第51話 ボス戦だ!
閲覧・感想・ポイント評価・ブックマーク・誤字報告・いいねありがとうございます。
オーガジェネラルとのボス戦は熾烈を極めた。
残り3体となったあと16パーティを勝ち抜きとか流石に肝が冷えた。あれと戦うの?
ただオーガ側のMPが尽きたのか、三体とも肉弾戦でのみ戦っていたのが救いである。
「お、青オーガが倒れた」
戦況中継点を閲覧していた岡部さんが呟く。
この分だと自分たちに回って来る前にケリがつきそうだ。
「って、ありゃ、パーティが全滅した・・・」
味方が全滅したらしい。残ったのはJ隊の田中さんのパーティ2チームと自分たちの2チーム。
まぁJ隊のパーティならオーガとオーガジェネラル相手ならなんとかなるだろう。なるよね?
けど、応援虚しくJ隊の人たちはオーガジェネラルの前に敗北した。
うん頑張ったよ。J隊の人の頑張りのお陰でオーガジェネラルは左腕を失った。そして黄色のオーガは右腕が上がらないうえに右目が潰れている。
「行きましょうか・・・」
岡部さんはパーティのメンバーに声をかけて扉を開く。
「よく来たな最後の挑戦者よ・・・」
オーガジェネラルが切り落とされた左腕を持ちこちらを睥睨してくる。
「最後の相手にこの姿はいささか失礼だと思ってな」
オーガジェネラルはニャリと笑うと切り落とされた腕をくっつける。
「頼むぞ」
黄色オーガに合図を送ると、黄色オーガはぶつぶつ呪文を唱える。
「ハイヒール!」
パッーと淡い光がオーガジェネラルと黄色オーガを包み込む。
「きたねぇ!」
思わず声が出る。黄色オーガもオーガジェネラルも怪我が無くなっていた。
「うむ」
ワキワキと切り落とされたはずの腕を動かしながらオーガジェネラルは嗤う。
「能力向上!」
オーガジェネラルのムキムキ筋肉が一回り大きくなる。
「よし。任せろ」
紅桃がコキコキと首を鳴らしながら前に出る。
「相手の身体強化に付き合う必要ないよ」
自分は紅桃に声をかける。
「それもそうか」
そうそう。筋肉が大きくなるなんて効果が分かり易い演出をしてくれるのだ。効果が切れるまで正面切って戦うことはない。筋肉が萎んでからが勝負です。
「ボスを抑えています。黄色いほうを倒して加勢してください」
「あいよ!」
岡部さんたちは黄色オーガの方に向かう。
「疾風、チビ、ヒットアンドウェイで。ペンタントちゃんは魔法で支援」
「わんぉ」
「にゃあ」
「判った」
三人は一斉に配置につく。紅桃はオーガジェネラルの攻撃を躱わし、いなし、避ける。筋肉ダルマに掴まれるわけにはいかない。
「わんぉ!」
疾風が十文字槍でぶん殴りチビが剣で斬らず刺す。ペンタントちゃんの右手の人差し指から黒い閃光が、ダークライトニングが放たれる。
「ぐわっ」
黄色オーガを相手にしていた岡部さんたちのほうから叫び声があがる。
「えぇ!」
思わず声が出る。岡部さんのパーティ、もう二人しか残ってない。弱い。弱過ぎる!
「このぉ!」
岡部さんが切り込むが、あっさり腕を掴まれる。
「くそっ!」
皮鎧の男性が持っていたショートソードで切り込み、ざっくりと黄色オーガの腹を切り裂く。
「ガッ!」
黄色オーガは持っていた岡部さんを皮鎧の男性にぶつける。そしてフットスタンプ!しかも両足で腹の上に飛び乗る。ジャンプ!ジャンプ!!ジャンプ!!!
うぇ岡部さんの口からキラキラしたものが・・・
「おらっ!」
黄色オーガの4度のジャンプは岡部さんの喉を踏み抜いた。
ゴキャ
鈍い音がして岡部さんの体がキラキラと輝いて消える。
「貴様!」
皮鎧の男性がショートソードを振り上げ突っ込む。
「ウガァ!」
黄色オーガは右腕を横方向に突き出して皮鎧の男性の喉を目掛けてラリアットを繰り出す。
「なんと!」
ギリギリ皮鎧の男性はかいくぐるように躱わし、ショートソードを黄色オーガの腹部に叩き込む。
「ガァ!」
すかさず黄色オーガは、皮鎧の男性の頭に肘を叩き込む。
ゴキャ
砕ける音が響き黄色オーガの肘が皮鎧の男性の頭を半分ぐらい凹ませる。
皮鎧の男性は膝をつきキラキラと輝いて消える。
「チビ!黄色に止め!」
「にゃあ!」
チビが即座に黄色オーガに駆け寄って腹のキズ目掛けて剣を振るう。
「ガァ」
黄色オーガがゆっくりとひっくり返り黒い塵となって消える。
『勝ったな!』
「フラグ止めてください!」
思わずコメント欄にツッコミを入れた。




