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ダンジョンのある日常~とあるテイマーかく戦えり~  作者: 那田野狐
ダンジョンのある日常

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第8話 先輩風ピューピュー

閲覧・感想・ポイント評価・ブックマーク・誤字報告・いいねありがとうございます。

 一度、心ちゃんを開拓者ギルドに連れて行ってから開拓者に登録。レベルアップに付き合って第二階層を探索。魔法少女の初期スキルである変身を取得させます。


「ミラクル・ソシテ・チェンジ!」


 心ちゃんが変身スキルを発動させると、キラキラ身体が輝いて首から下が白いタイツっぽいものに包まれて、セーラー服っぽいものに変化する。ポニーテールでお臍がちらりで手袋じゃなくて結構ゴツイ手甲、スカートの丈はミニで膝下まである皮のブーツを装備している。


「魔法少女?」


 心ちゃんが大きく首を傾げる。


「たぶん美少女闘士プリティーセーラーとかいう変身モノアニメがベースだと思う。広義での魔法少女なんだって」


 両親が子供の頃に流行って実写ドラマ化もした少女漫画が原作らしいと教えると、納得したように頷く。ついでにレア職で転職が出来ないこと、装備が出来ないのでサブに生産二次職が取得出来るスペースというスキルを取らないと治療系のアイテムを持ち歩けずに詰むこと、生産職だと裁縫師が普段でも経験値が稼げるともアドバイスする。


「そうなんだ」


 と呟いて、再度職業部屋に入る。


「裁縫師って職が選べた」


 恐らく生産職はそれしかなかったのだろう。



「いけ水饅頭!」


 心ちゃんと水饅頭のレベルアップのため第二階層を駆け巡る。


「痛い!」


「ぽい」


 野犬の突進を食らって後ずさる心ちゃんに向かって栓をぬいたポーション瓶を投げる。回復ポーションは飲んでも振りかけても効果があるから多少の無理はごり押しが出来るのだ。


「てい!」


 スキルで動きに補正が入った心ちゃんのキックが野犬を蹴り飛ばし、宙に浮いた野犬に水饅頭が体当たりして倒す。

 あっという間に心ちゃんの基礎レベルは10に到達した。


「拳術、蹴術がレベル8。防衛術がレベル4。闘志と見切りがレベル3で変身が10・・・変身が10って何?」


「さあ?魔法少女だから属性の違うモノに変化するとか?」


 一気にレベルを上げたから最初に変身したときのままなのだ。


「ちょっと待って・・・あ、本当だ!日、月、火、水、木、金、土に白と黒の9つに変化出来るっぽい」


 心ちゃんが驚きの声を上げる。日、月、火、水、木、金、土って一週間か!それにプラス白と黒。日は白。月と黒って被って無い?あと日と火も被ってるよね。

 と思って一つづつ変身してもらう。

 日はオレンジを基調とした眩しくて暖かい光属性。月は淡い紺色の闇属性。

 火、水、土は見たまんまの属性で木は風で金は金属。白は聖属性で黒は幻惑等の精神系。これに属性の無いノーマルで10種類となるようです。なるほど、9属性の攻撃ですか・・・これは転職できないのも当然です。魔法使いだと魔法は系統毎に転職して習得しなければいけませんから。

 次に装備のデザインですが、セーラーカラ一が色違いのセーラー服です。お臍がちらりなのは何かエッチな動画っぽいけど、うちの学校はブレザーだから心ちゃん的には良いらしい。


「今日はもう上がろうか?」


「りょ!」


 一区切りついたのでダンジョンを出ることにします。


「精算お願いしまーす。あと、魔法少女の心得のDVDがあればレンタルしたいのですが!」


 退ダン手続きのあと、カウンターで要件を告げる。心得動画はネットを漁れば出てくるけど、それが悪意のある動画である可能性はあるので、ギルドが発行しているDVDを借りる方が安心確実です。


「狩り場とか育成方法は、掲示板とかから探すのがいいけど、基本は火、風、水、土のいずれか一属性を上げて、次は上級の浅い階層でもワンチャンある聖属性を伸ばす。後はお好みかな?」


 先輩風ぴゅーぴゅーですが、鉄板の育成方法でもあります。


「判った勉強するね」


 ドロップ品を売却し、二人で分けると、水饅頭を飼育ケースに入れて、スペースにしまうと家路についた。

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