第22話 アンデッドがメインのダンジョンその2
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『Qドラ権。上位モンスター引き過ぎじゃね?』
『ワーウルフにオーガ・・・確かに』
『どれも危なげなく倒しているしいいんじゃね?(震えながら)』
まあそれは確かに・・・
「それより宝箱です」
宝箱の前に移動して、罠の有無を調べる。あ、罠無しです。期待小です。
「罠ありませんね。中身がっかり級かも・・・」
そう牽制しておいてパカリと開く。中身は信長コイン2枚目と色が青いMP回復ポーションが一本。予想通りのしょんぼりです。まぁМР回復ポーションを売らないからなんですけどね。
「あ“~」
第三階層に降りてきたとたんゾンビと遭遇した。
「にゃあ!」
チビが独鈷杵を構えてゾンビに突っ込む。聖戦士というよりはドスで攻撃する昭和のヤクザ映画の登場人物である。
「あ“あ“あ“~」
あっという間にゾンビは押し倒されて毒爪と魔石に変わる。
「スケルトンと変わらないね」
『にゃんこが強すぎるに一票』
『特攻武器に一票』
『両方に一票』
まぁ両方だと思う。チビは聖戦士としてのジョブレベルは低いけど基礎レベルは高いからね。
「とりあえずテイムレベルを7以上にしてお供を迎える準備をしましょう」
『了解』
コメント欄からの返事があるので少し早足でダンジョンを進む。
ゾンビはテイム出来ないから必ず失敗するけど、ゾンビはランクが1つ高いので失敗してもそれなりに経験値が入るのが美味しい。
カタカタ
剣を持ったスケルトンや杖とボロボロのローブを着込んだスケルトンが立ちふさがる。
まぁ順番を守っての攻撃なので対応は楽なんだけどね。
カラン。
魔石と杖とボロボロのローブが地面に落ちる。ザコ敵から三つもドロップ。これはちょっと珍しい。
チビがドロップ品を拾ってこちらに持って来る。
頭をグリグリしてドロップ品を受け取るとスペースに放り込む。
そのまま第三階層のボス部屋に進む。
「よし行こうか」
ギリギリとボス部屋の扉を開ける。
「ヨクキタ!」
中に居たのは2メートル弱のローブを着たスケルトン。おそらくスケルトンウィザード。そして護衛であろう二体のスケルトン。
「まずは取り巻きから潰すよ!」
「わんぉ!」
「にゃあ!」
疾風とチビが別れてスケルトンに突っ込む。
「オノレ!ファイヤー、イダ!」
呪文を唱えようとしたスケルトンウィザードに腰に吊っていたパチンコで持っていたスライムの体液を固めた飴・・・通称スライム飴をぶつける。アンデットなのにイダっとか、痛みを感じるような台詞を吐いて呪文を中断する。
まぁ、痛みがあるかどうかはこの際脇に置いておく。こうする事でスケルトンウィザードの呪文をキャンセルさせる事が出来るのだ。たぶんスライムの粘液を加工すると体力回復の飴になるのが理由だと思う。
「わんぉ!」
疾風が近距離で初級魔法火の弾丸を放つ。
「せいっ!」
追い討ちをかけるように回復ポーションをスケルトンにぶつける。
「わんぉ!」
火の弾丸と回復ポーションがぶつかった所に疾風が独鈷杵を打ち込む。
バキンという音と共にスケルトンの右腕が砕ける。
すかさずスケルトンの頭蓋骨に独鈷杵を叩き込む。
「にゃあ!」
チビが素早くスケルトンの懐に潜り込んでその肉球を押し付ける。
ぼんやりとした緑色の光がその肉球に灯る。
回復の魔法は術者と対象が近ければ近いほど効果を発揮する。アンデットへの攻撃も触って発動させた方が効果は高い。
「追加だ!」
こちらのスケルトンにも回復ポーションをぶつけるのと同時にスライム飴を握る。
「ファイヤー、イダ!」
スケルトンウィザードが再び呪文を唱えようとしていたので、持っていたスライム飴をぶっける。
「ふしゃあ!」
チビがスケルトンの背後に回り骨盤に肉球を当て回復の魔法を発動させる。
ガシャ
スケルトンが崩れる。
バキン
そのままチビがスケルトンの頭蓋骨を砕く。
「わんぉ」
疾風がスケルトンウィザードに襲いかかった。




