる手を止めて椅子から下りた。


 自分には味方がいる・・・それだけで心は楽になる。

あの頃のニルスにとってのルルがそうだったように・・・。

 

 「おいでシロ」

「・・・」

シロは私の膝に乗って抱きついてくれた。

 泣き顔を見せたくないんだな。

男の子はみんなそういうものらしい。


 それなら、もっと隠してあげよう。

私はシロの頭を両腕で包んであげた。



 「嫌なことって・・・やらなくてもいいのかな・・・」

胸の中からこもった声が聞こえた。

こういうところもニルスと同じだな。


 「私はそれでもいいと思うよ」

「でも・・・たくさんの人が関わってたら・・・」

「そうだな・・・。まずはなにが嫌なのかをわからないといけない。それはシロが思っているよりも重要ではないかもしれないぞ」

なにも不安になることはない。

そうなっても、私はシロを悪く思わないよ。



 「恐い・・・ことがある」

シロは、私の胸の中でぽつんと言った。

 深く顔を埋めているがはっきりと聞き取れる。

・・・わかっていたからだ。


 「教えてくれないか?」

「ニルスたちに・・・知られたくない・・・」

「大丈夫だ。誰にも話したりしないよ」

ルルも同じだったはずだ。

ニルスは、シロが自分と重なったから気付いたんだろう。


 「ジナスと繋がるのが恐い・・・でも僕しかできない。・・・消された精霊たちを見てきた。もう負けないって決めたのに・・・ずっと残ってて・・・」

なんだそんなことか・・・。

大きな問題ではないみたいだ。


 「それなら次で戦場を終わらせるのはやめよう」

「え・・・」

シロは急に顔を上げて私を見つめてきた。

潤んだ目を見開き「ありえない」と言いたそうだ。


 「ダメだよ・・・ニルスとルージュはどうなるの・・・」

「気にするな、次はただ戦えばいい。ニルスに不安があるなら待っていろと言ったんだろう?シロも同じだ」

「王様も・・・軍団長さんも・・・みんな次で終わりだって思ってる。そんなのできないよ・・・僕がこんなんじゃダメなのに・・・みんなに嫌われるかもしれない・・・」

本当の気持ちを伝えたら、大好きな仲間たちから呆れられ、見放されるかもしれない。

だから・・・誰にも打ち明けられずにこうなってしまった。


 これは仕方がない。

とても難しいことだから・・・。


 「心配はいらない、もしシロを責める者がいるなら私が守ろう」

「アリシアが・・・」

「言っただろう。私はシロの味方だ。お前が嫌な思いをしないように守ろう」

「・・・」

シロの体が温かくなってきた。

少しずつでいい、凍らせた心を溶かしてやろう。


 「無理をする必要はない。ルージュたちと帰りを待っていればいいんだ」

「できない・・・僕は戦場に行く・・・」

ニルスもこうだったな。

・・・同じようにはしないよ。


 「それならば、その時にシロが無理だと思ったら私に言うんだ。そして帰ろう」

「・・・」

シロの涙はとても綺麗だ。

愛で凍らせた心、それが溶けだしているからなのだろう。


 「帰ったら朝食の時間だな。急いでルージュを迎えに行って、前の晩に作っておいたシチューを温めようか」

「・・・」

「シロが好きだと言ってくれたパンも焼こう。そうだ、ミルクに入れる砂糖はいつも二杯だが、もう一杯入れてもいいぞ」

より強く抱きしめた。

私だけはシロを離さない、ずっとこうしていたい・・・。


 「相手が軍団長だろうと、聖女だろうと、王だろうと・・・誰にもシロを責めさせない」

「なんで・・・」

「シロも私の子どもだと思っているからだ」

「・・・」

シロも私を離さないとばかりに抱きしめてくれた。

嬉しいのか嫌なのか・・・言ってほしかったな。


 「僕がダメでも・・・怒らない?」

「嫌なことを黙っていたら叱るよ」

「あったかい・・・女神様と同じ。・・・そうだよ・・・助けなきゃいけない」

女神か・・・私やシロにとっての母のようなものだからな。

・・・どちらを選んでも、私はシロを守ろう。


 「どうする?戦場に出るのも不安があるなら私からみんなに話そう。文句がある者は全員相手になるつもりだ」

「・・・ニルスでも?」

ふふ、あの子が文句を言うはずがない。


 「ニルスはシロの心に気付いていたよ。本当は、私ではなくあの子が同じことをしてあげるつもりだったみたいだ」

「気付かれてた・・・でも・・・」

「どんな決断をしてもシロの味方だ。そう伝えてくれと言われた・・・ミランダもな」

「僕・・・話したら・・・嫌われるって・・・」

勝手な思い込みは誰にでもある。それが大きくなると真実が霞み、迷いが生じる。

この子の中に降り積もった不安は、仲間の気持ちも見えなくさせるほどになっていたらしい。


 「私も最近やっとわかったんだが・・・信じることは難しいだろう?」

「うん・・・むずかしい・・・」

だから、もっと愛してあげなければいけない。


 「シロ・・・ニルスやルージュと同じように、お前も愛しているよ」

「・・・ルージュが言った通りだ。アリシアにこうしてもらうとなんだか恐くない・・・」

甘えん坊だな・・・うちの子はみんなそうだ。


 「そして、ジナスからも私が守ろう」

「ニルスとおんなじこと言ってる・・・親子だから?」

「シロの仲間はみんなそう言ってくれるよ」

「・・・うん」

シロの顔から不安が消えている。


 恐れずに踏み込むことで心を開いてくれた。

以前の私は、こんなに簡単なことができずにいたのか・・・。


 「・・・アリシアが守ってくれるなら僕は大丈夫。でも、ジナスを探す時は手を繋いでいてほしい」

「わかった、約束しよう。だが無理だと思ったらすぐに言うんだぞ?」

「僕にしかできない・・・替わりがいない。それにみんなと早く旅に出たいんだ」

夢を話す顔もやはり似ているな・・・。

きっと叶えてあげよう。



 「ニルスはもっと長い間戦ってたんだよね・・・。まだ僕はそんなに強くない・・・」

シロの涙が完全に止まった。

心はすべて溶けたようだ。


 「私のせいでもある。だが・・・今の私なら戦うなんてさせなかったよ」

「うん・・・でも、だからあんなに強くなれたんだと思う。僕は・・・まだまだだから・・・」

シロはとても遠い目をしている。


 『でも旅をしていくうちに、僕も強くなりたいって思ったんだ・・・ニルスみたいに』

シロが憧れた男・・・この子はまだずっと遠くに感じているらしい。


 「シロはもう・・・ニルスのようになれているよ」

しっかりと目を合わせて教えてあげた。


 「恐くても立ち向かう強さを持っている。それはあの子と同じだ」

「えへへ・・・ジナスを倒せたらもっと褒めてほしいな」

「当たり前だ。母さんは、ちゃんと自分の息子を褒めるよ」

「・・・うん」

頭を撫でると、また無邪気な笑顔を見せてくれた。

ふふ・・・これで私の子になったな・・・。


 「じゃあ、一緒にルージュを迎えに行こう。帰りに市場で買い物もしようか」

「荷物は僕が持ってあげる」

ルージュもきっと喜んでくれるだろう。

少し小さいが兄ができたんだからな。


 ・・・もう一人は戦いが終わったあとになってしまうのは寂しいが、今日は親子三人で過ごそう。

ニルス、食卓にお前がいる未来を必ず勝ち取るよ。


 あと十日・・・血が滾るな。

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